元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
遅ればせながら、やっとボクは『証言UWF最終章』を読み終えました。
証言UWF 最後の真実
正直なところ、UWFにそこまで深い思い入れがあったわけではないのですが、読み始めたらこれが大変面白く、一気に読み進めてしまいましたね。
この本の帯には、「プロレスだったのか?ガチだったのか?」なんて魅力的な文句が書かれています。
だから、ボクもてっきり、このUWFにおける永遠のテーマについて、関係者たちがそれぞれの見解を語り合っているのかと思っていました。
ところが、実際に読んでみると、それは全然違ったんです。
なんだか騙された気分で、正直「ひどい帯だな〜」と思ってしまいましたね。
しかも、「プロレス」と「ガチ」が対義語のように扱われている点にも、ちょっとイラッときてしまいました。
プロレスファンからすると、この二つは単純に対立するものではないんですよ。
でも、そんな帯の印象とは裏腹に、この本そのものは本当に面白かったんです。
読者の期待を良い意味で裏切る、奥深い内容が詰まっていました。
序盤と終盤に登場するターザン山本氏への複雑な思い
この『証言UWF最終章』では、物語の最初と最後にターザン山本さんが登場します。
もちろん、ターザン山本さんがUWFと全く関係がないわけではないので、本に出てきても仕方がない、という部分は理解できます。
ただ、個人的な感想としては、「これさえなければ、もっといい本になってたような気がしたなあ」と思ってしまいました。
彼の存在が、まるで不純物が混じって本の純度が少し落ちてしまったような、そんな印象を与えてしまったんです。
これは、あくまでボク個人の感覚なんですけどね。
彼の言葉や視点が、この本のテーマや雰囲気と、どうも完全にマッチしていないように感じてしまったんですよね。
繰り返される歴史:UWFとUインターの崩壊劇
ボクは、リング上で繰り広げられる熱い戦いには強い興味があるんですが、団体がダメになって、また新しい団体ができて、というような経営や裏側の流れには、正直あまり詳しくありませんでした。
「なんか色々あったんだろうな〜」くらいの認識でいたんです。
特に、当時大好きで、近所で試合があるたびにせっせと観に行っていたUWFインターナショナルも、気がついたらキングダムになっていた、という感じでした。
その裏で一体何が起きていたのかは全く知らなかったので、この本でその辺の詳しい経緯が語られているのは非常に興味深かったです。
読んでいて衝撃的だったのは、UWFインターナショナルの崩壊が、新生UWFの崩壊と驚くほど似たような展開をたどっていたことです。
どちらも、お金の使い方に選手が疑問を呈し始め、若手だけで新しい団体を作ろうとする動きが出て、最終的に潰れてしまう、という流れなんですよね。
「歴史は繰り返す」ってよく言いますが、本当にその通りだな、と改めて実感しました。
まあ、そのサイクルがあまりに短すぎる気もしますけどね。
しかも、新生UWFの崩壊にも、Uインターの崩壊にも、宮戸優光さんが深く関わっていることが示唆されていました。
これには「宮戸さんが関わると、なんだかややこしくなるのかな〜」なんて、思わずにはいられませんでしたね。
でも、逆を言えば、宮戸さんがいたからこそ、Uインターは抜群に面白かったのかもしれません。
その辺の複雑な人間関係が、この本の大きな魅力の一つだと感じました。
好きになれない田村潔司選手への複雑な感情
UWFのプロレス自体は、UWFインターナショナル以外はそこまで楽しめていなかったボクですが、そこで戦うレスラーたちには、なぜか好感を持っていました。
だから、彼らのインタビュー記事や、こういう本が出ると、何を語っているのかが気になってしまい、ついつい読んでしまうんです。
そして、読んでみると意外と面白くて、ボクの中でさらに彼らへの好感度が上がることがよくありました。
でも、なぜか田村潔司選手のことだけは、特に何かがあったわけではないのですが、ず〜っと好きになれませんでした。
