元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回ご紹介いたします本は、日本の実業家で元LINE代表取締役社長、そしてC Channel株式会社代表取締役社長であります森川亮さんの書かれた本でございます。
我慢をやめてみる 人生を取り戻す「起業」のすすめ
帯に書かれた「一度だけの人生で、後悔しないために、いまできること」という言葉に惹かれて、この本を手に取りました。
後悔しているわけではないんですが、かといって、まったく後悔がないわけでもない。
そんな曖昧な状況にいたボクにとって、この言葉は強く心に響いたんです。
「人生を取り戻す」というタイトルも、漠然とした将来への不安を抱えているボクの背中を押してくれるような気がしました。
本書の概要
- 出版社 : 朝日新聞出版
- 発売日 : 2016/10/13
- 新書 : 240ページ
本書は、元LINE社長の森川亮さんが、自身の経験をもとに「人生を後悔しないためには起業するべきだ」と説く本です。
ただし、安易に起業を勧めているわけではありません。
誰でも簡単に起業できるわけじゃないと、現実の厳しさをとことん突きつけてきます。
「起業したい」とぼんやり考えている人にとっては、その甘い考えをバッサリと切り捨てるような、ある意味で非常にタメになる内容と言えるでしょう。
正直な感想:とことんヘコまされた、ボクの心がボコボコになった理由
ここからは、実際にこの本を読んでボクが感じた、正直な感想をお伝えします。
結論から言うと、この本は、世を忍ぶ仮の姿で中小企業のサラリーマンをしている今年53歳のボクの心をボコボコにしました。
なぜなら、あまりにも厳しい現実が書かれていたからです。
たとえば、著者は「10年働けば誰でも出世できる」というようなことを書いています。
でもボクは、20年以上働いているのに未だにヒラ社員です。
この本が言う「誰でも」に、自分が含まれていない悲しさは、同じような境遇の人じゃないとなかなか理解してもらえないかもしれません。
自分が普通以下であることを突きつけられ、吐きそうになるくらいヘコみました。
さらに、最初のほうで「48歳で起業したから年齢じゃない」とフリがあるにもかかわらず、「勢いで起業して失敗しても、若いうちなら意味がある」と書いてあるんです。
もちろん、若いほうが有利なのはわかります。
でも、人生に希望をくれる本かと思いきや、ガツンとトドメを刺された気分でした。
読み始めて早々に、ボクの心は粉々に砕かれましたね。
大企業しか会社じゃない?中小企業をバカにしているように感じた理由
さらに読んでいくと、著者はまるで大企業でしか働いたことがない人のように感じられました。
「中小企業で働いている人間に起業なんて無理」と言われているような気分になり、ガッツリ中小企業で働いているボクは、めまいがしました。
卑屈になりすぎているのかもしれませんが、「中小企業に就職したやつは、一生後悔して生きろ」と言われているような気さえしてきました。
この本のタイトルは『我慢をやめてみる 人生を取り戻す「起業」のすすめ』です。
それなのに、もう少し希望があっても良いんじゃないか?とボクは思ってしまいました。
単なる意地悪にしか思えませんでしたが、日本にある会社のほとんどは中小企業です。
そう考えると、この本の内容は、著者自身が意図していなくても、日本の多くの働く大人たちを傷つけてしまう可能性を秘めているのではないでしょうか。
英語ばかり、アメリカばかり…共感できなかった理由
この本を読んだあと、ボクはユニクロの柳井正さんの本を読んでみました。
同じような起業や経営の話が書かれていますが、柳井さんの本はとてもわかりやすかったんです。
一方、森川さんのこの本は、やたらと横文字や専門用語が連発されていて、とても読みにくく感じました。まるで、「この横文字の意味がわからないバカは、この本を読むな」と言われているようです。
もしかして、日本語ではうまく表現できないから横文字ばかりを使っているのではないか?と疑い始めたほどでした。
柳井さんが「日本の会社を世界で通用させる」という気迫を感じさせたのに対し、森川さんの本からは「アメリカでは」「アメリカでは」と、日本で働いている人間をバカにしているように感じてしまったんです。
もしそんなにアメリカが良いのなら、全部英語で書けばよかったのに。
そうすればボクは読まずに済んだのに…なんて思ってしまいました。
他の起業本と比較してわかったこと
ここまで厳しい感想を書いてきましたが、この本は読む人を選びます。
ボクは過去に、川田利明さんの『開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学』と、
成毛眞さんの『会社のつくり方 成毛流「起業心得」』も読みました。
川田さんの本は、プロレスラーという異色の経歴から、失敗談や泥臭い経験をもとに起業の現実を語ってくれるので、ボクのようなサラリーマンでも共感できる部分が多かったです。
成毛さんの本は、起業を具体的に考える人に向けた教科書のような内容で、すぐに実践できるアイデアが豊富に詰まっていました。
それらに比べると、森川さんの『我慢をやめてみる』は、すでに成功している人や、高いレベルで競争してきた経験がある人に向けたメッセージが強いように感じます。
なので、起業をぼんやりと考えている人や、ボクのような普通のサラリーマンが読むと、厳しい現実を突きつけられて、心が折れてしまうかもしれません。
この本を読んだ人へ:それでも希望はある
大半を嫌な気持ちで読んでしまったこの本ですが、唯一共感できた考えがあります。
「日本を元気にするには、多くの人が起業することである」という考えです。
ボクを含む多くのサラリーマンは、会社から与えられた仕事をこなすことに全力を注ぎます。
一方で起業すれば、自分で考えて行動し、決断を下さなければなりません。
この「自分で決める」という活気が、社会全体を元気にするんだと思います。
起業は決して生易しいものではありませんが、そこに挑む姿勢こそが、活気と希望を生むのでしょう。
まとめ:『我慢をやめてみる』はどんな人におすすめ?
この本は、タイトルと中身がいまいちリンクしていないように感じましたが、書かれている内容自体は間違っていません。
だからこそ、起業しようかな〜とぼんやり考えている人に、まず読んでみてほしい一冊です。
この本を読んで心が折れずに「よし、やってやる!」と火がつくようなら、あなたはきっと起業に向いています。
逆にボクのように「読んで後悔した」と感じたとしても、それは決して無駄な経験ではありません。
この本が、自分自身の生き方や仕事について、真剣に考えるきっかけをくれたからです。
それではまた。
ありがとう!
