元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
つい先日、世を忍ぶ仮の姿で勤める会社での出来事です。
ボクは少しも出世していない、現場で手を動かし続けるしがない50代の一般社員なのですが、仕事でちょっとしたトラブルに見舞われました。
良かれと思ってやったことが裏目に出てしまい、上司からかなり厳しく叱責されてしまったのです。
内容は伏せますが、「今までの積み重ねは何だったのか」と思わされるような、人格まで否定されるようなキツい言葉を浴びせられました。今の時代、なかなかのパワーワードを連発され、精神的にかなりまいっているところです。
確かにボクはこれまで何度かミスを犯しているし、会社にも迷惑をかけています。その負い目があるから、何も言い返せません。だからその場では素直に謝るわけですが、正直、腹の中は煮えくり返っていました。
なぜなら、その正論を説いてくる上司本人が、普段まったくそれを全うしていないからです。「俺もできてないけどな」と頭にズルい予防線を張りながら放たれる上司の「正論」ほど、説得力のないものはありません。「お前が言うな」という感情が勝ってしまい、素直に言葉が脳に届かないのです。
本の「正論」なら、真摯に受け止めて「じゃあ自分はどうするか」を冷静に決められますが、身近な人間のズルい正論はただのストレスでしかありません。50代にもなって、こんなことでイライラし、変化のきっかけをつかめずにいる自分に無力感を覚えていたとき、書店でふと手に取ったのが今回読んだ本です。
STOIC人生の教科書ストイシズム
書籍の基本情報
まずは、今回ボクがすがるような思いで手に取った書籍の基本データをご紹介します。
- 書籍名: STOIC人生の教科書ストイシズム
- 著者: ブリタニー・ポラット(Brittany Polat, PhD)
- 翻訳者: 花塚恵
- 出版社: ダイヤモンド社
- 発売日: 2024年11月27日
- ページ数: 232ページ
著者のブリタニー・ポラット氏は、ストイシズム(ストア哲学)の研究者であり、その原則を推進する非営利団体「ストイケア」の共同設立者でもあります。応用言語学博士でもある彼女が、ストイックな生き方の原則を現代風の「90日プログラム」に落とし込んだのが本書です。
海外でも「毎日の指示が成長の道を歩むための忍耐を促してくれる」「集中した心と整理された一日を手に入れるための貴重なロードマップ」などと絶賛されています。
この本の概要:古代哲学を現代の「90日ワーク」に落とし込む
この本では、古代ギリシャのストア哲学=ストイシズムを、現代の生活に実践的に取り入れるための方法が紹介されています。 「哲学」というと難解なイメージがありますが、本書のアプローチは非常に具体的です。その手段が「90日間のワーク」です。
1日1テーマで、心の持ちようや行動のガイドラインが提案されており、自分を見つめ直し、鍛えなおすヒントが詰まっています。目次を見るだけでも、そのボリュームとカバーする範囲の広さに圧倒されます。
これらは決して難しい言葉で書かれているわけではないのですが、その本質に目を向けると、どれも奥が深く、簡単には実践できないものばかりです。これをすべて完璧にこなせれば、確かに聖人のようなメンタルが手に入るのでしょうが、凡人のボクには少し荷が重いようにも感じました。
読んでみてどうだったか:Before/Action/Result
ここからは、実際にこの本を読んでボクの中で何が起きたのか、独自の視点で深掘りしていきます。
Before:変われない焦りと、ズルい正論への無力感
この本を読む前、ボクが抱えていた最大の課題は、「自分を変えたいのに変われない」という強烈な焦りと無力感でした。
50代になっても仕事でミスを犯し、普段まともに実務をやっていない上司から理不尽な言葉を投げつけられ、自信を完全に失っている状態です。「何かを変えなければいけない」という切迫した思いはあるものの、具体的に何をすればいいのかがわからず、ただ日々の不満を言い訳にして、惰性で過ごしていました。
Action:完璧を目指さず「つまみ食い」で3つの実験
正直に告白しますと、90日間のワークを最初から順番にきっちりやろうという気持ちにはなれませんでした。今の弱り切った精神状態で、90日間も修行のようなことを続けられる気がしなかったのです。本に書かれた「正論」をそのまま真に受けて疲弊するのは本末転倒ですからね。
そこで、今の自分にできそうなことだけを「つまみ食い」して、少しだけ生活に取り入れることにしました。ボクが選んだのは以下の3つの実験です。
- 「自分に喝采」実験: 毎晩3つの良かったことをノートに書く。
- 「相手の言い分を反復してから話す」実験: 職場の会話で試してみる(傾聴のトレーニング)。
- 「感謝のメッセージ」実験: 家族や同僚へ、つい「すみません」と言ってしまうところを、意識的に「ありがとう」に変換して伝える。
Result:スキル云々の前に「決めた道」がぼんやりしていた
