元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
ボクがこの本に興味を持った理由:報われない努力の正体を知りたくて
ボクは1972年生まれの53歳です。
いわゆる団塊ジュニア世代と呼ばれる世代で、日本の人口構成の中でも最も人数が多い世代に属しています。
親は団塊の世代でしたから、「努力すれば報われる」「やればできる」「磨けば光る」と言われて育ってきました。
ただ、具体的にどう努力すればいいのかは教えてもらえませんでした。
とにかく目の前のことを一生懸命やりなさい、という曖昧な指示だけでした。
ボク自身は頑張っているつもりでも、親から見れば頑張っているように見えないと「努力していない」と認定されてました。
何をやっても、親はボクを褒めてくれたことはありませんでした。
ある教科のテストで良い点を出したとしても、他の教科でもやってみろとか、100点ではないんだから、もっと努力ができるはずだと言われてました。
また具体的に何をすれば努力していると認めてもらえるのか、その答えは示されませんでした。
とにかく頑張れ、のみ。
ボクの世代は常に競争をさせられてきました。
結果が出なかった人間は「努力を怠った」と言われる空気がありました。
同世代の成功者である堀江貴文さんも、結果を出せなかったのは本人の責任だという趣旨の発言をされています。
方法はともかく、頑張った者が報われるという価値観の中で生きてきたのです。
今現在、ボクはうだつの上がらない中小企業の平社員です。
おそらく努力の仕方が間違っていたのでしょう。
ここから逆転できる可能性は低いかもしれません。
でも、正しい努力の仕方でちゃんと努力をすれば、少しは人生が上向くのではないか。
そんな期待を持って、この本を手に取りました。
書籍の基本情報
書籍名: このムダな努力をやめなさい:「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ
著者: 成毛眞
出版社: 三笠書房
発売日: 2012年10月9日
ページ数: 184ページ
ISBN-10: 4837924689
ISBN-13: 978-4837924685
公式サイト: 三笠書房
成毛眞さんは元マイクロソフト日本法人の社長を務め、現在は書評サイトHONZの代表も務める方です。
ボクはこれまでに『40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。』や『会社のつくり方: 成毛流「起業心得」』など、成毛さんの本を何冊か読んできました。
どの本も独特の切り口があり、読者に強いメッセージを投げかけてきます。
中でも特徴的なのは、その言葉の鋭さです。
成毛さんの文章はとにかくキツい。
普通なら反発してしまう人もいるでしょう。しかし不思議なことに、ボクは全くムカつかないのです。
むしろ、そんなにストレートに言ってくれてありがとう、とさえ思えてきます。
そもそも「偽悪者」って何?
この本のサブタイトルにある「偽悪者になれ」。 聞き慣れない言葉かもしれませんが、本書を読んでボクなりに解釈すると、次のような意味です。
- 偽善者: 周りから良く見られようとして“善人アピール”をする人。本心を隠していい人を取り繕う。
- 偽悪者: 嫌われるリスクを負ってでも、自分の本心や合理性を優先する人。本心は筋が通っているが、あえて悪役・嫌われ役も引き受けるタイプ。
この本は、単に「怠けろ」と言っているのではなく、「偽善者として消耗するくらいなら、偽悪者として合理的に生きろ」と説いているのです。
期待と現実のギャップ
読む前の期待:正しい努力の方法を知りたかった
ボクがこの本に期待していたのは、「正しい努力の仕方」を教えてくれることでした。
タイトルに「ムダな努力をやめなさい」とあるのですから、では何が正しい努力なのか、どうすれば効率的に結果を出せるのか、そのノウハウが書かれていると思ったのです。
今のボクに必要なのは、まさにそれでした。これまでの努力が報われていないのなら、努力の方向性を変えればいい。
具体的な行動指針を得て、人生を上向かせたい。そんな思いで本を開きました。
実際の内容:無理しなくていい、というメッセージ
