元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回ご紹介いたします本は、野口悠紀雄さんがお書きになりました時間の使い方の本です。
続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法
タイムマネジメントに関する本というと、仕事に追われ、毎日残業で忙殺されているビジネスパーソンが手に取るもの、というイメージがあるかもしれません。
でも、ボクは今、正直に言って「ぜんぜん忙しくない」んです。
むしろ、困っているのは「やることがなさすぎて時間を持て余している」こと。
何をして過ごそうかとぼんやりする時間が長く、ついついスマホのゲームに熱中したり、何の生産性もないテレビ番組を惰性で眺めたりして、貴重な時間を無駄にしているのです。
もちろん、やるべきことは山積みになっています。
ブログを書くこと、読書をすること、資格の勉強をすることなど、自分の将来につながる大切なタスクがあるのに、「まあ、今すぐやらなくても誰にも怒られないし」と先延ばしにしてしまいます。
そして、いざ時間ができたときには、肝心な「やるべきこと」を思い出せず、結局また時間を捨ててしまう悪循環です。
このように時間を持て余している人間こそ、時間の使い方を根本から見直すべきではないでしょうか。
時間を「捨てる」のではなく「生かす」方法を学びたい。
そう思い立ったとき、以前から気になっていた野口悠紀雄さんの『「超」整理法』シリーズの中から、今回はタイムマネジメントに焦点を当てた本書を選んでみた、というのが選書の理由です。
本書の基本データと著者・野口悠紀雄氏のキャリア
まずは、この本がどのような背景を持つものなのか、基本情報と著者についてご紹介します。
書籍データ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 書名 | 続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 |
| 著者 | 野口悠紀雄 |
| 出版社 | 中央公論社(現・中央公論新社) |
| シリーズ | 中公新書 1222 |
| 発行日 | 1995年1月25日 |
| ページ数 | 280ページ |
| ISBN | 978-4121012227 |
著者・野口悠紀雄氏の偉大なキャリア
著者の野口悠紀雄さんは、1940年東京生まれ。
東京大学工学部を卒業後、大蔵省(現・財務省)に入省し、キャリアをスタートさせています。
その後、エール大学で経済学博士号を取得され、学問の世界へ。
一橋大学教授、東京大学先端経済工学研究センター長、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任されました。
現在は早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授として、第一線で活躍されています。
専門はファイナンス理論と日本経済論で、『情報の経済理論』や『バブルの経済学』、そして時代を先取りした『ブロックチェーン革命』など、多くのベストセラーを世に送り出しています。
日経経済図書文化賞やサントリー学芸賞など、受賞歴も豊富です。
官僚として実務に携わり、学者として理論を追究し、作家として社会へ提言し続けるという、多岐にわたるキャリアは野口氏ならではの強みです。
ボクが本書を出版年を確認せずに購入してしまったのも、「野口さんの本なら、きっと普遍的な価値があるに違いない」という信頼感があったからです。
読んで気づいた時代の進化とタイムマネジメントの普遍性
本書は主に、仕事における時間の使い方、そして同じ仕事でも時間をかけずに効率的に成果を上げるためのノウハウについて書かれています。
忙しいビジネスパーソンが、限られた時間で最大の成果を出すための視点が詰まった一冊です。
発行年「1995年」から学ぶ、テクノロジー進化のスピード
本書を読んでまず驚かされたのは、その発行年が1995年だったという事実です。
これは、スマートフォンもクラウドサービスも、そしてAIもない時代のタイムマネジメント論です。
本の中には、現代ではすでに「古くなった」と感じる具体的なツールやシステムに関する記述も散見されます。
ボクはいつもハウツー本を買う際、必ず出版時期を確認するようにしているのですが、今回は野口悠紀雄氏という権威に油断して確認を怠ってしまいました。
結果、時代の進化をダイレクトに感じることができたのは、ある意味、貴重な経験だったと言えます。
しかし、これは決してネガティブな発見ではありません。
むしろ、本書が古くなったということは、タイムマネジメントというテーマが、人々の関心事であり続け、多くの人がより良い方法を求め続けた結果、ノウハウが劇的に進化してきた証拠なのです。
この気づきは、ボクにとって大きな収穫でした。
組織で起こりがちな「時間をかけることが美徳」という風潮
この本で野口氏は、いかに時間をかけずに、効率よく仕事を処理し、時間を「作る」ことが重要かを説いています。
