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【読書感想文】記憶力は年齢で衰えない!脳科学が示す「鍛え方」と「一夜漬け」が通用しないワケ

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回ご紹介いたします本は、東京大学薬学部教授の脳科学者、池谷裕二さんのお書きになった本でございます。

記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方

つい最近まで、ボクは自分の記憶力の低下に本気で悩んでいました。

「もう記憶に頼るのはやめよう」とさえ決意していたんです。

日常生活では、何でもメモする習慣を徹底しました。

スマホのメモアプリやノートを駆使し、「記憶」ではなく「記録」に頼る生活に切り替えたつもりでした。

しかし、それではどうにもならない状況が訪れます。

実は、ある資格試験を受けようと思い立ったのです。

この試験、いわゆる「暗記系」がメイン。

記憶していることの量と正確性が問われるタイプの試験です。

当然ながら、メモを見ながら解答するわけにはいきません。

「たしか、あそこにメモしたな」と試験中に思い出しても、そのメモを見返せなければ全く意味がないのです。

つまり、ボクに残された道は「記憶力を強くする」ことだけ。

そんな崖っぷちの状況で出会ったのが、池谷裕二さんの『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』でした。

正直に言うと、最初は「記憶力なんて、今さら鍛えられるのか?」と半信半疑でした。

しかし、タイトルの「最新脳科学」という言葉に惹かれたんです。これは根性論ではなく、科学的なアプローチで記憶力を高める方法が書かれているのではないか、と。

脳科学の進歩によって記憶の実体が見えてきた今なら、記憶力を高める具体的な方法があるはずだ。

そう期待しました。

著者は脳研究の第一人者・池谷裕二教授

著者の池谷裕二さんは、記憶力を高める「夢の薬」を研究している方で、LTPやシナプス可塑性といった最新理論を交えながら、科学的に記憶力を高める方法を紹介しているとのこと。

これは読むしかない、と確信しました。

『記憶力を強くする』基本情報

  • 書名: 『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』
  • 著者: 池谷裕二
  • 出版社: 講談社 (ブルーバックス)
  • 発売日: 2001年1月19日
  • ページ数: 280ページ
  • ISBN-13: 978-4062573153

脳研究のスペシャリストによる科学的アプローチ

著者の池谷裕二さんは、1970年生まれの薬学博士で、東京大学大学院薬学系研究科の教授を務められています。

海馬の研究を通じて脳の健康や老化について探求を続ける、まさに脳研究のスペシャリストです。

『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』など、一般読者にも非常にわかりやすい脳科学の本を多数執筆されており、数々の賞も受賞されています。

著者からのメッセージには「記憶は未来の自分に贈るメッセージです。

本書では、驚くほど巧妙な記憶のメカニズムが皆さんを待っています」とあります。

この言葉に、まずグッときました。

「もう若くない」は言い訳だった?タクシー運転手が教えてくれた希望

本書は、ロンドンのタクシー運転手の記憶力を脳科学的に解析した「マグワイヤの研究」の紹介から始まります。

確かに、タクシーに乗って行き先を告げると、多くの運転手さんは地図も見ずにスラスラと車を走らせます。

彼らの頭の中には、あの複雑な地図がすべてインプットされているようで、その卓越した記憶力には驚かされます。

この研究結果、なんとタクシー運転手の脳の「ある部分」が一般の人よりも大きく、しかもそれは「ベテランの運転手であるほど大きい」という驚くべき事実がわかったんです。

これは何を意味するか?

つまり、「成人した後であっても、鍛えれば記憶力(を司る脳の部位)は成長する」ということです。

この事実を知ったとき、ボクは本当に希望が湧いてきました。

「もう若くないから記憶力は衰える一方だ」と諦めかけていたんですが、そうではなかったんです。

脳科学が教える「大人の記憶法」とは

本書では、記憶に関する脳科学の興味深い研究が、歴史に沿ってわかりやすく紹介されています。

必要な生化学や脳科学の基礎知識も丁寧に解説されているので、ボクのような専門知識ゼロの読者でも問題なく理解できました。

そして何より実践的なのが、具体的なアドバイスの数々です。

たとえば、「テストの直前に詰め込み勉強をするなら、徹夜するよりも早起きして勉強した方が良い」とか、「テストの前に風邪薬を飲むと、記憶していたものが思い出しにくくなる」といった、すぐに使える情報が満載でした。

なぜ子供の頃のように覚えられないのか?

ボクが本書の中で一番衝撃を受けたのは、「記憶の仕方が歳を取るごとに変わっていく」という事実です。

子供の頃にはスカッと憶えられたことが、オッサンになると難しくなる。

これは単に「衰えた」のではなく、「記憶のメカニズムが変わった」からだったんです。

子供の頃とは違う憶え方をしないと、大人の頭には入ってこない。

ということは、勉強の方法が子供の頃と同じではダメだということ。

これはまさに目から鱗でした。

「もの忘れ」の正体は「入力ミス」

よく「年をとると記憶力が衰える」と言いますが、本書によれば、記憶の「容量」自体は歳を取るほど増えていくそうです。

では、「もの忘れがひどい」と感じるのはなぜか。

それは「忘れてしまって思い出せない」のではなく、「初めからちゃんと覚えていない」だけかもしれない、というのです。

つまり、記憶の「入力」の段階で失敗している可能性が高い、と。

脳科学は、脳の構造にあわせた3つの「記憶の仕方(入力の方法)」があることを教えてくれています。

科学的に効率を上げる3つの記憶法

年齢と共に「丸暗記」する能力は衰えていきますが、脳の変化に合わせた方法を用いれば、記憶力はむしろ鍛えられるんです。

本書で紹介されている、大人の脳に合った記憶法が以下の3つです。

ポイント1:きちんと手順を踏んで覚える (易しいものから難しいものへ)

基礎をおろそかにして、いきなり難しい問題に取り組もうとしていませんか?

