元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回ご紹介いたします本は、心理カウンセラーであり、「性格リフォームの匠」として知られている心屋仁之助さんの本でございます。
「好きなこと」だけして生きていく。
53歳にもなって、こんなことで悩んでいるのは恥ずかしいかもしれませんが、ボクは未だに「労働や仕事そのものがしたくない」のか、それとも単純に「今の仕事が嫌」なのか、自分でもよくわからないでいます。
もちろん、この先の人生を考えれば、何かを変えなければいけないという焦りはあります。
転職活動も考えてみましたが、「53歳」「特に目立った実績なし」という現実が重くのしかかります。
今より良い条件でボクのような人間を「ぜひ来てほしい」と言ってくれる奇特な会社が、果たして存在するのでしょうか。
そんなことを考えると、どうにも一歩が踏み出せずにいました。
そんな停滞した日々の中、ふと立ち寄った書店で『「好きなこと」だけして生きていく。』という強烈なタイトルの本が目に飛び込んできました。
衝撃でした。
「好きなことだけして生きていく」なんて、そんなことが許されるのか、と。
ボクは若い頃、本気でバンドマンとして生きていきたいと願っていました。
好きな音楽を作り、演奏し、それを聴いてくれる多くの人を喜ばせたい。
それがボクの「好きなこと」でした。
しかし、現実は厳しく、ボクはその夢を職業にすることはできませんでした。
いつしかボクの心の中には、「好きなことだけして生きていけるのは、圧倒的な才能に秀でた、ごく一部の特別な人間だけなんだ」という、冷めた諦めのようなものが深く根付いていました。
だからこそ、このタイトルは衝撃的だったのです。
まるで「あなたも、誰でも、好きなことだけして生きていけますよ」と語りかけてくるかのような響きに。
もし、53歳の今からでも、「好きなこと」だけして生きていけるというのなら……。
そんな、すがるような、疑うような、複雑な思いでこの本を手に取ったのです。
『「好きなこと」だけして生きていく。』とは? 著者はどんな人か
著者は、心屋仁之助さん。
テレビなどにも出演されているので、ご存知の方も多いかもしれません。
性格リフォーム専門の心理カウンセラーとして、多くの方の悩みに寄り添ってこられた方です。
ボクがこの本を読んで驚いたのは、心屋さん自身の経歴でした。
なんと心屋さん自身も、19年間もの長きにわたり、佐川急便で営業企画の管理職として会社員生活を送っていたというのです。
家族に起こったある出来事をきっかけに心理療法を学び始め、その過程でご自身の性格が大きく変わっていくのを実感されたそうです。
つまり、この本の著者は、最初から「特別な才能を持った人」だったわけではなく、ボクたちと何ら変わらない、組織の中で悩み、葛藤しながら働いていた「ごく普通の人」だったのです。
この事実は、ボクにとって大きな希望となりました。
本書は2014年11月にPHP研究所から出版されており、全226ページ。
Kindle版もあるので、スマートフォンやタブレットでも手軽に読むことができます。
内容は全5章で構成されています。
「第1章 『頑張ってるのに報われない』のはなぜ?」から始まり、 「第2章 『好きなこと』だけして生きていく、という考え方」 「第3章 『好きなこと』だけして生きていく、という『コツ』」 「第4章 『好きなこと』がわからない、という病」 「第5章 大好きなことだけして生きていく」 と、なぜ現状が苦しいのかという分析から、具体的な考え方(マインドセット)、そして実践のコツへと、段階的に理解を深められるようになっています。
ボクの心を揺さぶった「呪縛」と「罪悪感」
この本を読み進める中で、ボクは何度も衝撃を受け、そして深く共感しました。
特に心に刺さったのは、自分を縛り付けていた「見えない鎖」の存在でした。
「迷惑をかけずに生きる」という呪縛
「周りの人に迷惑をかけてはいけない」
これは、ボクが小さい頃から親や先生に、それこそ呪文のように言われ続けてきた言葉です。
あなたもそうではありませんか?