しかし、読み進めていくと、期待していた内容とは違っていました。
本書で成毛さんが伝えているのは、「無理しなくていい」「嫌なことはしなくていい」「ありのままの自分を受け入れてくれる人は必ずいる」というメッセージでした。
つまり、自分を何も変えることなく、何なら今よりもさらに怠惰であってもいい、というような内容です。
正直に言うと、最初は困惑しました。
ボクが求めていたのは「どう変わればいいか」という答えだったからです。
Action(実行したこと):無理して合わせるのをやめた
具体的には、「無理して周りに合わせること」をやめました。
適度に合わせられる部分は合わせつつ、どうしても合わせづらいことは「合わせない」と線引きをするようにしたのです。
そして仕事においても、これまではイエスマンでしたが、「やりたくないこと」「合理的でないこと」に関しては、ちゃんと言葉にして「やりたくない」と伝えるようにしました。
Result(結果):現実は甘くない、でも心は変わった
では、それで仕事が劇的に改善したかというと……現実はそう甘くありませんでした。
ボクが勇気を出して「やりたくない」と言っても、上司や会社には飲んでもらえず、結局長らくやりたくないことをやらされ続けています。
これが中小企業の平社員のリアルです。
しかし、気持ちの変化は確実にありました。
以前は「断れない自分が悪い」「合わせられない自分がダメなんだ」と自分を責めていましたが、今は「言うべきことは言った。それでもやらせるのは会社の責任」と、自分と課題を切り離して考えられるようになったのです。
物理的な状況は変わらなくても、「無理しなくていいんだ」「嫌われてもいいんだ」と思えるだけで、心の重荷はずいぶん軽くなりました。
戸惑いと納得が入り混じった読後感
そもそもボクは、ありのままの自分を受け止めてもらえた経験がほとんどありません。
ありのままの自分を出してしまったときに引かれてしまったこともあります。
だからこそ、頑張って周囲にアジャストしてきました。
その努力が無駄だとされるのは、正直キツいな、とは思いました。
しかし同時に、「無理しなくていい」「ありのままでいい」という言葉には、確かに救われる部分もありました。
無理をしなくてもいいとなったと背中を押してくれたわけですから。
自分を認めてもらえた感じがしたのです。
期待していたものとは違っても、納得や嬉しさがあったことは事実です。
偽善者にも偽悪者にもなれないボク
嘘への強烈な嫌悪感
本のサブタイトルにある「偽善者になるな、『偽悪者』になれ」というフレーズは、とても印象的でした。
ただ、正直に言うとボクは偽善者にも偽悪者にもなれません。
なぜなら、嘘をつくということに猛烈な嫌悪感があるからです。
たとえそれが相手にとって良いことであったとしても、嘘をつくことには物凄くストレスがかかります。
当然、嘘をつかれることにもかなりショックを受けますし、平気で嘘をつく人を見るとその人が本当に許せなくなってしまいます。
それくらい嘘に対して嫌悪感があるので、「偽善者にはなれない」のです。
いい人を演じることの息苦しさ
世の中には「いい人」を演じて評価されようとする人が多いものです。
でも、そうした生き方は息苦しくなるし、長続きしません。
自分に正直でいられなければ、結局どこかで無理が出てしまうのです。
成毛さんの「偽善者になるな」という言葉には、強く共感しました。
無理して好かれようとすることの虚しさを、ボクも感じてきたからです。
ありのままの自分でいることの難しさ
一方で、「偽悪者になれ」というメッセージについては、少し複雑な気持ちになりました。
ボクなりの解釈ですが、これは「無理して好かれようとせず、ありのままの自分でいろ」というメッセージだと感じました。
人は誰しも、全員から好かれることなんて不可能です。
むしろ、自分を偽ってまで好かれようとすることが無駄な努力なのです。
ありのままの自分を出していれば、自然と共感してくれる人は現れる。
その一方で、合わない人には嫌われても構わない。
そんなスタンスで生きるほうが、ずっと楽で誠実だというわけです。
理屈ではわかります。
でも、実際にありのままの自分を出して受け入れられなかった経験があるボクにとっては、簡単には実践できない教えでもありました。
