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【読書感想文】『KIMURA Vol.0』感想|柔道とプロレスの交差点に立つ“敗者”の物語

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

本屋さんでこの刺激的なタイトル『KIMURA Vol.0』を見かけて、気になっていた方も多いのではないでしょうか。

ボクもプロレスファンとして、この作品には複雑な感情を抱きました。

元々は活字の書籍『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』として出版されていたものが、後にマンガ化されました。

KIMURA

文庫版も出ていることから、かなりの反響があったのだと思います。

正直なところ、分厚い原作を前にしり込みしていたボクにとって、マンガ版の登場はちょっとした救いでした。

Kindle Unlimitedで6巻まで読める!

現在(2025年5月)『KIMURA』シリーズはVol.0を含めて6巻までKindle Unlimitedで読むことができます。

ボクも一気に6巻まで読んでしまい、続きが気になって7巻以降を購入するか悩んでいるところです。

この6巻では木村政彦さんの少年期から大学時代までが描かれており、ようやく力道山が登場して物語が動き出すタイミングで終わります。

この先、ふたりの運命がどう絡み合うのか…期待が高まる終わり方でした。

「Vol.0」は作者の動機を描いた特別編

驚いたのは、通常なら1巻から始まるはずのマンガに「Vol.0」が存在していたことです。

最初から順に読みたい派のボクとしては、この特別巻の存在を見落としていたのが少しショックでした。

この「Vol.0」は、増田俊也さんが『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を書くに至った動機を描いたマンガです。

自身も柔道経験者である増田さんは、柔道界のレジェンドである木村政彦さんがなぜ力道山に敗れ、その後不遇な扱いを受けたのかに疑問と怒りを抱き、この一大ノンフィクションを書き上げたとのこと。

柔道視点で見るプロレスの「黒い歴史」

マンガでは、岩釣兼生さんがジャイアント馬場に対戦を要求したものの実現しなかったエピソードや、アントニオ猪木とウィレム・ルスカの試合における柔道界からの屈辱感などが描かれています。

ボクはそれまで、これらの試合をプロレスサイドからしか見たことがなかったので、新鮮な驚きを覚えました。

また、ルスカ選手については長州力さんが「次元が違うほど強かった」と語っていたのを思い出し、ますます尊敬の念を抱くようになりました。

中井祐樹という“希望”

後半では、柔道をルーツに持ち、総合格闘技で活躍した中井祐樹さんの話が登場します。

ジェラルド・ゴルドーの反則によって失明しながらも勝利した中井さんの姿に、柔道側の“溜飲”が下がったような描写が印象的でした。

ボクは中井さんのことを修斗の選手だと思っていたのですが、柔道界の思いを背負って戦っていたという視点は、増田さんの解釈によって新たに知ることができました。

小川vs橋本戦をどう捉えるか?

読み終えて最も気になったのは、小川直也 vs 橋本真也の試合について、増田さんがどう考えているかという点です。

木村政彦が力道山に不意打ちのような形で敗れた構図と、小川が仕掛けて橋本を圧倒した構図は、ある意味で“裏返し”の関係です。

ボクはこの試合を観て、仕掛けられた橋本が対応できなかったことに対して、ある種の不甲斐なさを感じたのを覚えています。

増田さんも、木村さんの敗北に納得できず筆を執ったわけで、似たような衝動があったのかもしれません。

活字での“真実”を求めて

こうしてボクは、あらためて活字版の『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読もうと決意しました。

まだ読了には至っていませんが、増田俊也さんなりの答えをこの目で確かめたいのです。

読了後には、また感想を書きたいと思っています。柔道とプロレス、そして人間の“名誉”というテーマに興味がある方には、ぜひ読んでほしい一冊です。

それではまた。

ありがとう!

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