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【読書感想文】FIREを目指す50代が『日本版 FIRE 超入門』を読んだら絶望?いや、希望はある

元気ですか〜?!

どうも、ろけねおです。

今回ご紹介いたします本は山崎俊輔さんがお書きになりました余裕のある生活をするためのコツ?について書かれた本です。

日本版 FIRE 超入門

最近、「FIRE」という言葉を頻繁に目にするようになりました。

「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった言葉で、経済的に自立し、早期退職を目指す生き方のことです。

正直に告白すると、ボクは仕事が大好きで情熱を燃やしているタイプではありません。

もちろん、仕事にやりがいを感じ、情熱を注いでいる方もたくさんいらっしゃるでしょう。

しかし、多くの人にとって仕事は「生活のため」「家族のため」というのが本音ではないでしょうか。

もし、働かなくても生活できるだけの資産があれば、ボクは喜んで仕事を手放したいと思っています。

そんなボクにとって、「普通の会社員でもFIREできる」と謳うこの『日本版 FIRE 超入門』は、まさに暗闇に差し込む一筋の希望の光でした。

いったいどんな魔法を使えば、ボクのような平凡な会社員が経済的自立を達成できるのか。

大きな期待を胸に、本書を手に取りました。

『日本版 FIRE 超入門』とはどんな本か?

まずは本書の基本的な情報について紹介します。

著者は同世代のオタクFP・山崎俊輔さん

著者の山崎俊輔さんは1972年生まれ。ボクと同学年のファイナンシャルプランナー(FP)です。

フィナンシャル・ウィズダムの代表として、特に確定拠出年金(iDeCo)などの企業年金制度や投資教育を専門とされています。

1995年に中央大学法学部を卒業後、企業年金研究所やFP総研を経て独立。

Yahoo!ニュースや日本経済新聞電子版、プレジデントオンラインなど、数多くのメディアで連載を持つ、非常に人気の高いFPです。

興味深いのは、山崎さんが自らを「オタクFP」と称している点。

ゲームやアニメ、マンガが大好きで、コミックの蔵書は4000冊を超えるというから驚きです。

お金の専門家でありながら、どこか親しみやすさを感じさせる魅力的なキャラクターの持ち主と言えるでしょう。

書籍の基本データ

  • 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2021年7月16日
  • ISBN-10: 4799327674
  • ISBN-13: 978-4799327678