ボクが世を忍ぶ仮の姿で勤めている会社でも見られる困った風潮があるのですが、世の中には「時間をたっぷりかけて、苦労して仕事をすること」こそが素晴らしい、という考え方が根強く残っています。
極端な話、同じクオリティの仕事であれば、早く片付けられる人のほうが優秀であるのは明白です。
にもかかわらず、長時間残業をしたり、たっぷり汗をかいたりしている人のほうが、なぜか評価されやすいのです。
時間をかけることで仕事の充実感を得ている人からすれば、「さっさと片付けたら、旨いビールが飲める時間が減るじゃないか」という心理もあるのかもしれません。
効率化が招く「悪循環」と優秀な人の流出
ここで発生するのが、効率化の悪循環です。
- 効率的な人:早く仕事を片付け、空いた時間で、時間がかかる人が処理できなかった仕事まで肩代わりさせられます。結果、さらに忙しくなり、タイムマネジメント本を読み、さらに効率化を進めます。
- 時間をかける人:自分のやり方に固執し、時間をたっぷり使うことで充足感を得て、成果が変わらないまま組織に留まり続けます。
そして、タイムマネジメントを極め、たっぷりと自分の時間を確保できるようになった優秀な人たちは、その時間を独立のための勉強に充て、最終的には会社を去っていきます。
ボクの会社でも、まさに優秀な人から順に退社していくという現実があります。
組織には、大きな成果は挙げないが、会社を傾かせるほどの失敗もしない「ほどほど」の人材ばかりが残ります。
彼らは同じことを同じように何十年も続けることを最適と考え、効率化を図ろうとする若者を批判したりすることもあります。
そうこうしているうちに市場は緩やかに縮小し、需要は変化します。
そして、変化に気づいたときにはもう手遅れになっている、というのが多くの組織が抱える課題ではないでしょうか。
タイパ重視時代に考える、理想の働き方と時間の使い方
最近は、費用対効果を表す「コスパ」だけでなく、「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が広く浸透しています。
これは、生活や仕事のためにやらねばならないことは、なるべく短い時間で終わらせて、残りの時間を自分の幸せややりたいことに割きたい、という現代人の意識の表れでしょう。
仕事の中には、必ずしも自分のやりたいことではないものが含まれている。
だからこそ、効率を求める。
ボク自身も、正直なところ「食うていくためだけ」に今の仕事をしています。
もし、お金を多く稼げなくても、自分が「やってて楽しい、面白い、嬉しい」と思えることが仕事だったらどうでしょう。
きっと、タイムマネジメントを意識せずとも、夢中で取り組むため自然とタイパは良くなるはずです。
現状がそうでないことに少し悲しさを感じますが、だからこそ、この本を読んで時間の使い方を真剣に見直す必要があると改めて感じたのです。
テクノロジーの進化と「時間を創る」意識
ボクたちの日常は、気がつかない間にテクノロジーの進化によって時短が進んでいます。
AIの活用、クラウドでの情報共有、あらゆるタスクの自動化。これは、工夫次第でボクたちは何でもできるほどの「時間」を創り出せる、ということなのです。
この本が書かれた1995年から約30年が経ち、タイムマネジメントの手法は劇的に進化しました。
しかし、「時間を大切にする」「時間を意識的に創り出す」という根本的な考え方は、いつの時代も変わらない普遍的な真理です。
野口氏のことですから、現在のテクノロジーや社会状況にフィットする、さらなる新しいタイムマネジメント術を開発されているかもしれません。
この本をきっかけに、タイムマネジメントという分野が常に進化していることを実感できたのは大きな収穫です。
次は、野口さんの最新の著作や、現代のテクノロジーに対応した時間術の本を探して読んでみようと思っています。
まとめ:30年前の教えから学ぶ「時間は作るもの」という普遍的な真理
野口悠紀雄著『続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法』は、1995年発行という古さはあるものの、現代の私たちにとっても示唆に富んだ一冊でした。
本書が古くなった事実は、タイムマネジメントというテーマが、常に多くの人にとって大切であり続け、ノウハウが進化し続けてきたことの確かな証拠です。
時間を大切にし、効率よく仕事を進めて成果を挙げることは、組織で長く働き続けるためにも、そして何よりも自分の人生を豊かにするためにも欠かせません。
忙しさに追われている人も、そしてボクのように時間を持て余している人も、タイムマネジメントを学ぶことで、必ず現状を変えるきっかけを得られます。
時間は誰にでも平等に与えられているようで、使い方次第で生み出す価値は全く違うのです。
この本をきっかけに、あなたも時間の使い方をゼロベースで見直してみませんか?もっと効率的に、もっと自分らしく時間を使えるようになれば、仕事もプライベートも充実したものになるはずです。
時間を「作る」という意識を持って、今日から新しい一歩を踏み出してみましょう。
それではまた。
ありがとう!