元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回は、読む人をちょっと身も蓋もない気持ちにさせるかもしれない本でございます。
このムダな努力をやめなさい
ボクがこの本に興味を持った理由:報われない努力の正体を知りたくて
ボクはいわゆる「団塊ジュニア」と呼ばれる世代のど真ん中です。日本の人口構成の中でも最も人数が多い世代に属しています。
親は団塊の世代でしたから、「努力すれば報われる」「やればできる」「磨けば光る」と言われて育ってきました。ただ、具体的にどう努力すればいいのかは教えてもらえませんでした。とにかく目の前のことを一生懸命やりなさい、という曖昧な指示だけでした。
ボク自身は頑張っているつもりでも、親から見れば頑張っているように見えないと「努力していない」と認定されていました。何をやっても、親はボクを褒めてくれたことはありませんでした。ある教科のテストで良い点を出したとしても、「他の教科でもやってみろ」とか、「100点ではないんだから、もっと努力ができるはずだ」と言われる始末。
かつてボクがプロのミュージシャンになりたいと思ってバンドを始めた時も、自分なりにしっかり練習して、曲を作って、ライブの構成を考えて、必死に努力していたつもりでした。しかし母からは「努力が足らない」と言われ続けたものです。もちろん、母は応援の意味で言っていたのだろうとは思います。でも、「ではどう努力すると認めてくれるのか」という具体的な提案は一切なく、その曖昧さにかなりイライラさせられました。
結果的にボクはミュージシャンになれませんでしたから、母の言う通り「努力が足りなかった」のは事実です。ですが、ボクらの世代は常にそうやって、具体的な道筋もないまま競争をさせられ、結果が出なかった人間は「努力を怠った」と言われる空気の中で生きてきました。
同世代の成功者である堀江貴文さんも「結果を出せなかったのは本人の責任だ」という趣旨の発言をされています。方法はともかく、頑張った者が報われるという価値観の中で生きてきたのです。
今現在、ボクはうだつの上がらない中小企業の平社員です。おそらく努力の仕方が間違っていたのでしょう。ここから逆転できる可能性は低いかもしれません。でも、正しい努力の仕方でちゃんと努力をすれば、少しは人生が上向くのではないか。そんな期待を持って、この本を手に取りました。
『このムダな努力をやめなさい』書籍の基本情報
基本情報と著者について
書籍名: このムダな努力をやめなさい:「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ
著者: 成毛眞
出版社: 三笠書房
発売日: 2012年10月9日
ページ数: 184ページ
公式サイト: 三笠書房
著者の成毛眞さんは元マイクロソフト日本法人の社長を務め、現在は書評サイトHONZの代表も務める方です。ボクはこれまでに『40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。』や『会社のつくり方: 成毛流「起業心得」』など、成毛さんの本を何冊か読んできました。
どの本も独特の切り口があり、読者に強いメッセージを投げかけてきます。中でも特徴的なのは、その言葉の鋭さです。成毛さんの文章はとにかくキツい。普通なら反発してしまう人もいるでしょう。しかし不思議なことに、ボクは全くムカつかないのです。むしろ、そんなにストレートに本音を言ってくれてありがとう、とさえ思えてきます。
本書の内容を一言で表すなら、「偽善者として消耗するくらいなら、偽悪者として合理的に生きろ」です。単に「怠けろ」と言っているのではなく、無駄なエネルギーを他人の目のために使うのをやめなさいと説いているのです。
Before:この本を読む前の期待と、現実のギャップ
ボクがこの本に期待していたのは、「正しい努力の仕方」を教えてくれることでした。タイトルに「ムダな努力をやめなさい」とあるのですから、では何が正しい努力なのか、どうすれば効率的に結果を出せるのか、その具体的なノウハウや行動指針が得られると思ったのです。
しかし、読み進めていくと、期待していた内容とは180度違っていました。 本書で成毛さんが伝えているのは、「無理しなくていい」「嫌なことはしなくていい」「ありのままの自分を受け入れてくれる人は必ずいる」というメッセージでした。つまり、自分を何も変えることなく、何なら今よりもさらに怠惰であってもいい、というような内容です。
正直に言うと、最初は困惑しました。ボクが求めていたのは「どう変わればいいか」という答えだったからです。
偽善者にも偽悪者にもなれないボクの葛藤
本のサブタイトルにある「偽善者になるな、『偽悪者』になれ」というフレーズについて、ボクなりに深く考えてみました。
成毛さんの言う「偽善者」とは、周りから良く見られようとして“善人アピール”をし、本心を隠していい人を取り繕う人。「偽悪者」とは、嫌われるリスクを負ってでも、自分の本心や合理性を優先し、あえて悪役・嫌われ役も引き受けるタイプの人です。
ただ、正直に言うとボクは偽善者にも偽悪者にもなれません。なぜなら、ボクは嘘をつくということに猛烈な嫌悪感があるからです。たとえそれが相手にとって都合の良いことであったとしても、嘘をつくこと自体に物凄くストレスがかかります。だから、いい人を演じる「偽善者」には絶対になれない。
