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【読書感想文】『小説 仮面ライダー響鬼』レビュー|これは響鬼じゃない…変身忍者嵐だ!購入を後悔した理由

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回読ご紹介いたします本は『仮面ライダー響鬼』の脚本を書いておられたきだつよしさんの書かれた小説版の『仮面ライダー響鬼』です。

小説 仮面ライダー響鬼

ボクは普段、あまり小説を熱心に読むタイプではありません。

ですが、数ある仮面ライダーシリーズの中で一番好きな『仮面ライダー響鬼』が小説になると聞いたら、話は別です。

これは読まずにはいられません。

ただ、購入するまでには少し悩みがありました。

『仮面ライダー響鬼』という作品は、ファンならご存知の通り、第29話を境に物語の雰囲気がガラリと変わってしまったからです。

ボクが好きだったのは、間違いなく前半の『響鬼』

この小説は、ボクが愛したあの『響鬼』の世界を描いてくれているのか?

それとも…。大きな期待と一抹の不安を抱えながら、ボクはこの本を手に取ったのです。

『小説 仮面ライダー響鬼』の概要

この小説は、2013年に講談社から発売された「仮面ライダーシリーズ」の小説化プロジェクトの一環です。

著者は、テレビシリーズ前半(第29話まで)のメインライターを務めた、きだつよしさん。

物語の舞台は江戸時代。

若きヒビキが、幕府に仇なす血車党を追う中で、同じく党を追う「変身忍者 嵐」と出会い、共に戦う…というクロスオーバー作品になっています。

テレビ版とは異なる時代設定と、石ノ森章太郎先生の別作品のキャラクターが登場するのが大きな特徴です。

なぜ悩んだのか?前期ファンが抱く複雑な思い

なぜボクが購入をためらったのか。

それは、この小説のあらすじが、どうしてもテレビシリーズの第30話以降の「後期」の雰囲気に感じられたからです。

後期がダメだったというわけではありません。

制作体制が変わり、路線変更せざるを得なかった事情もあったでしょう。

ですが、少年が鬼という大人と出会い、交流を通して成長していく姿や、日本の美しい四季を背景に描かれる丁寧なドラマが好きだったボクにとって、後期の作風はどうしても受け入れがたいものがありました。

一方で、この小説を書いたのは、前期の脚本を担当したきだつよしさんです。

「もしかしたら、ボクの好きな前期の世界観で物語を紡いでくれるかもしれない」という淡い希望もありました。

きださん自身は過去にブログで『響鬼』の仕事について「プロデューサーの意向を清書するだけで、あまり楽しい思い出ではない」と語っていたことも知り、さらに複雑な気持ちになりましたが…最終的には「やっぱり読みたい」という気持ちが勝ちました。

これはボクの知っている『響鬼』ではなかった

結論から言うと、この物語はボクが懸念していた通り、後期の世界観…いや、それとも全く異なる「別の物語」でした。

まず、舞台が江戸時代なので、仮面「ライダー」の象徴であるバイクに一切乗りません。

まあ、テレビ版のヒビキさんもバイクの運転は苦手で、車移動がほとんどでしたが、せめて馬くらいには乗るのかな?と思いきや、それもありませんでした。

そして、『響鬼』の戦闘で最もカタルシスを感じる「魔化魍(まかもう)の上に乗って、清めの音を打ち鳴らす」というライダーキック的な攻撃描写もないのです。

敵の上に乗るから「ライダー」なのだ、というアイデンティティさえも、この小説からは感じられませんでした。

タイトルこそ『仮面ライダー響鬼』ですが、中身は全くの別物。

小説として純粋に面白ければまだ救われたのですが、残念ながら物語に大きな盛り上がりはなく、淡々と進んで収束してしまいました。

正直に言って、テレビの後期を観たとき以上のガッカリ感でした。

なぜ楽しめなかったのか?『変身忍者 嵐』がメインすぎた

この小説にボクが没入できなかった最大の理由は、『響鬼』ではなく、ほぼ『変身忍者 嵐』の物語だったからです。

ボクは『変身忍者 嵐』という作品をほとんど知りませんでした。

もちろん、最低限の説明はありますが、物語の中心は明らかに「嵐」とその周辺人物たち。

ヒビキさんは主人公でありながら、どこかゲストキャラクターのような印象を受けました。

鬼たちの組織である「猛士(たけし)」も出てこなければ、ボクたちが知っているヒビキさんの戦い方でもない。

これでは、わざわざ『響鬼』として出版する必要があったのでしょうか。

申し訳ない言い方ですが、魔化魍や吉野といった『響鬼』の要素は、『変身忍者 嵐』の物語に無理やりねじ込むための装置のようにしか感じられませんでした。

これなら、いっそ『変身忍者 嵐』の単独小説として出版した方が、「嵐」ファンは素直に楽しめたのではないでしょうか。

この小説はどんな人にオススメできる?

ここまで批判的な感想を述べてきましたが、あくまでこれは「テレビ版前期のファンであるボク個人の感想」です。

では、どんな人ならこの小説を楽しめる可能性があるのでしょうか。

  • 『変身忍者 嵐』のファンで、『響鬼』とのクロスオーバーに興味がある方
  • テレビ版とは全く別のパラレルワールドとして割り切って読める方
  • 時代劇風のヒーロー活劇が好きな方

逆に、以下のような方には、正直オススメできません。

  • テレビ版前期(29話まで)の世界観や雰囲気を求めている方
  • ヒビキさんと明日夢くんの師弟関係の物語が好きな方
  • 『響鬼』ならではの戦闘スタイルや設定が好きな方

ご購入はこちらから

まとめ:小説は残念だった。でも『響鬼』への愛は変わらない

小説の感想から、最後は『響鬼』への愚痴になってしまいそうです。

すみません。

この小説は、ボクにとって残念な一冊でした。

しかし、それは裏を返せば、ボクがそれだけテレビシリーズの『仮面ライダー響鬼』という作品を愛しているからなのだと、改めて気づかされました。

いつか、本当にボクたちが観たかった『響鬼』(前半の29話まで)の続きを、映像で観られる日が来ることを願ってやみません。

キャストが変わってもいい。明日夢くんが響鬼を継ぐ物語でも、関東以外の鬼の物語でもいい。

あの丁寧で、美しくて、少し切ない世界観を、もう一度見せてほしいのです。

いろいろと難しい事情はあるのでしょうが、いつか夢が叶うことを信じています。

それではまた。

ありがとう!

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