これまでもきっとどこかの雑誌で田村選手がインタビューを受けていたりすると思うのですが、それを読みたいとすら思えないくらい、まるでアレルギー反応のように避けてきたんです。
この本で初めて、田村選手がインタビューでいろいろと語っているのを読んだのですが、やっぱり「好きになれないな〜」というのが正直な感想です。
ボクはパッと見で気に入らないと思ってしまうと、もうそこから何をされても全部気に入らなくなってしまうタイプなんです。
よっぽどのことがない限り、この認識はひっくり返りません。
そして、気分が悪くなるので、そうなってしまった対象には自分から近づかないようにすることもあって、なかなか認識がひっくり返るきっかけもないわけですけども、今回、この本で田村選手に触れてみて、やっぱりダメだったということが分かりました。
自分の直感は間違っていなかったんだな、と再確認できましたね。
ちなみに、これがひっくり返ると、ムチャクチャ好きになってしまうということが起きるので、田村選手が気に入らないというのも、もしかしたら「好き」の裏返しなのかもしれません。
田村選手が語っている内容も、なぜかボクには響きませんでしたし、田村選手について語る他の選手の話を聞いても、「やっぱり面倒な人だな〜」という印象が拭えず、結局好きにはなれませんでした。
船木誠勝選手への変わらぬ好感
逆に、この本を読んでより一層好感が持てたのは、船木誠勝選手です。
パンクラスを熱心に観ていたわけでもないんですけどね。
最近、YouTubeでいろいろと語っておられる動画も面白いので、この本でもきっと面白いだろうな〜と期待していたのですが、やっぱり期待通り面白かったです。
船木選手からは、自分に正直で、過去の過ちもきちんと認めている潔い人、という印象を受けました。
その率直な言葉の数々が、ボクの心には心地よく響きました。
『証言UWF 最後の真実』がなぜ面白いのか?
UWFを全く知らない人には「ナンノコッチャ?」という内容だとは思いますが、ボクのようにUWFをリアルタイムで知っている人なら、きっと面白く読めるはずです。
ここまで「面白い」とだけ書いてきましたが、何が面白いのかというと、この本に出てくる人たちは皆、同じ事実を見ているんです。
あくまで誰も嘘をついていないと仮定するならば、ですが。
ずいぶん前のことなので記憶違いもあるでしょうけど、皆が語る内容が、少しずつ食い違っているんです。
こんなにたくさんの人が証言しているのに、ただの読者であるボクには、結局何が「事実」だったのかは分からないんですよね。
人間は、実際に起こったことをそのまま受け止めることは、ほとんどの場合できません。
特に、強い思い入れを持って何かを成し遂げようとしている最中であれば、なおさらその傾向が強くなってしまうのでしょう。
この、語られる事実の「ズレ」こそが、UWFという団体の崩壊物語に深みを与え、味わい深いものにしているのだと感じました。
「最後の真実」というタイトルですが、まだまだ掘り下げられるテーマはたくさんありそうです。
今回は詳しい内容についてはあえて書きませんでしたので、このブログを読んで興味が出た方は、ぜひともご自身で読んでみてください。
きっと、新たな発見があるはずです。
もしこの本でUWFに興味が出たら、次に読むべきは?
この本を読んでUWFに興味が湧いた方は、昨日触れました『U.W.F.戦史』も読んでみると良いかもしれません。
UWFの歴史がより客観的に、そして丁寧にまとめられています。
まとめ:UWFの人間ドラマを深く味わう
『証言UWF 最後の真実』は、単なる事実の羅列ではなく、UWFに関わった人々の記憶や感情、そしてそれぞれの「真実」が交錯する、まさに人間ドラマの宝庫でした。
ボクが抱いていたUWFへの漠然とした知識が、この本を通じて、より鮮明な人間模様として心に刻まれました。
登場人物たちの証言の「ズレ」を楽しむという、新しい読書体験をさせてもらった気がします。
そして、プロレスというものが、リング上の技術や強さだけではなく、その裏にある人間関係や感情によっても、これほどまでに奥深く、魅力的なものになるのだと改めて感じました。
それではまた。
ありがとう!
