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【読書感想文】読めば読むほど速くなるは真実。ボクが『どんな本でも大量に読める「速読」の本』で速読への考えを改めた理由

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回ご紹介いたします本は、京都府出身の学びの専門家で、トレスペクト教育研究所の代表を務めている宇都出雅巳さんのお書きなった本でございます。

どんな本でも大量に読める「速読」の本

速読って、どういうイメージをお持ちですか?

ボクは長年、「高額なセミナーに参加しないと身につかないもの」だと固く信じていました。

何十万円もする受講料を払い、特殊な機械を使ったり、眼球を高速で動かすような過酷なトレーニングを何ヶ月も続けたりしないと、到底習得できない超人スキルなんだろうな、と。

速読に興味はあっても、そのハードルの高さに尻込みしていました。

でも、宇都出雅巳(うつでまさみ)さんの『どんな本でも大量に読める「速読」の本』を読んで、その考えは180度変わりました。

この本は、ボクがこれまで抱いていた速読のイメージを根本から覆すものでした。

過去に読んだどの速読関連の本よりも、その理論と方法が「実にしっくりきた」のです。

なぜ高額なセミナーが不要なのか、なぜ過酷なトレーニングが必要ないのか。

その答えが、この本には詰まっていました。

コンパクトな文庫本に詰まった「学びのプロ」の知見

『どんな本でも大量に”読める”「速読」の本』は、2014年4月に大和書房から発売された文庫本です。

ページ数は約200ページと非常にコンパクトで、手に取りやすい一冊です。

著者の宇都出雅巳さんは、1967年生まれ、京都府出身の「学びの専門家」で、トレスペクト教育研究所の代表を務められています。

宇都出さんの経歴がまたすごいんです。

東京大学経済学部を卒業後、経済出版社での編集者勤務を経てコンサルティング業界へ。

米国ニューヨーク大学スターンスクールでMBAを取得し、帰国後は外資系銀行でマーケティングやマネジメント業務に携わるという、まさにエリートビジネスマンとしてのキャリアを歩まれています。

しかし、2002年に教育事業で独立。

ご自身の速読や試験勉強における実践研究から生まれた独自の読書・学習法「高速大量回転(KTK)法」を開発し、その普及に努めてこられました。

20年以上にわたって人材開発・組織開発の分野で活動し、これまでに講演・研修・セミナー・コーチングを受講した人は、のべ1万人以上。

主な著書には『「1分スピード記憶」勉強法』『合格る技術』『速読勉強術』『絶妙な聞き方』などがあり、多くのビジネスマンや受験生に向けて、実践的な記憶術や速読法を広めています。

公認会計士試験修了者であり、システム監査技術者の資格も持つという、まさに「学びのプロフェッショナル」です。

そんな方が提唱する速読法だからこそ、単なる精神論ではない、ロジカルな説得力があるのだと感じます。

本書の核心「高速大量回転(KTK)法」とは?

この本が紹介している速読法の核心、それが「高速大量回転法(KTK)」です。

ボクが驚いたのは、このKTK法が、いわゆる特殊な訓練や超人的な技術を一切必要としない点です。

眼球を猛スピードで動かす訓練も、視野を広げるトレーニングも不要。

最大の特徴は「誰でも実践できる」という再現性の高さにあります。

その方法とは、まず目次や前書き・後書きを何度も繰り返し読んで本の全体構造を掴み、その後に本文を「繰り返し」読むことで、理解と記憶を深めながら速く読む、というもの。

そして、このKTK法を支える大原則が、本書を読んでボクが最も「腑に落ちた」部分です。

それは、「よく知っていることなら速く読めるし、よく知らないことなら速くは読めない」という、至極当たり前の事実です。

これが本当にしっくりきました。

「腑に落ちる」というのは、こういう感覚のことを言うのだなと。

なぜなら、ボク自身にも明確な体験があったからです。

よく知っていることが書かれている本と、まだよく知らないことが書かれている本とでは、読み終えるのにかかる時間が全然違います。

ボクの個人的な例で恐縮ですが、ボクは「プロレス」関連の書籍が大好きで、他のジャンルに比べるとかなりの知識を持っていると自負しています。

だから、プロレス関連の新刊を読むときは、「ああ、あの時のあの試合のことね」「この選手のエピソードは、あの団体のあの流れを汲んでるな」と、内容がスッと頭に入ってきます。

既知の情報が多いため、文章を読み飛ばすように理解できるのです。

何より好きなジャンルなので、たとえ知らない情報が出てきても、既存の知識と結びつけてスイスイ頭に吸収できます。

結果として、あっという間に読めてしまうのです。

逆に、まったく知らない分野、例えば「量子力学」や「古代ギリシャ哲学」の本を読もうとすると、一文一文を理解するのに時間がかかり、当然ながら読了速度は著しく落ちます。

KTK法は、この「前提知識の量」こそが読書スピードを決定するという事実に着目しています。

つまり、速読とは「知らないこと」を無理やり速く読む技術ではなく、「知っていること」を増やすことで結果的に速く読めるようになる技術だ、と宇都出さんは説いているのです。

速読は「早読み」ではなく「反復練習」である

この本を読んで、もう一つ衝撃的だったのは、「速読は単なる早読みではなく、理解力を維持しつつ読む技術である」という説明です。

宇都出さんは、驚くべきことを言います。

サラサラ〜っとページをめくって「読む」というより「見る」だけを繰り返すのと、じっくりある程度時間をかけて(精読して)読むのとだったら、サラサラ〜っと「見る」だけを繰り返すほうが、結果的に時間は短縮され、理解も深まるんだそうです。

最初は「そんな馬鹿な」と信じられませんでした。

じっくり読んだほうが理解できるに決まっている、と。

ですが、よくよく考えてみると納得できました。

例えば、スポーツや楽器の演奏など、何かの技術を覚えるとき、ボクたちは何をしますか?

