元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回はご紹介いたします本は、ノンフィクション作家の野村進さんの書かれた本でございます。
調べる技術・書く技術
ブログを運営していると、常に頭を抱える悩みがあります。
それは「どうすれば面白い文章が書けるのか」という、とても根本的な問題です。
ボクは子供の頃、いわゆる読書感想文が大の苦手で、本をほとんど読んでこなかった人間です。
そのため、文章を上手に書くための素地がまるっきりありません。
よく「文章は、たくさん読んで、たくさん書いて、それをマネすることで上達する」と言われます。
しかし、大人になった今から急に大量のインプットをするのは難しいものです。
子供の頃のように、スポンジが水を吸うような柔軟な脳みそでもありません。
だからこそ、日々のブログ更新で「書く技術」の圧倒的な足りなさを痛感しているのです。
もちろん、何かとんでもなく面白い出来事が起きれば、それをそのまま書くだけで面白い記事になります。
ですが、そんなラッキーな出来事は日常的に起きるはずもありません。
つまり、ブロガーとして記事をコンスタントに発信し続けるには、「大して面白くない日常の出来事を、いかに面白く読ませるか」という技術が必要不可欠になります。
これができないと、読んでもらう価値のない記事を量産してしまうことになりかねません。
ボクは、コンスタントに面白い記事を提供できるブロガーでありたい。
その一心で「書く技術」を渇望していました。
そんな思いを抱えていたある日、書店の新書コーナーでこのタイトルが目に飛び込んできたのです。
『調べる技術・書く技術』(野村進 著)
少しでも面白いものを提供したい、そのヒントが欲しい。
そんな気持ちでいるものですから、こういうストレートなタイトルには弱いです。
この本を読みさえすれば、ボクが欲している「書く技術」の正体が見えてくるのではないか。
そんな期待を込めて、中身を一切確認せずにレジへ向かいました。
野村進『調べる技術・書く技術』とはどんな本か
まずは、本書の基本的な情報を整理しておきます。
プロのノウハウが詰まった内容
野村進著『調べる技術・書く技術』は、第一線で活躍するジャーナリストが、自身のノウハウをすべて明かした一冊です。
「テーマ選び」「資料収集法」「質問の作り方」から、「インタビューの実際」「原稿執筆のコツ」まで、プロが行っている知的生産術が惜しみなく紹介されています。
本書は全8章で構成されています。
- 第一章:テーマの決め方
- 第二章:資料の集め方
- 第三章:人に会う準備
- 第四章:話の聞き方
- 第五章:原稿の書き方
これだけでもお腹いっぱいですが、さらに第六章以降は、より具体的なシーンごとの執筆技術に踏み込んでいきます。
- 第六章:人物の書き方
- 第七章:事件の書き方
- 第八章:体験の書き方
まさに「調べる」段階から「書く」段階までを網羅した、実践的な教科書と言えます。
書籍の基本情報
- 出版社:講談社 (講談社現代新書)
- 発売日:2008年4月18日
- ページ数:254ページ
- ISBN-10:4062879409
- ISBN-13:978-4062879408
- 寸法:10.6 x 1.3 x 17.4 cm
新書なので手に取りやすく、250ページほどで読みやすいボリュームなのも嬉しいポイントです。
著者・野村進氏について
著者の野村進さんは、日本のノンフィクション作家であり、ジャーナリストです。
拓殖大学国際学部の教授も務められています。
東京都出身で、上智大学外国語学部英語学科を中退後、フィリピンに留学。
現地での従軍体験をもとに1981年に『フィリピン新人民軍従軍記』でデビューされました。
単なるノウハウ本ではなく、実績のあるプロフェッショナルが自身の経験に基づいて書いた本だからこそ、その内容は非常に信頼できるものとなっています。
書評:ブロガーが『調べる技術』から学んだ3つの視点
さて、ここからはボクが実際に本書を読んで感じたこと、そして「ブロガーとして」学んだことを3つのポイントでご紹介します。
1. ブロガーも「ノンフィクションライター」であるという発見
正直に告白しますと、読み始めてすぐは少し戸惑いました。
というのも、本書の内容は「いかにして優れたノンフィクションライターになるか」というプロ向けの色彩が濃く、ボクが求めていた「面白い文章を書く技術」とは、少しズレているような気がしたのです。
しかし、読み進めるうちに「待てよ?」と考えが変わりました。
ボクが書いているこのブログも、本を読んだときの感想記事は、創作(フィクション)ではありません。
事実に基づいた「ノンフィクション」と言えなくもありません。
そして、それを書いているボクは「ライター」です。
大げさに言えば、事実に基づいてブログを書いている人は、みんな「ノンフィクションライター」のはしくれなのです。
そう気づいた瞬間、さっきまでどこか他人事で退屈に思えた内容が、一気に「自分ごと」として面白く感じられるようになりました。
要は気の持ちようですね。
この視点の転換こそが、本書から得た最大の収穫でした。
