好き勝手なことを書いておりますが、悪意はありませんのでご了承下さい。

【読書感想文】速読の嘘と真実!小宮一慶が教えるビジネスで本当に役立つ「読書力」の鍛え方

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回ご紹介いたします本は、経営コンサルタントで何冊も本を出しておられる小宮一慶さんの本でございます。

ビジネスマンのための「読書力」養成講座 小宮流 頭をよくする読書法

大抵のビジネス書をスラスラ短時間で読めること、つまり速読ができることが「読書力がある」ということ。

ボクはそう思っていました。

この本を読めば、読書力がついて、あわよくば速く読めるようになるだろうと期待して、小宮一慶さんの『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』を手に取ったんです。

しかし、この本はボクの予想を良い意味で裏切ってくれました。

帯には「速読だけじゃムダ!」と書かれていて、買ってから初めてこれが単なる速読術の本ではないのだと気がついたんです。

この本が教えてくれるのは、速く読むテクニックではなく、本質的な「読書筋の筋トレ」でした。

本に対する姿勢を変え、ビジネスへの応用力を高めるための具体的なトレーニング方法がこの一冊に詰まっているんです。

本書の基本情報

著者情報

この本の著者は、経営コンサルタントの小宮一慶さんです。

京都大学法学部卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)や国際コンサルティングファームを経て独立された、まさに「頭の良い方」の代表です。

その膨大な知識と経験の裏付けが、本書の読書法には詰まっています。

本書のスペック

  • 出版社 ‏ : ‎ ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/9/15
  • 新書 ‏ : ‎ 240ページ

この本が提唱する読書法は、単に速く読むことではなく、目的や本の種類に合わせて本に対する姿勢を変える5つの段階に分かれています。

  • 速読(必要な情報だけを素早く掴む)
  • 通読レベル1(概要を掴む)
  • 通読レベル2(筆者の主張や論理を理解する)
  • 熟読(専門家レベルの知識を身につける)
  • 重読(何度も読み込み、自分の血肉とする)

ボクはこれまで本を読んでいて、こんなに細かく「読む姿勢」を変えることなんて考えたこともありませんでした。

一流のビジネスパーソンは、本との向き合い方からして違うのだと感服しました。

読書の技術

この本を読んで、ボクがこれまで抱いていた「読書」に対する誤解が解け、本質的な読書力を身につけるための多くのヒントを得ました。

知識がスピードを決める、速読の真実

速読と聞いて、多くの人が目の高速移動術を想像しますが、小宮さんはこれを明確に否定します。

速読とは、「経験やそれまでの勉強が重要」であり、「ある意味最初からある程度決めてかかって読む読書」だと述べられています。

本書によると、本を読んで知識が増えるほど、本を読むスピードは上がるそうです。

知識が少ないボクの読むスピードが遅いのは当たり前の話だったんですね。

たくさんの本を早く読みたいから速読したいと悩むボクでしたが、結局は「まずはしっかり読んで知識を貯えるべき」という逆説的な結論に至ります。

また、速読で問われるのは、全体を如何に早く読むかではなく、「何のためにその情報が必要かの目的を決め、取りたい情報と捨てる情報を素早く判断」し、必要充分な情報をいかに速く手に入れるかだと強調されています。

