元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回ご紹介いたしますのは、アルフレッド・アドラーさんの提唱したアドラー心理学について解説した本です。
嫌われる勇気 ― 自己啓発の源流「アドラー」の教え
なぜこの本を選んだのか
ボクがこの本を読もうと思った理由は、以前から耳にしていた「アドラー心理学」という言葉がずっと気になっていたからです。
心理学といえばフロイトやユングを思い浮かべがちですが、アドラーの考え方は「自己啓発の源流」とも呼ばれています。
しかも本書は難解な専門書ではなく、哲人と青年の対話形式で物語のように進むという点に惹かれました。
ボクは団塊ジュニア世代で、いわゆる「就職氷河期世代」です。
この世代は日本で最も人数が多い世代でもあります。
そのおかげと言ってはなんですが、周りに合わせなくてもそんなに辛くない環境で育ちました。
人間の数が少なかったら、そこからはみ出すととても目立ちますので、場合によってはいじめの標的にされることもあったかもしれません。
しかしながら、ボクたちの世代はそこまで周りに同調しなくても大丈夫だったように思います。
子供の頃、いろんなものが流行しました。
ボクはそんな流行にあまり乗らないタイプでした。
ガンプラには見事に乗っかったんですが、スケボー、ラジコン、サッカーなどは周りの人間が夢中になっていても、ボクはその面白さがいまだに理解できないものばかりでした。
やっておかないと話題に遅れるという強迫観念にも似た動機で始める人も少なくない中、ボクは自分が面白がれないと判断したら一切やっていません。
そして、それが間違っていなかったことを証明するかのように、いまだにそれらに興味が湧きません。
それらをしなかったからといって友達がいなくなった、話題から取り残されたということはありませんでした。
※とはいえ、友達が多いわけではありませんでしたが・・・。
そんな経験があったからこそ、『嫌われる勇気』というタイトルに強く惹かれたのです。
「嫌われたって良いや」と開き直って自分を大事にしていくような印象を受けるタイトルでした。
どこか自分の若い時の他人との接し方にシンクロするところがあったのです。
本の基本情報
まずは、本書の基本情報を紹介します。
- 書籍名: 嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え
- 著者: 岸見一郎・古賀史健
- 出版社: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013年12月13日
- ページ数: 296ページ
著者の岸見一郎さんは1956年京都生まれの哲学者です。
専門の西洋古代哲学、特にプラトン哲学と並行して、アドラー心理学を研究されています。
日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問でもあり、著書に『アドラー心理学入門』などがあります。
もう一人の著者、古賀史健さんは数多くのベストセラーを手掛けるライターです。
20代の終わりに岸見一郎さんの『アドラー心理学入門』に大きな感銘を受け、10年越しで本企画を実現されたそうです。
哲人と青年の対話形式がもたらす「投げる・投げられる」快感
本書の最大の特徴は、アドラー心理学を熟知した「哲人」と、人生に悩みを抱える「青年」の対話によって展開していく点です。
読み始めのボクは、完全に「青年」サイドに立って読んでいました。
青年は素直な疑問をぶつけるだけでなく、「でも、それは納得できない!」と哲人に食ってかかります。
ボク自身も、
「なんとかしてこの哲人に一撃を喰らわせてほしい」
「これは流石に返せないだろう」
と、青年を応援するような気持ちでページをめくっていました。
しかし、合気道の達人のように、哲人は青年の勢いを利用しながら豪快に論を展開していきます。
青年が食い下がっても、あっさりと投げ飛ばされてしまう。
その様子が何度も繰り返されるうちに、ボクの心境にも変化が生まれました。
最初は悔しかったはずなのに、次第に「見事に投げられるのが気持ちいい」と感じるようになったのです。
終盤には、「次はどうキレイに投げられるのか?」と、論破されることを楽しみに待っている自分がいました。
この「対話形式」による没入感こそが、本書が多くの人に読まれている理由なのだと思います。
SNSのイライラと「課題の分離」
① Before(読む前の自分):理解はできるが納得できないモヤモヤ
この本を読む前、ボクは日常生活の中で「理解できるけれど納得できない」ことにモヤモヤを感じることが多くありました。
特にSNSを見ている時です。
