元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
2023年にリリースされたRockon Social Clubのアルバム『1988』を聴いて、ボクは少し戸惑い、そしてほんの少しホッとしました。
1988
このアルバム、かつてのロックスターたちが年齢を重ねても「俺たちはまだ現役だ」とばかりに放った一枚です。
結論から言うと、最後の曲でやっと納得できました。
でも、そこにたどり着くまでは、なかなか試される時間だったのです。
最初の1曲目にヘヴィな違和感
アルバム冒頭の一曲目は、ハードロック調でズシリと重く、いかにも「ロックしてます!」という押し出し。
音だけ聴けば、それなりにカッコいいんです。
でも、ボクにはその曲がどうにも“空回りしている”ように聞こえてしまいました。
演奏も歌も決して悪くない。
けれど、「誰に向けて? 何のために?」という肝心なメッセージが、年齢を重ねた今の彼らの立ち位置から浮いてしまっているように感じました。
まるで、昔の革ジャンを無理やり着ようとしているような…そんな印象です。
歌詞が年齢と釣り合っていない問題
このアルバムの最大の違和感は、多くの楽曲の歌詞が、彼らの年齢や現在の人生経験とまったくリンクしていないところです。
「夜を駆け抜けろ」とか「仲間と夢を追い続ける」みたいなフレーズが登場しますが、それって本当に今の彼らの実感なのでしょうか?
もちろん、ロックには「若さ」や「反抗」が不可欠です。
だけど、年齢を重ねたからこそ出せる味、語れる言葉があるはず。
そこを無視して、かつての自分たちをなぞるような表現に終始してしまっているのは、正直もったいないと感じました。
※作詞したのは、Rockon Social Clubの皆さんではないので、彼らには罪はないんですがね。
ようやく届いた“リアル”──最終曲に光明
ところが、アルバムの最後に収められている楽曲(遥か未来の君へ)だけは、明らかに違いました。
それまでの曲とはトーンが変わり、歌詞もサウンドも“今の彼ら”がちゃんと映し出されていたんです。
具体的には、年齢を重ねた男の哀愁や、人生の折り返し地点を越えた者だけが語れる余韻がにじんでいて、ボクは「これこそ聴きたかったRockon Social Clubだ!」と心から思えました。
アルバムを通して聴いたからこそ、余計にその最終曲が沁みました。
まとめ:過去と現在の狭間でもがくロックの姿
Rockon Social Clubの『1988』は、どこか懐かしさを感じるサウンドと、今の彼らのリアルがまだ出し切れていないジレンマが同居した作品です。
全体としては賛否分かれる内容かもしれません。
ただ、「過去をなぞるロックではなく、歳を重ねた自分たちなりのロックをどう鳴らすか」というテーマに向き合い始めた一歩と捉えると、このアルバムの意味もまた違ってきます。
それでも最後の1曲を聴けただけで、このアルバムには価値があると感じました。
今後、さらに“今の自分たち”に誠実な楽曲が増えることを期待しています。
