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【読書感想文】闘魂と美学が詰まった一冊!外道の生き様に触れる読書体験|『To Be The 外道 “レヴェルの違う!”生き残り術』レビュー

元気ですか〜?!

どうも、ろけねおです。

今回はオカダ・カズチカ選手を育てた外道さんの著書『To Be The 外道 “レヴェルの違う!”生き残り術』を読んだときの話です。

To Be The 外道 “レヴェルの違う!”生き残り術

本書は、タイトルやサブタイトルこそビジネス書っぽさを装っていますが、実際には外道さんの人生とプロレスにまつわる濃密なエピソードが詰まった自伝的作品です。

いかつい装丁と分厚さにちょっとひるんだものの、ページをめくればあっという間。

まるで速読スキルが身についたかのようにサラサラと読めてしまいました。

それだけ外道さんの語り口が軽妙で、内容が濃いということなのでしょう。

本書では、外道さんの生い立ちからプロレスラーになるまで、さらには裏方としての活躍までが丁寧に描かれています。

彼の人生をそのまま綴った、等身大のドキュメントでありながら、そこには独特の美学と哲学が込められています。

副題には“生き残り術”と書かれていますが、これはビジネス書的なノウハウではありません。

むしろ、外道さんというひとりの男が、プロレス界という荒波の中でどうサバイブしてきたかというリアルな記録です。

強い・弱いではなく「上手い・下手」で見るプロレス

ボクが特に注目したのは、外道さんがレスラーを評価する基準です。

強さではなく“上手さ”に重きを置いて語られているところに、プロレス観の深さを感じました。

これは技術的な面だけでなく、間合いや空気感、さらにはリング上での「魅せ方」にまで及びます。

ある試合の感想がSNSで見かけたとき、試合に負けた選手を勝った選手より弱かったと表現した方がおられました。

ボクにはこの表現の仕方には違和がありました。

プロレスの試合を観てどちらが「強い・弱い」で優劣をつけるのはプロレスをプロレスとして楽しめていないと思えるからです。

プロレスを「強い・弱い」で見ると、総合格闘技やボクシングと同じ土俵に置いてしまいがちです。

でも、プロレスはそれとは全く異なるジャンルです。

同じなのは半裸で戦うということぐらいなものです。

「上手い・下手」でレスラーを見るようになると、プロレスの見方がガラリと変わります。

負けた選手が輝いて見えたりします。

これがボクが思うところのプロレスのいいところだと思うのです。

本書には“上手い”レスラーとして多くの名が挙げられており、その多くが現在は現役を退いているか、試合映像が手に入りにくい選手ですが、現役レスラーの名前もきちんと出てきます。

だからこそ、今の試合を見ながら読み進めると、その意味や奥深さが理解できるでしょう。

ファイティングスピリット=闘魂

本書で何度も強調されるのが「ファイティングスピリット」の重要性です。

技術があっても、気持ちが見えないとただのダンス。

技術がショボくても、魂がこもっていれば観客に響く。

この“闘魂”という言葉を聞くと、ボクとしてはやっぱりアントニオ猪木を思い浮かべてしまいます。

外道さんは猪木イズムとは無縁のキャリアを歩んできたように見えますが、それでも「闘魂」を重んじているのが不思議で、面白くて、そしてうれしかったです。

たけしプロレス軍団出身でありながら、最終的に新日本プロレスの屋台骨を支える存在になった外道さんが、こうした感覚を持ち続けていたことに胸を打たれました。

若き日のオカダ・カズチカに闘魂が見えないと感じたボクですが、最近のオカダ選手にはしっかりとその“魂”が見えるようになってきていて、ますます好きになっています。

“プロレス頭”の天才・外道

外道さんが若い頃からプロレスを「上手い・下手」で見ていたことにも驚かされました。

強そうとか見た目がカッコいいという基準でなく、地味でも味のあるレスラーに魅かれていたというのですから、ファン時代からすでに“プロレス頭”だったんだと思います。

外道さんが影響を受けたレスラーとして、冬木弘道さん、パット・タナカさん、佐藤昭雄さん、阿修羅原さん、アポロ菅原さんなど、渋めの名レスラーたちの名前がズラリ。

正直、冬木さん以外はボクはちゃんと試合を観たことがないので、これを機に改めてチェックしてみようと思いました。

冬木さんも、サムソン冬木時代にはボクにとって「なぜ人気があるのか分からない」レスラーでした。

しかし本書を通して、外道さんが語る冬木さんの“上手さ”に触れることで、あのタプタプした体や奇声にすら意味があったのだと気づかされました。

もっと真剣に観ておけば良かったと後悔しています。

レヴェルの違いがここにある

プロレスラーは大きいだけでも、身体能力が高いだけでもダメ。

「プロレスが上手い人間」にならなければ意味がない。

外道さんは、それを身をもって示してきた人です。

最近の一部選手にも、この“プロレスの上手さ”が見えにくい瞬間があります。

単なる技の応酬ではなく、そこに魂がこもっているか。空気を掌握しているか。

観客の感情を動かしているか。

それが問われる世界なのです。

本書を読んで、ボク自身も「もっと自分のリングで闘魂を見せていかなければ」と背筋を伸ばされた気分になりました。

人生という“リング”に立つすべての人に、外道さんの生き方は響くはずです。

最近プロレスに興味を持った人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

そして、プロレスラーを目指している方にもオススメです。

プロレスの楽しさが広がります。

それではまた。

ありがとう!

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