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【読書感想文】長与千種・神取忍・メデューサ・天田麗文。『プロレス少女伝説』を徹底レビュー

元気ですか〜?!

どうも、ろけねおです。

今回ボクが読んだのは、井田真木子著の『プロレス少女伝説』という本です。

プロレス少女伝説

Kindle Unlimitedで読めるようになっていたので、どんな本なのか全く予備知識なしで読み始めました。

ちなみに、今(2025年7月)ならKindle Unlimitedが3ヶ月無料キャンペーンをしているみたいで、

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ボクが980円払って読んだのがなんだかアホらしくなりますね(笑)。

でも、それだけお得に読めるので、興味がある方はぜひ試してみてください。

さて、この本は、主に4人の女子プロレスラーがプロレスラーになるまで、そしてなってからのエピソードを中心に、女子プロレスの歴史を振り返るという内容になっています。

最近女子プロレスを見始めた方には、もしかしたら一人も知らないレスラーばかりで、戸惑ってしまうかもしれません。

しかし、ボクと同年代(今年で53歳になります!)で、かつて女子プロレスを熱心に観ていた人なら、まさにドンピシャの内容で、懐かしさと驚きでいっぱいになるはずですよ。

女子プロレスのルーツ?知られざざる「女相撲」の世界

この本で最初にボクの度肝を抜かれたのは、「女相撲」というものが昔あったという記述です。

ボクは、そんなものが存在していたことすら全く知りませんでした。

しかも、それが現在の女子プロレスに似た興行形態を持っていたというのが、非常に興味深い点でした。

女相撲で最も人気が高かったのは、太夫と呼ばれる女性力士による相撲と、踊りや歌の二部構成だったそうです。

これには驚きましたね。ボクが初めてプロレス団体「スターダム」の試合を観に行ったとき、新人選手がリングで歌ったり踊ったりしているのを見て、「これいる?」と正直思ったんです。

ボクはあまり好きなタイプではなかったのですが、まさか昔からこの二部構成が人気だったとは…!

ボクがあまり好きじゃないだけで、長い歴史を持つスタイルだったんですね。

さらに驚くべきは、どんな人が女相撲で活躍していたか、という部分です。

本書には、以下のような記述があります。

娼婦としては極端に大柄で、とくには客を畏怖させたであろう彼女たちは、女力士に職がえすることで、自分の肉体のデメリットを逆手にとった。それほど巨体ではないものの、歳をとりすぎてしまった娼婦たちも、力士として活路を開こうとした。 (井田真木子『プロレス少女伝説』より引用)

つまり、人前で裸になることに抵抗がない、あるいはその肉体的な特徴を逆手にとろうとした女性たちが、女相撲の世界で活躍していたということなんですね。

ということは、もしかして上半身も丸出しだったんでしょうか?

もしそんな姿で相撲を取られても、ボクなら全然試合内容や勝敗が頭に入ってこないでしょうね(笑)。

その後、大相撲からクレームがついて、女相撲は廃止になったそうです。

そして、その代わりというわけではないのですが、入れ替わるように外国から女子プロレスが入ってきた、という歴史の流れは非常に興味深かったです。

だから、ず〜っと昔から日本には「女同士が闘うのを観て楽しむ」という文化があったんですね。

その土壌があったからこそ、日本の女子プロレスは海外のプロレスとは異なる独自の進化を遂げた、と本書は語っています。

その結果として、今、WWEでアスカ選手やジュリア選手、紫雷イオ選手といった日本人選手が世界を舞台に活躍しているわけです。

ボクは思わず「ありがとう、ご先祖様!」と心の中で叫びましたよ。

日本の女子プロレスの奥深さに、改めて感動しました。

長与千種さんと神取忍さん:知られざるエピソードの数々

この本では4人の女子プロレスラーの物語が語られますが、まずは2人ずつ絡めて話が進んでいきます。

最初に登場するのは、現在はMarvelousの代表を務めている(のかな?)長与千種さんと、LLPW-Xに所属し、現在は政治活動も行っておられる神取忍選手です。

男子プロレスについては、その歴史や、昭和の有名どころの選手のエピソードなんかは、それなりに知っているボクですが、女子プロレスは正直、試合もそこまで多く見てこなかった上に、選手の生い立ちや裏話的なエピソードはあまり知りませんでした。