ノンフィクションライターの技術は、そのままブログを書く技術に直結するのです。
2. 記事の質は「聞く技術」で決まる
本書では、かなりのページを割いて「インタビューのやり方」について詳しく解説されています。
インタビュー記事もまた、ノンフィクションの重要な柱ですから、当然と言えます。
これも最初は「人にインタビューして記事にするなんて、仕事でもない限りやらないし、自分には関係ないかな」と思っていました。
ですが、よくよく考えてみると、インタビューとは突き詰めれば「人の話をちゃんと聞く技術」のことです。
これは、面白い記事を書くためだけでなく、日常のコミュニケーションにおいても非常に重要なスキルです。
ボクは人と話をする時、断然「喋るほう」の人間です。
話し手と聞き手で言えば、完全に「話し手」。
これまでの人生、聞き手に回った記憶がほとんどありません。
これはマズいと都度反省はするのですが、なかなか癖は抜けないものです。
せっかく人と会話するチャンスがあるなら、何か新しい情報を得たいはずなのに、自分の喋りたいことをベラベラと優先してしまう。
これでは新しい知識や面白いネタは入ってきません。
インタビューでは、インタビュアーが喋りすぎては記事になりません。
ボクのように放っておいても喋る人ばかりではなく、お喋りが得意でない人、あまり多くを語りたくないと思っている人もいます。
そういう相手から、いかに気持ちよく話していただき、こちらが得たいと思っている情報を引き出すか。
それこそがプロの「技術」なのだと痛感しました。
自分がいかに「聞き下手」か、そして「聞く技術」がいかに面白いコンテンツ作りに直結しているか。
この章を読んで、深く反省させられました。
興味深い話を聞き出すことこそ、面白い文章を書くための最短距離だったのです。
3. 「取材」とは日常のアンテナと準備のこと
本書のもう一つの核である「取材」。
これもまた、ブロガーには縁遠い言葉に聞こえるかもしれません。
しかし、本書で語られる「取材」の本質は、「日々、色々なところにアンテナを張り、自分しか気づいていないような視点で物事を切り取ること」でした。
そのためには、多様な視点や物の考え方を知っておく必要があります。
たくさんの本を読み、映画を観て、人と話し、様々な視点を自分の中に蓄積しておくこと。
つまり、こうしてボクがブログのために読書感想文を書いている行為そのものも、一種の「取材」を続けているようなものなのです。
本書の中には、著者が実際に書かれたノンフィクションの記事(少女の集団自殺の話)が例として掲載されています。
正直、ボクが普段好んで読むテーマではありませんでしたが、読み始めるとグイグイと引き込まれました。
面白いというのは(もちろん笑えるという意味ではなく)、まるで2時間サスペンスを観ているかのように、少しずつ真実に迫っていく過程が、臨場感と緊張感たっぷりに描かれているのです。
「さすがプロは違うな」と唸らされました。
このクオリティの記事を生み出すには、書き始めるまでにどれほど膨大な「準備(=取材)」をしているかが簡単に想像できます。
それにひきかえ、ボクのブログ執筆はどうでしょう。
ほとんど思いつきで書き始めています。
読書感想文ですら、読み終えた勢いのまま書き殴っている。
そこに問題があったのだと気づかされました。
記事の面白さは、書き始める前の「準備」で8割決まるのかもしれません。
こちらの書く技術も参考になります。
同じようにたくさんの本を書いておられる方の書く技術について書いておられる本があります。
本格的なライターを目指している方はご一読ください。
本書をブログ運営に活かす3つの実践ステップ
『調べる技術・書く技術』は、ボクにとって非常に面白い、学びの多い本でした。
もちろん、ボクがこういうノウハウ本が好きなだけかもしれませんが、文章を書くすべての人にとって、何かしらの価値を見出せる一冊だと確信しています。
この本を読んで、ボクが「明日から」ではなく「今すぐ」実践しようと決めたことが3つあります。
1. 人と話すときに意識的に「聞き手」に回る
自分の話をベラベラとするのは一旦ストップ。
相手の話を引き出す「質問」を考え、相手が7割、自分が3割くらいの会話バランスを目指します。
これだけで、人から得られる情報の質と量が劇的に変わるはずです。
2. 書き始める前に「5分準備」の時間を作る
思いつきで書き始めるのをやめます。記事を書く前に、
「この記事で一番伝えたいことは何か?」
「どんな構成(順番)で書けば伝わるか?」を、たった5分でもいいから考える習慣をつけます。
3. 日常のすべてを「取材」と捉える
読書や映画鑑賞はもちろん、通勤途中の風景、友人との雑談、すべてを「ブログのネタ集め=取材」と捉えてアンテナを張ります。
面白いと思ったこと、違和感を覚えたことはすぐにメモする。
この小さな蓄積が、いざ書くときの大きな「引き出し」になると信じています。
もしあなたがボクと同じように「面白い文章が書きたい」と悩むブロガーなら、ぜひこの本を手に取ってみてください。
プロのノンフィクションライターの技術は、回り回って、あなたのブログ記事を確実に面白くしてくれるはずです。
それではまた。
ありがとう!