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【読書感想文】糟糠の妻を捨てるのはゲスじゃない?『ミュージシャンはなぜ糟糠の妻を捨てるのか?』の新たな視点

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回ご紹介いたします本は細田昌志さんがおかきになりました売れたミュージシャンはそこまで支えてくれた彼女だったり奥さんだったり、なにゆえ捨てるのか、ということに触れた本です。

ミュージシャンはなぜ糟糠の妻を捨てるのか?

「売れない時期を支えてくれた妻を、売れた途端に捨てて若い美女に乗り換える」

こんな話、ゴシップ誌やワイドショーで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ボクもかつては音楽でご飯を食べることを夢見ていた端くれ。

本書の刺激的なタイトルを見て、「やっぱりミュージシャンってそういうものなのか!」と、ある種の答え合わせをしたいような気持ちで、思わず手に取ってしまいました。

ちなみにボクの場合は、残念ながら売れる前に支えてくれた彼女に捨てられてしまったのですが…それはまた別のお話。

売れたら捨てるのか、売れなければ捨てられるのか。

ミュージシャンという生き物は、なんとも業が深いのかもしれません。

冗談はさておき、この本は、そんなゲスいと一言で片付けられがちなテーマに、意外な角度から切り込んでいます。

果たして、その真相とは何なのでしょうか。

本書で分析される5人の大物ミュージシャン

この本では、日本の音楽シーンを代表する5人のミュージシャンが取り上げられています。

  • TERU(GLAY)
  • 布袋寅泰
  • 桜井和寿(Mr.Children)
  • 小室哲哉
  • 矢沢永吉

正直、ボクはGLAYや矢沢永吉さんの音楽はあまり詳しくないのですが、他の方々はCDも持っているくらい好きなアーティストです。

誰もが知る偉大な方々が、どのような経緯で糟糠の妻と別れ、新しいパートナーと結ばれたのか。

本書は、彼ら本人への直接取材は行わず、過去のインタビュー記事や自伝、関係者の証言といった公になっている情報だけを丹念に拾い集め、その深層心理を紐解いていきます。

糟糠の妻を捨てるのは「誠実」だから?衝撃の結論

もしもボクがミュージシャンとして大成功していたら、やっぱり糟糠の妻を捨てていたのでしょうか?

おそらく答えは「ノー」です。

なぜなら、成功したから寄ってくる女性というのは、ボクという人間ではなく、ボクの持つ「名声」や「お金」に惹かれているだけだろう、と思ってしまうからです。

…なんて、今だから言えるのかもしれませんね。

本書の巻末には、精神科医の香山リカさんと著者・細田さんの対談が収録されているのですが、そこで非常に興味深い指摘がされています。

それは、「糟糠の妻を捨てたミュージシャンは、実は誠実な人たちなのではないか」という視点です。

普通に考えれば、長年連れ添った妻を裏切るなんて、不誠実の極みですよね。

しかし、多くの男性が浮気がバレたときに「遊びだった」「妻に謝った」「二度としない」と見え透いた嘘でその場を繕うのに対し、彼らは違います。

妻以外の女性を本気で愛してしまった。

だからこそ、中途半端な関係を続けるのではなく、きちんと現在のパートナーと別れ、新しい相手と再婚という形で責任を取る。

これは、自分の気持ちにも、相手の女性にも、そして結果的には妻に対しても「誠実」であろうとした結果なのではないか、と著者は分析するのです。

少し前に世間を騒がせた『ゲスの極み乙女。』の川谷絵音さんも、タイミングは最悪でしたが、きちんと離婚をして次の恋愛に進もうとしていました。

それは単なる性欲や遊びではなく、心が本気で動いてしまったからこその行動だったのかもしれません。

この「誠実さ」という切り口は、ボクにとって目からウロコでした。

単なるゴシップとして消費していた出来事の裏に、そんな人間的な葛藤があったのかと考えると、彼らの見方が少し変わってきます。

本書の注意点:結論はすべて著者の「推論」

ただ、一点だけ正直に言わせていただくと、少しモヤモヤが残った部分もあります。

本書で語られる結論は、あくまで膨大な資料から導き出された著者の「推論」である、という点です。

各ミュージシャンの章の最後は、必ずと言っていいほど「ここからは筆者の推論となる」という一文で締めくくられます。

もちろん、プライベートな問題なので本人に直接取材するのは不可能に近いでしょう。

しかし、せめて関係者の証言を取るなど、もう少し踏み込んだ取材があれば、説得力が格段に増したのにな、と感じてしまいました。

言い方を変えれば、ネットで情報を集めてブログ記事を書いているのと、手法としては大きく変わらないのでは?と感じてしまう部分もあり、ここで本書の価値が少しだけ下がってしまったのが残念なポイントです。

著者は元プロレス実況キャスターの細田昌志さん

著者の細田昌志さんは、Wikipediaによると元々プロレス専門チャンネル「サムライTV」でキャスターを務めていた放送作家の方だそうです。

どうりで、巻末の対談でプロレスの話題が自然に出てくるわけですね。

プロレス好きのボクとしては、思わぬところで好きなジャンルの話が出てきて、少し嬉しくなりました。

次作はぜひ、得意分野であるプロレスをテーマに、濃密な取材に基づいたノンフィクションを書いてほしいな、と個人的には期待しています。

まとめ:人間関係の普遍的な悩みを考える一冊

本書は、有名ミュージシャンのゴシップを扱った本でありながら、その本質は「男女関係の普遍的な難しさ」を考えさせてくれる一冊でした。

成功によって人生のステージが変わってしまったとき、人は何を大切にし、何を手放すのか。それはミュージシャンに限らず、誰の人生にも起こりうることなのかもしれません。

  • 好きなミュージシャンの人間的な側面に興味がある方
  • 男女関係の心理学に興味がある方
  • 刺激的なテーマのノンフィクションを読んでみたい方

こんな方には、ぜひ一度手に取ってみてほしいです。

結論が「推論」であるという点を差し引いても、物事を多角的に見る面白さや、人の心の複雑さを感じさせてくれる、非常に読み応えのある本でした。

あなたのパートナーシップ観も、少し変わるかもしれませんよ。

それではまた。

ありがとう!

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