一方で、「じゃあ偽悪者になれるか」というと、これもまた難しいのです。ボクの考える偽悪者とは、「和を乱すことになりかねなくても、真実を口にすることで全体の流れを正しい方向に持っていこうとする行為」です。
しかし、雇われの身である中小企業の平社員が、上司や会社に対して耳の痛い正論(真実)をぶちまけるというのは、よっぽどの覚悟が要ります。大抵の組織では、耳の痛いことを言って「よくぞ言ってくれた!」と称賛されることはありません。会社にとっての「悪」になるまで正論を突き通すには、会社を辞める覚悟が必要になってしまいます。
理屈ではわかります。でも、実際にありのままの自分を出して、周囲に受け入れられなかった過去の経験があるボクにとっては、成毛さんの言う通りの「偽悪者」になるのは簡単ではないのです。
Action:50代平社員が行き着いた「プチ偽悪者」の生存戦略
完璧な偽悪者にはなれなくても、本を読んだボクは、職場で自分なりの実践(Action)を試みることにしました。
そもそも、ボクが自分で会社を起こさずサラリーマンを選んだのは、「自分で決断するのが面倒だったから」という側面があります。上からの命令に従うだけで一応は仕事になり、お給料もいただける。それがサラリーマンのシステムです。
しかし、上司の指示というのは往々にして理不尽なものです。時間が経過したら、上司が前提条件を忘れてしまって、その場その場の感情で指示をガラッと変えてしまう。これに振り回されると、それまでやってきたことがすべて無駄になり、猛烈なストレスになります。これまでは完全なイエスマンとして耐えていましたが、ボクはやり方を変えました。
上からの指示が出た時点で、少しでも「合理的でない」と感じた疑問は、業務に入る前にその場で上司に質問して解消しておくことにしたのです。
結果的に、上司の意向通りに動くことには変わりありません。ですが、あらかじめ疑問をぶつけておくことで、後から上司の指示がブレた時に「前回はこういう意図で指示が出たと思いますが、新たな指示の方向で進めても大丈夫ですか?」と冷静に確認できるようになりました。
さらに、職場での無駄なお世辞や、同調圧力を伴う付き合いは、感情を無にしてスッと避けるスタンスに変えました。完璧に楯突く悪者にはなれなくても、無駄なイエスマンをやめ、自分のストレスを軽減するために「プチ偽悪者(=ただの正直者)」として境界線を引く。これがボクの実践です。
Result:現実は甘くない、でも「頑張らなきゃ病」から解放された
では、それで仕事が劇的に改善したかというと、現実はそう甘くありませんでした。こちらの意思表示ですぐに環境が変わるほど、組織というものは単純ではありません。相変わらず、気の進まない業務を担当することもあります。これが中小企業の平社員のリアルです。
しかし、気持ちの変化は確実にありました。
以前は、理不尽な指示に合わせられない自分を責めていましたが、今は「言うべき確認は事前にした。それでもこのやり方をさせるのは会社の責任」と、自分と課題を切り離して考えられるようになったのです。「無理しなくていいんだ」「嫌われてもいいんだ」と思えるだけで、心の重荷はずいぶん軽くなりました。
親からの「具体性のない頑張れ」にはずっと苦しめられてきましたが、成毛さんのキツい言葉の裏には「嫌なことはしなくていい、人生を消耗するな」という明確な着地点(本音の誠実さ)があります。だからこそ、期待していたノウハウ本とは違っても、ボクの心に深く腑に落ちたのです。
この本をおすすめしたい人
- 頑張っているのに結果が出なくて苦しんでいる人: もしかしたら努力の方向性が間違っているか、そもそも頑張る必要がないことに気づけるかもしれません。
- 「もっと頑張らなきゃヤバい」という世間の空気に疲れている人: ニュースやSNSの焦りから一歩引き、心を軽くしてくれます。
逆に、現在の努力でしっかりと成果が出ている人には、この本は不要かもしれません。
似たテーマで今後読みたい本
成毛さんの本音の文章に触れて、彼が提案する他の視点にも興味が湧きました。今後読みたい本です。
成毛眞『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』
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成毛眞『人生も仕事も変わる! 最高の遊び方』
遊ぶことで人生や仕事の結果が変わるという成毛流の「遊びの合理性」がどんなものか、ぜひ覗いてみたいと思っています。
まとめ:期待とは違ったけれど、得るものがあった
『このムダな努力をやめなさい』は、正しい努力のノウハウを教えてくれる本ではありませんでした。しかし、「ありのままの自分でいい」「無理に頑張って消耗するな」と、ボクらの世代が抱えがちな呪縛をバッサリと斬り捨ててくれる一冊でした。
経済的な不安や、会社の人間関係のつらさは今もあります。ですが、自分の「好き」ではないことに無駄なエネルギーを使うのをやめ、自分に正直に淡々と生きていく。それだけでも、これからの人生後半戦はずいぶん豊かなものになるのではないかと思えるようになりました。
もしあなたが、真面目に頑張っているのに報われないと悩んでいるなら、ぜひ一度この本を手に取ってみてください。期待とは違う、でも救いになる答えが返ってくるはずです。
それではまた。
ありがとう!