大人の脳は、物事を関連付けて理解することで記憶を定着させます。

まずは簡単なことから始め、段階を踏んでレベルアップしていくことが、結果的に一番の近道になります。

ポイント2:まずは大きく捉え、最初から細部にこだわらない

真面目な人ほど、最初から完璧に覚えようとして細かい部分まで気にしてしまいがちです。

ボクもこのタイプでした。

しかし、まずは全体像をぼんやりとでも掴むことが大切。

枝葉末節は、幹となる全体像を理解してから肉付けしていけばいいのです。

ポイント3:何度も失敗を繰り返して覚える

これは意外に思えるかもしれません。

「完璧に覚えてから実践しよう」と考えがちですが、脳科学的には非効率。

むしろ、早い段階で問題を解いてみて、間違えて、解説を読んで、また覚え直すというプロセスの方が、記憶に残りやすい(これを「LTP」という現象で説明しています)。

学生時代の「一夜漬け」が通用しない理由

ボクはこの部分を読んで、自分がいかに間違った方法で記憶しようとしていたかに気づかされました。

学生時代に「一夜漬け」でテストを乗り切った(気になっていた)成功体験があるせいで、大人になってからも同じように「短期集中・丸暗記」で詰め込もうとしていたんです。

でも、それは若い脳に合った方法であって、今のボクの脳には合っていなかった。

だから何度やっても知識が定着しなかったんですね。

本書を読んでからは、「易しいものから難しいものへ」という順序を強く意識するようになりました。

いきなり難しい応用問題に取り組むのではなく、基礎的な問題を確実に理解できるまで繰り返す。

遠回りに見えて、この方が確実に記憶に定着することを実感しています。

間違いを恐れない勉強法へ

「何度も失敗を繰り返す」という方法も、ボクの勉強スタイルを大きく変えました。

「間違える=学習」という意識改革

以前のボクは、間違えることを極端に恐れていました。

だから、完璧に覚えたと思うまで問題演習に進めなかったんです。

でも、それよりも「とりあえず解いてみる→間違える→なぜ間違えたか確認する→覚え直す」というサイクルを高速で回す方が、脳は「これは重要な情報だ」と認識してくれやすい。

この考え方を知ってから、間違えることへの抵抗感が減りました。

間違えることは恥ではなく、学習プロセスの一部なんだと前向きに捉えられるようになったんです。

「まずは大きく捉える」ことの重要性

「細部にこだわりすぎない」というアドバイスも、ボクには刺さりました。

テキストの隅から隅まで全部覚えようとして、結局何も頭に残らない…という典型的な失敗パターンです。

まずは全体像、その学問の「地図」を手に入れることが最優先。

細部は後から埋めていけばいい。

この順序を意識するだけで、学習の効率が全然違うことに驚いています。

子供の頃にあまり勉強してこなかったボクは、変なプライドや過去の成功体験(間違った勉強法)といった固定観念がありません。

だからこそ、こうした新しい勉強法を素直に受け入れやすい。これは逆に有利なんじゃないか、とさえ思えてきて嬉しくなりました。

まとめ:記憶力は何歳からでも科学的に鍛えられる

努力の仕方さえ間違えなければ、どんどん賢くなって試験もバッチリ合格するはず。

この本を読んで、ようやくその「努力の方向性」が見えてきました。

もちろん、今やっている方法が100%正しいかどうかは、試験を受けてみないとわかりません。

でも、少なくとも以前のように闇雲に突き進むのではなく、「科学的な根拠」に基づいた方法で勉強できているという自信が持てています。

本書を読んでから、ボクの勉強に対する姿勢は大きく変わりました。

以前は「記憶力が落ちた」と嘆くばかりでしたが、今は「大人には大人の記憶法がある」と前向きに考えられるようになったんです。

また、記憶のメカニズムを少しでも理解することで、自分の脳の状態を客観的に見られるようになりました。

「今日は集中できないな」と感じたら、無理に新しいことを詰め込むのではなく、昨日やったことの復習中心に切り替える、といった調整もできるようになりました。

本書は文章も読みやすく、専門用語も非常に丁寧に説明されているので、脳科学の知識が全くない方でも安心して読めます。

記憶力だけでなく、広く脳科学に興味を持っている人にも心からお勧めできる一冊です。

「もう年だから記憶力は落ちる一方だ」と諦めている方。

ボクと同じように、資格試験の勉強で暗記に苦労している方。

ぜひ、この本を読んでみてください。 記憶は未来の自分に贈るメッセージだ、という著者の言葉通り、適切な方法でインプットすれば、それは確実に未来の自分の力になります。

年齢と共に記憶の仕方は変わりますが、それは「衰え」ではなく「変化」です。

その変化に合わせた方法を知ることで、記憶力は何歳からでも強くできるんです。

ボクと一緒に、科学的に記憶力を鍛えていきませんか。

それではまた。

ありがとう!

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