成毛さんの言葉はなぜ腑に落ちるのか
本音で語る誠実さ
他の著者の本を読んでいると、ときどき言葉の軽さや上っ面だけを感じてしまい、逆にイライラしてしまうことがあります。
しかし、成毛さんの本は違います。
なぜなら、彼の言葉は本音であり、核心を突いているからです。
だからこそ、読んでいて心に刺さる。ときには耳が痛いこともありますが、それでも納得できるのです。
キツい言葉の裏には「相手に本気で伝えたい」という誠実さがあるからこそ、腑に落ちるのだと思います。
この「腑に落ちる感覚」が、成毛さんの本の最大の魅力です。
頑張らなきゃ病からの解放
本書を読んでいて特に心に残ったのは、「わざわざ無理して頑張る必要はない」という考え方です。
ニュースやSNSを見ていると、「もっと頑張らなきゃヤバい」という空気を常に浴びせられます。
でも、ボクはそこに違和感を覚えていました。
成毛さんはそんな現代人の焦りに対して、「無理に頑張らなくてもいい」と明確に言ってくれます。
好きなことを頑張るのなら良いけれど、嫌いなことを我慢して続けるのは人生を消耗するだけ。
仕事や人間関係も同じで、無理してまで続ける必要はない。
むしろ、楽しむことを優先したほうが人生は豊かになる、と教えてくれました。
この本をおすすめしたい人
頑張っているのに結果が出ない人へ
この本のターゲットは、頑張りすぎて結果を出せない人なのだと思います。
多くの人が努力しているのに、想像したような結果を出せずに苦しんでいます。
ボクもその一人です。
そういう人こそ、この本を読むべきだと考えています。
なぜなら、もしかしたら努力の方向性が間違っているのかもしれないし、そもそも無理に頑張る必要がないことに気づけるかもしれないからです。
すでに成果を出している人には不要かもしれない
逆に、この本が向いていないのは、努力でしっかり成果が出ている人です。
その人は無駄な努力をしていないということになるので、読む必要はないかもしれません。
ただ、成果を出している人でも、「頑張りすぎて疲れている」「周囲に合わせすぎて自分を見失っている」という状態なら、この本は心を軽くしてくれるはずです。
今後読んでみたい本:バズる書き方、最高の遊び方
ボクはブログを書いていますので、成毛さんの『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』を読んでみたいと思っています。
どうすれば人の心を動かす文章が書けるのか、そのヒントを得たいです。
また、『人生も仕事も変わる! 最高の遊び方』も気になっています。
成毛さんの推奨する遊び方が書かれているのでしょうが、遊んで仕事の結果が変わる、人生が変わるというのなら、ぜひ読んでみたいです。
ただ、実際に遂行できるかどうかは別問題ですが。
まとめ:期待とは違ったけれど、得るものがあった
『このムダな努力をやめなさい:「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ』は、ボクが期待していた内容とは違う本でした。
正しい努力の方法を教えてくれる本だと思っていましたが、実際には「無理に頑張らなくてもいい」というメッセージが中心でした。
最初は戸惑いましたし、「頑張ってきた自分が否定された」と感じる部分もありました。
しかし同時に、「ありのままの自分でいい」「無理しなくていい」という言葉に救われる部分もありました。
自分を認めてもらえた感覚があったのです。
成毛さんのストレートな言葉は、ときに痛いけれど、本音で語ってくれるからこそ心に響きます。
キツい言葉の裏にある誠実さを感じるからこそ、納得できるのです。
もしあなたが頑張っているのに結果が出ず、「自分の努力は無駄なのか」と悩んでいるなら、この本は新しい視点を与えてくれるかもしれません。
期待とは違う答えが返ってくるかもしれませんが、それもまた一つの学びです。
ボク自身、まだこの本の教えを完全に実践できているわけではありません。
でも、「無理しなくてもいい」という言葉は、心のどこかに残っています。
それだけでも、この本を読んだ価値はあったと思います。
気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
それではまた。
ありがとう!