本書を読んで感じた50代の厳しい現実

本書には、FIREを達成するための具体的なノウハウが惜しみなく書かれています。

しかし、読み進めるうちにボクが感じたのは、希望よりもむしろ厳しい現実でした。

理想と現実のギャップに愕然

お金を貯める基本として、多くの人が「節約」や「天引き貯金」を思い浮かべるでしょう。

かつて本多静六氏が提唱した「給料の4分の1を天引き貯蓄する」という考え方は非常に有名です。

これはつまり、手取り給料の4分の3で生活を成り立たせなさい、という教えです。

しかし、これが現代の日本においてどれほど難しいことか。

もちろん、無駄な浪費を重ねているなら話は別です。

ですが、特に贅沢をしているわけでもないのに、給料のほぼ100%を生活費で使い切ってしまう、という方のほうが多いのではないでしょうか。

ボクもまさにその一人です。

正直なところ、ボクの現在の手取り額は、社会人になった20代の頃とほとんど変わっていません。

これはボク個人の能力不足が原因なのも否定しませんが、日本経済全体が長期にわたって停滞し、多くの人の給料が上がらない時代が続いていることも大きな要因でしょう。

入ってくるお金が増えない中で、どうやって経済的自立を成し遂げれば良いのか。

そんな疑問を抱えながらページをめくりました。

「普通の会社員」の定義が遠すぎた

本書には、FIREを達成するための具体的なテクニックが満載です。

iDeCoやNISAといった制度の活用法など、知識として知っていることも多くありました。

しかし、ボクが最も衝撃を受けたのは、「例として挙げられている会社員」の収入レベルでした。

シミュレーションで示される月々の貯蓄可能額を見て、ボクは愕然としました。

「え、普通の会社員って、こんな金額を毎月当たり前のように貯蓄に回せるものなのか…」と。

その瞬間、自分が世間一般でいう「普通の会社員」の平均的な給与すらもらえていない、という厳しい現実に直面させられたのです。

残された時間の短さと元手の不足

現在53歳のボクにとって、本書で紹介されている蓄財プランを今から実行するには、残念ながら時間が圧倒的に足りません。

退職までの期間が短いという物理的な制約だけでなく、そもそも投資や貯蓄に回すための「元手」となる資金を確保すること自体が困難な状況です。

著者の山崎さんも、50代向けのセミナーでは「一生節約生活をする覚悟を」とアドバイスしているそうです。

公的年金があれば完全に破産することはないので、年金の受給額の範囲内で生活できるようにライフスタイルを調整しなさい、というわけです。

しかし、その年金すら、ボクたちが受け取る頃には一体いくらになっているのでしょうか。

現時点でのモデルケースは夫婦2人で月額約22万円と言われていますが、今後減少していくことは確実視されています。さらに、受給開始年齢が70歳、75歳と後ろ倒しになっていく可能性も否定できません。

ボクたち団塊ジュニア世代は、日本で最も人口の多いボリュームゾーンです。

この巨大な世代を、これからますます少なくなる現役世代が支えなければならない。

そう考えると、社会に対する申し訳ない気持ちと、自身の将来への底知れぬ不安に襲われます。

この本を読んだことで、ボクは自分が「普通の会社員」ですらなかったという事実と、FIREはまさに夢のまた夢であるという現実を痛感させられました。

50代のボクがこの本を若い世代にこそ勧めたい理由

正直に言うと、50代のボクがこの本から得た最大の感情は「もっと早く、せめて10年前に知りたかった」という深い後悔でした。

しかし、この後悔こそが、本書を20代、30代の若い世代に強く推薦したい理由に繋がります。

後悔から学んだ「時間」という最大の武器

FIREや資産形成において、最大の武器は「時間」です。

若いうちから計画的に資産形成を始めれば、本書に書かれているテクニックを100%活かすことができます。

なぜなら、元本が利息を生み、その利息がさらに新しい利息を生む「複利の効果」を、時間をかけて最大限に享受できるからです。

本書で語られている内容は、決して机上の空論ではありません。

具体的な数字と再現性の高い方法論が示されており、誰でも実践可能なプランとして活用できます。

ただし、それには「時間」と「ある程度の収入」という、ボクのような50代には取り戻せない前提条件が必要なのです。

もしあなたが30代以下で、平均的な収入を得ているのであれば、今すぐこの本を手に取るべきです。

40代の方でも、まだ十分に間に合う可能性があります。

どうか、ボクのように50代になってから「あの時やっておけば…」と後悔することだけは避けてください。

さらなる初心者向け

この本も入門書ですから、初心者向けには間違いないのですが、これはFIREという言葉は知っているけど具体的にはどういうこと?という方に最適かな?と思います。

それ以前、投資のことがよくわからないという方には、まずこちらをお読みになるのがいいのですはないかとお思います。

国はこのところを国民に投資をするように進めています。

これまでの日本だったら、貯金してりゃ増えてたんですど、それも見込めなくなりましたので、自分でなんとかしぃやということで、誰しもが普通に投資をするという方向になりつつあります。

こういう物語から投資の世界に触れるのがいいのではないかと思います。

FIREは無理でも、経済的余裕は人生を豊かにする

FIREという選択肢を知っているか知らないか、それだけで人生の設計図は大きく変わります。

たとえ完全な早期リタイア(FIRE)を達成できなかったとしても、資産形成を通じて経済的な余裕を持つことは、あなたの人生を間違いなく豊かにしてくれます。

お金の心配が少し減るだけで、仕事への向き合い方も変わるでしょう。

嫌な仕事にしがみつく必要がなくなり、より自分らしい働き方を選択する勇気が湧いてくるかもしれません。

経済的な自立は、人生における選択肢を増やし、精神的な自由をもたらしてくれるのです。

若い世代の皆さん、この『日本版 FIRE 超入門』は、まさに皆さんのために書かれた本です。

ボクのような後悔をしないために、ぜひ今日から、まずは自分の収支を把握するという小さな一歩でも良いので踏み出してみてください。

時間を味方につけて、自分らしい豊かな人生を設計していくことを心から願っています。

それではまた。

ありがとう!

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