なので、今回この本で読んだ話のほとんどがボクにとっては初耳で、非常に興味深く読み進めることができましたね。

もちろん、Wikipediaに書いてあることとほとんど同じ内容も多いんですけどね。

ただ、この本は、彼女たち本人の証言で語られている部分が多いので、やはりWikipediaを読むのとはリアリティが違います。

生の声で語られることで、より深く彼女たちの人生に入り込むことができました。

特に、神取選手の生き様には物凄くシビれました。

彼女の信念や行動力、そしてプロレスへの情熱には、ただただ「カッコいい!」の一言です。

ただ、一つだけ気になった点があります。

それは、神取選手本人の喋り方を再現しているのでしょうけど、それが物凄く「アホに思えてしまう」ような表現になっていて、残念でした。

確かにボクの記憶にある神取選手は、テレビなどでそんな喋り方をしていた気もしますが、そこは本なのだから、正確に再現しなくても良いんじゃないかと思いました。

正直、読みにくく感じてしまう部分があったんです。

神取選手の生き様がカッコいいだけに、この表現はかなりもったいないな、と感じましたね。

気になる方はぜひ一読して、ご自身の目で確かめてみてください。

一方、長与さんのほうには、正直あまり好感を持てませんでした。

読んでいて、なんだか「自分勝手な人だな〜」という印象を持ってしまったんです。

現在は違うのかもしれませんが、この本での描写からはそう感じてしまいました。

また、ボクはクラッシュ・ギャルズではライオネス飛鳥派でしたので、長与さんの証言から出てくる飛鳥さんの話は、個人的にとても楽しかったです。

むしろボクは「なぜライオネス飛鳥さんにスポットを当てないんだ?」とイライラしながら読んでいましたね。

飛鳥さんって、ガチンコで強かったとか、骨法も少しやっていた記憶もあるし、プロレスをやめた後にはレーサーになっていたり、気になることばかりなんです。

個人的には長与さんよりも面白そうな気がするのですが、やはり人気のある方を取り上げるのが、本の企画としては自然な流れなんでしょうね。

メデューサさんと天田麗文さん:異色の人生をたどる外国人レスラーたち

残りの2人は、メデューサさんことデブラ・ミセリーさんと、天田麗文さんの話です。

お二人とも、日本のプロレス団体に所属した外国人レスラーという括りで紹介されています。

まずメデューサさんですが、彼女の試合はたぶん見たことがあると思うんですが、正直あまり記憶に残っていません。

ただ、当時、「えらい美人のプロレスラーが出てきたな〜」と驚いた記憶はあります。

スタイルも良いし、ビジュアル系の女子レスラーの先駆け的な存在だった気がしますね。

現在ならそこまで驚かないかもしれませんが、昔はあんなにカッコいい美人の女子レスラーはほとんどいませんでしたから。

その後、彼女がWWF(現WWE)で活躍しているのを見て、日本で育った(?)外国人が世界的な団体で活躍しているのを見て、なんだか嬉しくなったのを思い出します。

もちろん、ボクが育てたわけではないんですがね。

今でいうと、フィン・ベイラー選手が新日本プロレスからWWEに移籍して活躍しているのを見ると、なんだか嬉しい気持ちになりませんか?あの感じです。

かたや天田麗文さんは、たぶんFMWで観ているように思います。

彼女も「そんな人がいたな」という記憶はあるのですが、どんな試合をしたかなどは全く覚えていません。

この2人のプロレスラーになるまでの道のりがしっかりと書かれているのですが、どちらの道のりも「パンチが効いている」というか、非常に壮絶です。

基本的にしんどい話、つらい話、キツい話が苦手なボクなので、読んでいてただただ気の毒な気持ちになり、正直少し疲れました。

特に麗文さんのほうは、プロレスラーとしても全然成功しているとは言えないように思えるので、その苦労の割には報われていないように感じて、読んでいてしんどかったです。

もちろん、今現在彼女が幸せであれば、それで何も問題ないわけですが、この本が書かれている時点では、ただ気の毒な感じで終わってしまっているのが、読後感が良くなかったですね。

むしろ麗文さんだけで一冊の本にして欲しかったです。

プロレスは麗文さんの人生のほんの一部分、エッセンスに過ぎないと思うので、『プロレス少女伝説』なんてタイトルでプロレス本の中に入れるのではなく、女子プロレスラーという異色の経歴を持つ「中国残留孤児二世の女性の物語」として、その生涯を深く読みたかった、と強く感じました。

どのエピソードも興味が湧いてきて、「もっと深掘りしてほしい!」と思わせたところで話が終わってしまうので、読後にはモヤモヤした気持ちが残ってしまいました。

女相撲の話も、各選手の話も、それぞれ独立させて一冊の本にしたほうが、もっともっと面白くなったのではないかと思わせる、それだけのポテンシャルを秘めた内容でした。

ボクは、つらくとも最後は報われる話が読みたいんですよね。

まとめ:歴史を知り、改めて感じた女子プロレスの魅力と奥深さ

『プロレス少女伝説』は、ボクにとって女子プロレスの知られざる歴史、そしてその裏側にあった人間ドラマに触れる貴重な一冊となりました。

特に女相撲の話は、日本の女子プロレスが独自に発展してきた理由の一端を垣間見ることができ、非常に興味深かったです。

それぞれのレスラーが持つ壮絶な道のりや、表舞台だけでは知りえないエピソードの数々は、プロレスの奥深さを改めて感じさせてくれました。

個人的には読後にモヤモヤする点もありましたが、女子プロレスという文化が、いかにして日本のエンターテイメントとして根付いてきたのかを知る上で、非常に示唆に富む内容だったと言えるでしょう。

比較・オススメ:もっと女子プロレスを知りたくなったら

この本を読んで女子プロレスに興味を持った方は、現在の女子プロレス団体(スターダムや東京女子プロレスなど)の試合を実際に見てみるのもおすすめです。

また、より深く歴史を知りたいのであれば、女子プロレスに関する専門書や雑誌なども調べてみると、新たな発見があるかもしれませんね。

この本が、あなたの女子プロレス探求の第一歩となることを願っています。

それではまた。

ありがとう!

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