まず「毎晩3つの良かったことをノートに書く」ですが、これは予想以上に苦戦しました。ネガティブ思考が染み付いているせいか、何も良いことがなかったように思える日もあるのです。それでも無理やり捻り出すうちに、物事のポジティブな側面に目を向けるリハビリにはなった気がします。
次に「相手の言い分を反復してから話す」実験。これはあの上司とのやり取りを想定して取り組んでみたのですが、怒りや理不尽さといった感情が湧き出てしまうと、途端に相手の話を聞けなくなるという自分の弱点に気づかされました。常に冷静でいられるかが最大のポイントですが、一度相手の発言をまるごと受け止めてから返すと、不毛な衝突を避けられ、会話のトーンが少し柔らかくなるという確かな手応えもありました。
しかし、ボクが本書で最も衝撃を受け、ハッとさせられたのは、ワークの解説の中にあった次のメッセージです。
「失敗を犯すのは人間として当たり前」
「決めた道を歩み続けることが大事」
この言葉を読んだとき、目の前がクリアになりました。そもそも、ボクにはその肝心な「決めた道(人生のゴール)」がぼんやりしていたのです。何を目指し、どこへ向かっているのか。それが明確にできていなかったからこそ、他人の評価や上司のズルい正論に振り回され、行動に迷いが生じていたのだと気づかされました。
「自分を哀れんでも意味はない」「不満が癖になる」という指摘も耳が痛かったです。
職場の環境への不満を言い訳にして、自分の足で歩く気力を失っていたのかもしれません。一番の成果は、小手先のスキルが身についたことではなく、「自分の人生の目標が曖昧だった」という根本的な問題に気づけ、今後の引き際やフィニッシュの飾り方を真剣に考え始めるきっかけを得られたことです。
こんな人におすすめ
本書に書かれている「期待を手放すと、愛情がより誠実になり、幸福を見出す力が増す」というストイックな考え方は、特に職場の人間関係に疲れている人に効きます。「上司ならこうあるべきだ」「組織ならこうしてくれるはずだ」という期待をハナから手放してしまえば、相手の理不尽な言動に一喜一意して傷つくこともなくなります。
この本は、すでに自分に自信があり、人生のレールがしっかり見えているような「自己確立ができている人」には不要です。しかし、ボクのように以下のような悩みを抱えている人には、静かに効いてくる一冊になります。
- 職場の理不尽な人間関係や、他人の評価に振り回されて消耗している人
- 「自分を変えたい」と思いつつ、何から始めればいいか分からない人
- 自分の人生の明確なゴール(目標)が曖昧なまま、日々を惰性で過ごしている人
全部を完璧にやろうとせず、心が弱っているときにパラパラと捲り、今の自分に必要なページだけをつまみ食いする。そんなスタンスで自分と静かに向き合いたい方に、特におすすめです。
比較・他の選択肢:過去の「ワーク系書籍」との違い
実はボクは、過去にも本に書かれた「ワーク」にいくつか挑戦したことがあります。 たとえば、午堂登紀雄さんの『脳を「見える化」する思考ノート』を読んで「やりたいこと100個」をノートに書き殴ってみたり、けんすうさんの『物語思考』を読んで専用のNotionを立ち上げ、「なりたい姿」を100個ひねり出してみたりしました。
ブログを書いているくらいですから、文字を書く作業自体は苦にならず、むしろ100個書いている最中はかなり楽しかったのを覚えています。しかし、ボクの悪い癖は「書いただけで満足してしまい、そこから先を続けられない」ということでした。そんな自分に対して「これくらいのことも挫折するやつが、夢を叶えられるわけがない」と、余計に落ち込んでしまう負のループに陥っていたのです。
過去のノート術や目標達成ワークが「夢や理想を外側に広げていく作業」だとしたら、今回の『STOIC』は「内なる心の砦を頑丈にする作業」です。外側の目標を追う前に、まずは他人の言動に揺さぶられない土台を作る。そのアプローチの違いが、これまでのワーク本で挫折してきたボクにとって新鮮でした。
今後、さらに哲学の基礎や「人生の目標設定」を深掘りするために、以下の関連作も読んでみたいと考えています。
- 『哲学入門』戸田山和久 著(ちくま新書):「ストイック」を単なる超人の精神論ではなく、身近な心の処世術として基礎から学び直すために。
- 『人生の意味の哲学入門』森岡正博、蔵田伸雄 著:本書で気づかされた「自分の人生の目標をハッキリさせる」という課題を、より深く思索するために。
まとめ:失敗する自分を受け入れ、決めた道を歩く
この本を読んで得た最大の収穫は、「自分の人生のゴールがぼんやりしている」という根本的な問題に直面できたことです。50代という年齢になり、今さら変わるなんて無理だと諦めかけていたボクにとって、「失敗は人間として当たり前」「大事なのは決めた道を歩み続けること」というメッセージは、他人の評価から脱却し、自分の足で前に進む静かな勇気をくれました。
全90日のワークをストイックに完遂する必要はまったくありません。 もしあなたが今、職場の理不尽さに心が折れそうになっていたり、自分の生き方に迷いを感じているなら、都合のいいページだけをつまみ食いするつもりで、ぜひ本書を手に取ってみてください。
それではまた。
ありがとう!