この教えを忠実に守り、ボクはできるだけ「いい子」でいようと努めてきました。
もちろん、人生すべてにおいて完璧に従ってきたわけではありませんが、この教えはボクの行動原理の根幹に深く影響を与えていました。
だから、「好きなことをして生きる」という選択を考えたとき、真っ先に頭をよぎるのが「そんなことをしたら、誰かに迷惑がかかるんじゃないか」という不安なのです。
妻に迷惑をかけるかもしれない。会社に迷惑をかけるかもしれない。
しかし、心屋さんは問いかけます。
「そもそも、他人にまったく迷惑をかけずに生きている人なんて、本当にいるのでしょうか?」と。
確かにそうです。
ボクたちは生きているだけで、意識するしないにかかわらず、誰かに頼り、支えられ、時には迷惑をかけながら生きています。
迷惑をかけることを極端に恐れすぎる必要はないのかもしれない。
もちろん、故意に他人を傷つけたり、嫌がることをしたりするつもりは毛頭ありません。
ですが、ボクがボク自身の「好きなこと」を選ぶことが、果たして他人にとってそこまで大きな「迷惑」になるのだろうか? そう思い至ったのです。
「好きなことをする」ことへの罪悪感
「好きなことだけして生きる」と決めたとき、それは往々にして他人との摩擦を生むことがあります。
今までの自分と違う行動を取れば、「あいつは変わった」「わがままだ」と言われるかもしれません。
ボクは、それが怖かったのです。
多くの人がそうであるように、ボクも他人と揉めたり、嫌われたりしたくありませんでした。
だから、心の奥底では「好きなこと」をしたいと願いながらも、結局は「仕方がない」と自分に言い聞かせ、開き直る勇気も持てませんでした。
ボクのこれまでの人生は、「好きなことを“少しだけ”して、嫌われずに生きる」という、中途半端な妥協の産物だったのです。
その勇気のなさに、今更ながら気づかされました。
仕事と「好き」のバランスという名の妥協
仕事面においても、それは同じでした。
「好きなことだけでは生活できない」
「食っていけない」
そう信じ込み、好きでもないことをしてお金を稼ぐほうが、よほど現実的で「正しい」生き方だと考えていました。
だから、かつてあれほど情熱を注いだ音楽は「趣味」という安全な箱にしまい込み、仕事は「生活のため」と割り切るスタイルを選んできました。
それでも、心の奥底では「本当に好きなことをして生きていきたい」という炎が、消えることなく燻り続けています。
その炎が燃え上がるたびに、それを無理やり押さえつけ、見て見ぬふりをする。
時折、そのどうしようもない虚しさに、悲しくなることもありました。
今の生活に大きな不満があるわけではない。
家族もいて、それなりに幸せではある。
でも、「ボクの人生、本当にこれで良かったのか?」という問いが、50歳を過ぎてから、より頻繁に頭をもたげるようになっていたのです。
この本がボクに教えてくれた「今から」できること
この本には、著者の心屋さんが会社員からカウンセラーへと転身する過程で得た、具体的な考え方やヒントが詰まっています。
ただし、その核心部分をここでボクがすべて語ってしまうのは野暮というもの。
ぜひ、あなた自身でページをめくり、その「気づき」を体験してほしいと思います。
ボクがこの本から受け取った最も大きなメッセージは、「好きなことをして生きる」という生き方は、決して特別な才能を持ったスーパーマンだけのものではない、ということです。
ボクは漠然と、本当に「好きなこと」をして生きられるのは、定年退職して、すべてのしがらみから解放された後なんだろうな、と考えていました。
しかし、この本を読んでハッとしました。定年後に「さて、何しようか」と考えるのでは遅すぎる。
今、この瞬間から、少しずつ自分の人生を変えていく必要があるのだと。
もちろん、明日からいきなり会社を辞め、すべてを捨てて「好きなこと」だけをして生きる、なんて無謀な勇気はボクにはありません。
ですが、少しずつでも自分の心に正直に、自分の「好き」を大切にする方向へ、人生の舵を切っていくことはできるはずです。
読んで良かった。53歳の今だからこそ、あなたにも読んでほしい
「好きなことをして生きる」と口で言うのは簡単ですが、それを実行するには勇気と覚悟が必要です。
最初は、他人との摩擦や「嫌われること」を恐れてしまうかもしれません。
ボクもまだ、その恐怖のまっただ中にいます。
それでも、他人の目や評価に怯えて生きる人生から、自分の人生を自分の手で選び取る人生へ。
それは最終的に、他人のせいではない、自分だけの充実感を得られる道だと信じたいのです。
ボクはこれから、少しずつ自分の「好きなこと」を大切にして、より自分らしい生き方を模索していこうと決めました。
人生100年時代と言われる今、53歳はまだ折り返し地点です。
自分の人生をどう生きるか、その選択肢を他人に委ねるのではなく、自分自身で広げていくことこそが、幸せな生き方へと繋がるのではないでしょうか。
ボクと同じように、厳しい就職氷河期世代を駆け抜け、今も仕事や人生の「これで良かったのか」というモヤモヤを抱えている方は多いと思います。
「もう53歳だから」
「今さら変われるわけがない」
そう思っている方にこそ、この本を読んでほしい。
「好きなことをして生きる」ことが決して夢物語ではなく、あなたの考え方一つ、勇気ある一歩で、誰にでも可能なのだということを、この本は力強く教えてくれます。
具体的な方法論も示されているので、読んだ後に「じゃあ、自分は何から始めようか」と、前向きに考えるきっかけになるはずです。
今の人生に、何か物足りなさを感じているなら。 かつての夢を「仕方なかった」と諦めたままでいるなら。
ぜひ、この本を手に取ってみてください。
きっと、あなたの背中を優しく、しかし力強く押してくれるはずです。
それではまた。
ありがとう!