目玉の高速移動術ではなく、情報判断力こそが速読の本質なのです。

論理力を鍛える「なぞる」読書

論理レベルの高い人が書いた本を読んで、「その論理をなぞるのが非常に良い」と述べられています。

「学ぶ」は「真似る」から来ているように、まずは優れた論理をコピーすることが重要です。

論理レベルの高い低いをどこで判断するかという問題はありますが、まずは真似てみるのが大切です。

また、アメリカの教科書は初学者でも分かるように非常に論理的に書かれているという指摘には驚きました。

そもそも英語という言葉が論理的な展開をするそうですから、それに加えてより論理的な教科書で学ぶ子供たちは、遥かに論理的に育つだろうな、と考えさせられました。

熟読の険しい道のり

小宮流の熟読とは、「注や参考文献を参照しながら、きっちり理解するために読む読み方」であり、その分野では専門家と同じ知識を身につけようとすることが目的です。

そこまでする気がない、またはする必要がないのなら熟読などする必要はないという、非常に厳しい姿勢です。

熟読の道は実に険しいものですね。

また、自分より頭の良い方が書かれた本をじっくり読むことによって、著者ほどのレベルにはなれないにしても、ゆっくりとなら追いつけるようになる、とあります。

ボクも小宮さんに近づきたいと思うものの、「じっくり読む」というのはなかなか大変なものです。

わからない自分にイライラして、じっくりと腰を据えることがしんどくなってきます。

これでは小宮さんに近づけません。

アウトプットと「行き詰まり」の重要性

習うという字が、鳥が飛び立つ姿を表すように、学んだことを実践するのが習うということだと述べられています。

つまり、飛び立つ(アウトプット)を前提で読むべきであり、せっかく知ったことを活かさないともったいないということです。

そして、「必ずある時点で行き詰まる。それこそが新しい知識を得ようとする大きなきっかけになります」という言葉には、全くその通りだと感じました。

ここのところ行き詰まってばかりのボクですが、だからこそ必死になって本を読むのです。

この言葉は、もし行き詰まっていないとしたら、問題意識のない証拠とも言えるという、厳しいけれど心に響く言葉でした。

ちなみに、この本では随所に小宮さんの書かれた本の宣伝が入ります。

読書力を養成しつつ、しっかりと営業もする。

こういう抜け目のなさもビジネスマンとして学んでいきたいと思う所存です。

読者が「自分にあうかどうか」「他に良い選択肢があるか」を判断しやすくするため→比較して選ばせる

読書術の本は数多くありますが、本書は「ビジネスに直結する論理的な思考力」を養う点に特化しているのが特徴です。

同じ読書術系の本として、以下の2冊と比較してみましょう。

佐藤優著『読書の技法』

こちらは、知的生産のための情報収集、多読と集中力の維持に焦点を当てています。

インプットとアウトプットの具体的な戦略に重点を置いており、情報戦を戦うビジネスパーソンにおすすめです。

外山滋比古著『乱読のセレンディピティ』

こちらは、ランダムな読書による創造性の獲得、知的なひらめきをテーマにしています。

目的を持たない「知的探検」としての読書を推奨しており、新しい発想や創造性を求める方に最適です。

【ボクのおすすめ】

 ビジネスでの実用性を最優先し、論理的な思考力目的意識を持って本を読みたいなら、本書『読書力養成講座』一択です。

まずは本書で「読む姿勢」を鍛え、その後に『読書の技法』でアウトプット戦略を学ぶ、あるいは『乱読のセレンディピティ』で遊びの読書を加えて幅を広げる、というステップがおすすめです。

記事を読んだ人に「読んで良かった」「試してみようかな」と思わせるため→背中を押して終わる

この本は、「速読ができますよ」というテクニック集ではありませんでした。

ボクたちは、考えるのがしんどいので、なかなか考える習慣を持ちません。

しかし、それがしんどいと思わずにできるようにならないと、これからの時代を生き残っていくのがしんどい。

この本は、まずたくさん読んで知識を入れ、次は考えながら読むという訓練を促します。

あれやこれやと考えるためには、知識をたくさん得なければなりません。

そして、たくさん本を読むとその内に早く読めるようになるのです。

最初から早く読める人はいません。

結局、速読をするためには本を大量に読むのが早道。

でも、闇雲に読むのではなく、この本で学んだ5段階の「読む姿勢」を意識することで、あなたの読書は確実に「考える訓練」に変わります。

さあ、あなたも今日から「読書筋」の筋トレを始めて、ビジネスの世界で一歩先を行く読書力を身につけましょう!

それではまた。

ありがとう!

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
最新情報をチェックしよう!
>あなたの時間をまた少し奪わせてください

あなたの時間をまた少し奪わせてください

CTR IMG