当然、反復練習をしますよね。

自転車の乗り方を覚えるとき、一度で完璧に乗れる人はいません。

何度も転びながら、「なんとなく」ペダルを漕ぎ、「なんとなく」バランスを取り、それを繰り返すうちに、ある日突然、体が操作方法を覚えて乗れるようになります。

読書もこれと同じだ、と宇都出さんは言います。

一回で完璧に理解しようと精読するのではなく、まずは全体を高速で「見る」ことを繰り返す。

一回目では10%しか分からなくてもいい。二回目、三回目と繰り返すうちに、脳が勝手に情報の点と点をつなぎ始め、徐々に理解度が上がっていく。

これも、ボクたちが日常生活でいつもやっていることです。

毎日通る通勤路の景色は、意識しなくても頭に入っています。繰り返しやっている作業は、短時間でちゃんとこなせます。

この「反復による習熟」という、ごく当たり前の原理を読書に応用するだけ。

そう考えるだけで、ずいぶん気が楽になり、これなら自分にもできるかもしれないと強く腑に落ちたのです。

「読めば読むほど速くなる」という希望

本書では、このKTK法を実践することで「1日に10冊読めるほどの効果」も謳っています。

さらに読者特典として解説動画も提供されており、速読をより深く学べるようになっているのも嬉しいポイントです。

「1日10冊」と聞くと非現実的に思えるかもしれませんが、本書のロジックを知れば、それも可能だと思えてきます。

ちなみに成毛眞さんは10冊同時に読めとおっしゃっているので、

それが1日にして可能になるのです。

書評家やコメンテーターとして有名な小飼弾(こがいだん)さんは、なんと2冊の本をいっぺんに読めてしまうそうです。

「二丁拳銃読み」と呼ばれるその方法は、両手に本をそれぞれ1冊ずつ持ち、二冊同時に読み進めるというもの。小飼さんはこの読み方で、新書サイズの本なら1冊を8分程度で読み切ることもあるとか。

これはもう超能力の世界ですが、なぜそんなことが可能なのか?

答えは、本書が提唱する理論と同じです。

「いっぱい本を読んで、いっぱい物を知っておられるから速く読める」。

ただ、それだけなんですね。

圧倒的な知識量が、異常なまでの読書スピードを支えているのです。

この本を読んで、ボクは「自分の読書スピードが遅いのは、単に知識の量とか読書量とかがまだまだ少ないだけなんだ」と思い至りました。

速く読むには、特別な訓練ではなく、結局は本を読むしかない。

当たり前の結論かもしれませんが、この事実に気づけたのは大きいです。

実践して感じた「習慣の壁」と「意識の変化」

読み終えたボクは、スゴくワクワクしまして、モウレツに本が読みたくなりました。

そして、さっそくここに書かれている方法を実践してみました。

「まずは全体をサラサラと」

「完璧に理解しようとしない」

と自分に言い聞かせて。

ただ、正直に告白しますと、ついつい悪い癖が出てしまいます。

「あれ?いまのところ、頭に入ってないかも」と不安になり、ページを戻って精読してしまうのです。

ゆっくり読んでしまう。

長年の「じっくり読んで完璧に理解しなければ」という読書習慣を変えるのは、想像以上に簡単ではないな、と痛感しました。

でも、それでも良かったと思っています。

完璧にKTK法を実践できなくても、

「速く読むように心がける」

「まずは全体像を掴もうとする」

と意識するだけで、読書への向き合い方が確実に変わりました。

以前は「積読(つんどく)」をすることに罪悪感がありましたが、今は「高速で回転させればいいんだ」と思えるようになりました。

完璧にできなくても、この「意識の変化」こそが、この本を読んだ最大の収穫だったと思っています。

速読を身につけたい「すべての人」へ

世の中には、他にも速読に関する本がたくさんあります。

しかし、『どんな本でも大量に読める「速読」の本』は、その中でも群を抜いて「実用的」であり、「納得感」のある一冊だとボクは思います。

高額なセミナーに通わなくても、過酷なトレーニングを積まなくても、速読は身につけられる。

いや、そもそも速読とはそういうものではなかったんだと。

そう思えただけでも、この本を読んだ価値がありました。

「積読を解消したい」「もっとたくさんの本から知識を得たい」と願う、かつてのボクのような悩みを持つすべての方に、ぜひ一度手に取ってみてほしいです。

「読めば読むほど速くなる」という言葉が、きっと実感できるはずです。

それではまた。

ありがとう!

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