政治的な話題などで、自分とは全く違う過激な意見や極論を目にすると、どうしてもイライラして反論したくなっていました。
実際には政治について語れるほどの知識がないのもわかっているので、直接反論のリプライを送るようなことはしません。
その代わり、自分の鬱憤を晴らすかのように、自分と同じような意見を探しては「いいね」を押したりリポストしたりしていました。
「自分は間違っていない」と確認作業をするように、同意できる意見ばかりを集める。そうやって心の平穏を保とうとしていたのですが、根本的なイライラは消えず、どこか疲れを感じていました。
② Action(具体的な行動):アドラー心理学の「課題の分離」を適用する
本書を読み進める中で、ボクが出会った重要なキーワードが「課題の分離」です。
アドラー心理学では、「それは誰の課題なのか?」を考え、自分の課題と他者の課題を切り分けて考えます。
哲人は言います。
「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」
他者がどう考えるか、どう感じるかは、他者の課題であり、ボクがコントロールできることではありません。
読みながら、「理屈ではわかる、でも心が納得しない」という抵抗感はありました。
青年と同じように、「あなたの不幸は、あなたの思い込みにすぎない」と言われて反発したくなる自分もいました。
しかし、ボクは実生活、特にSNSでのイライラに対して、この「課題の分離」を当てはめてみることにしました。
- 以前のボク: 「なんでこんな変なことを言うんだ!」と相手の思考を正そうとしたり、イライラしたりしていた(他者の課題に土足で踏み込んでいた)。
- 今のボク: 「そういう極端な意見を持つに至ったのは、その人の背景や事情(課題)であって、ボクが感情を乱す必要はない」と考える。
③ Result(具体的な結果):イラつきが減り、分析する余裕が生まれた
「課題の分離」を意識するようになってから、劇的な変化がありました。
自分と違う意見を見ても、以前のような反射的なイラつきや怒りが湧かなくなったのです。
「理解できても納得できない」ことは、もちろん今でもあります。
感情的な生き物ですから、完全に割り切れるわけではありません。
しかし、「なぜこの人はこういう考えに至ったのだろう?」と、怒りよりもその「理由」に思いを馳せるようになりました。
「課題の分離」をしたことで、相手の意見を無理に受け入れる必要もなく、かといって拒絶してイライラすることもなく、「そういう考えをする人もいる」と客観的に観察できるようになったのです。
これは、ただ同意できる意見を探して「いいね」を繰り返していた頃には得られなかった、大きな精神的な余裕でした。
こんな人に刺さる
この本は、以下のような人に強くおすすめします。
- SNSや人間関係で、他人の言動にイライラしてしまう人:「課題の分離」を知るだけで、心の負担が驚くほど軽くなります。
- 「論理」と「感情」の狭間で悩んでいる人:理解できても納得できない、そんな葛藤を抱えている人こそ、青年と一緒に哲人に挑んでみてください。
- 就職氷河期世代(団塊ジュニア)の人:周りに流されず、サバイブしてきたボクたちの世代には、アドラーの「個」を尊重する考え方が非常に馴染むはずです。
比較・他の選択肢
本書を読んで、さらにアドラー心理学について深く学びたいと思うようになりました。
もし本書が入門編として少し「物語的すぎる」と感じる方や、もっと体系的に学びたい方は、以下の本も選択肢に入るでしょう。
- 『アドラー心理学入門』(岸見一郎 著): 本書の著者による、より教科書的な入門書です。
- 『人生が大きく変わる アドラー心理学入門』(岩井俊憲 著): 図解なども多く、別の視点からアドラーを学べます。
ボク自身は、『嫌われる勇気』で「投げられる快感」を味わったので、まずはこの本を何度も読み返して「修業」を続けたいと思っています。
まとめ:一度読んで終わりにできない濃い一冊
『嫌われる勇気』は、読んで「なるほど」と思う瞬間が何度もある一方で、簡単には腑に落ちない難しさも併せ持つ本です。
ボク自身、青年と同じように反発し、そして最後には見事に論破されることで、凝り固まった自分の価値観を崩される快感を味わいました。
理解できても納得できないことにどう向き合うか。
「課題の分離」を使って、どうやって自分の人生をシンプルにするか。
もし、あなたが日々の生活やSNSでのノイズに疲れているなら、ぜひこの本を手に取ってみてください。
哲人と青年の対話に参加して、思いっきり「投げられる」体験をしてみませんか?
きっと、読んだ後には肩の荷が少し降りているはずです。
それではまた。
ありがとう!