元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
2001年以降の10年ほどプロレスから距離を取っていた時があったのですが、2012年にオカダ選手が初めてIWGPヘビー級チャンピオンになったことで、再びプロレスを観るようになりました。
そしてまた今も、プロレスを観ることが激減してしまいました。
それはオカダ・カズチカ選手が新日本プロレスを去ったからです。
オカダ選手の試合そのものは、観ようと思えば観ることはできるのですが、「新日本プロレスのオカダ」が好きだったので、それが観られないのなら、もういいやとなってしまいました。
大好きなオカダ選手が新日本プロレスの選手時代に書いた本を読まないわけにはいかないのです。
「リング」に立つための基本作法
この本を書いたオカダ選手は30代。
ボクよりもずっと年下であるにも関わらず、「あぁ、こういう男でありたいなぁ」と思わせてくれるような説得力と品格が、この本には詰まっています。
この本に書かれているのは、技術やスキルといった表面的な話ではなく、人として、社会人として、生きていくうえでの「基本作法」。
オカダ選手という存在を通じて語られるそれらの姿勢に、ボクはしきりにうなずきながらページをめくりました。
誰もが自分の「リング」に立つための指南書
タイトルにある『「リング」に立つための基本作法』。
この“リング”という言葉には、読者それぞれが日々向き合っているフィールドを当てはめてほしいと、オカダ選手自身が「はじめに」で語っています。
つまり、これはプロレスラー向けの書ではなく、すべての人に向けられた人生の「基礎トレ本」なんです。
ビジネスマンであれ、フリーランスであれ、主婦であれ、学生であれ、人としてちゃんと立ち、向き合い、戦うべき場所=“リング”が誰にでもある。
そのリングに立つ前に、果たして自分はちゃんと準備ができているのか? そんなことを突きつけられるような本でした。
ボク自身、「あ、今のオレって、まだロープもくぐれてないんじゃ……」と軽くショックを受けたのです。
思わず立ち止まる「ジェンダー論」への一石
この本には、少し踏み込んだ内容も含まれています。
例えば、現代ではちょっと神経質になりがちな“男らしさ・女らしさ”についての言及。
オカダ選手なりの価値観が語られていて、それがまた潔くて良かった。
もちろん、そこに違和感を持つ方もいるかもしれません。
でも、ボクはあえてこういう話題にも触れてくれるところに好感を持ちました。
言葉を選んで当たり障りのない意見しか出てこない時代に、ちゃんと自分の言葉で語ることの大切さを教えてくれている気がしたからです。
師・ウルティモ・ドラゴンの存在
オカダ選手の姿勢や考え方には、明確な“根っこ”があることもわかります。
そのひとつが、ウルティモ・ドラゴン選手という偉大な師の存在です。
若い頃に、尊敬できる大人に出会うこと。
ボクには正直そういうメンター的な存在がいませんでした。
でも、オカダ選手は違う。
ちゃんと「そういう人がいる場所」に飛び込んで、そこから自分を育てていったんですね。
結局のところ、行動力なんです。
うだうだ考えるよりもまず動く。
その行動が今の彼を作っていて、そしてその背中が今の若手選手たちを育てているんだと思いました。
「脱猪木」ではなく「原点回帰」
本書では、アントニオ猪木さんについても言及されています。
2010年代の新日本プロレスは「脱猪木路線」で再浮上したとも言われますが、ボクはそれを“猪木イズムの原点回帰”と捉えています。
猪木さんの本質は、異種格闘技戦に代表される“闘う精神”であり、それこそがプロレスの魂。
オカダ選手もまた、そんな猪木さんの精神をしっかりと受け継ぎ、現代のリングで体現しているように見えました。
純粋なプロレスの楽しさ、格闘技としての緊張感、そしてエンターテインメントとしての華やかさ。
これらを高次元で融合できているからこそ、オカダ・カズチカという存在は特別なのです。
天龍源一郎と交差した“厚み”という資質
もうひとり、印象的に登場するのが「ミスター・プロレス」天龍源一郎さん。
彼との交流を通じて、オカダ選手の中にもまた新たな価値観が芽生えたことが本書から伝わってきました。
かつて、天龍さんの引退試合でオカダ選手は“全力で叩き潰す”という姿勢を貫きました。
それが逆に、天龍さんへの最大限の敬意だったのだと思います。
天龍さんを体感した経験が、他のレスラーにはない「厚み」として、オカダ選手の中に息づいている。
こういうバックボーンを知ると、彼のプロレスをより深く楽しめるようになる気がします。
まとめ:あなたの「リング」はどこにある?
この本を読み終えて、ボクの中でひとつはっきりしたのは、「やっぱり行動しないと何も始まらないな」ということでした。
リングに立つ前に、まずは準備をしよう。
気持ちを整えよう。
体を整えよう。
人としての作法を身につけよう。
そうして、ようやくスタートラインに立てるんだと、オカダ選手は教えてくれました。
老若男女問わず、すべての人にとって、自分だけの「リング」があります。
この本は、そのリングに向き合うための“静かな熱”をくれる一冊です。
ぜひ読んでみてください。
それではまた。
ありがとう!
