元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
プロレスファンなら誰もが心を揺さぶられるUWFの崩壊。
その内幕に迫る『証言UWF 完全崩壊の真実』は、関係者たちの生々しい証言で構成されたインタビュー集です。
証言UWF 完全崩壊の真実
ボクは一気に読み終えてしまいました。
なぜなら、読んでいるというよりも”聞いている”ような感覚になれるからです。
冒頭の「はじめに」を読んだ瞬間、プロレス全盛期の熱狂がよみがえりました。
書いているのはおなじみのターザン山本さん。
そのロマンチックで情熱的な文体に、思わず引き込まれてしまいました。
週刊プロレスを夢中で読んでいた青春時代がふわっと脳裏に蘇ります。
今回は特に印象に残った3人の証言を取り上げてご紹介します。
鈴木健さんの証言|交渉の舞台裏とキングダムの謎
この本でまず目を引いたのが、鈴木健さんの証言です。
ボクが強く惹かれたのは、あの「1億円トーナメント」の裏話が語られていたからです。
番組『有田と週刊プロレスと』で取り上げられて以降、この話に興味を持っていたボクにとっては大興奮の内容でした。
鈴木さんは高田延彦さんと今でも良好な関係を保っているそうで、意外にも批判的な内容はありませんでした。
その中でも新日本プロレスとのギャラ交渉でのエピソードはとても印象的です。大企業と中小企業のような構図が、まるでドラマ『下町ロケット』のようでした。
あのとき、もっと高田選手が大物と一騎打ちする試合が観たかったなと、あらためて思いました。
さらに驚いたのは、ターザン山本さんを交渉の場で殴ったという話。
なぜそうなったのかは本を読んでのお楽しみですが、まさにUWFならではの熱気と混沌が伝わってきました。
また、NOAHの丸藤正道選手がキングダムの入門テストに合格していたという事実には、心底驚かされました。
大仁田厚さんの証言|対極から語るUWF
まさかこの人が──と驚いたのが、大仁田厚さんの登場です。
UWFとは真逆の場所にいたFMWの創始者が、UWFについて語るのですから、プロレスファンとしてはたまりません。
正直、感情論ばかりかと思っていたら、これが意外にも理論的。
プロレス界で長く第一線を張ってきた人は、やはり只者ではありません。
時代やファンのニーズを鋭く捉えた戦略的な発言の数々に、「バカじゃトップは取れない」と納得させられました。
引退と復帰を繰り返す姿には正直ウンザリしていた部分もありましたが、見方が少し変わりました。
高田延彦さんの証言|沈黙を破るUWF論
そして、この本のメインイベントとも言えるのが高田延彦さんの証言です。
前田日明さんに対して厳しい言葉を投げられてきた高田さんが、ついに沈黙を破ります。
ボク自身も、これまで声の大きい前田さん側の意見に影響されて、高田さんを否定的に見ていたところがありました。
でも今回、高田さんの話を読んで、まったく印象が変わりました。
前田さんへの悪口は一切なく、自分自身への反省も含んだ、冷静で誠実な証言でした。
船木誠勝選手との試合についての裏話も興味深いものでした。
あの掌底のシーンが実は演出だったと知ったときには、心底驚きました。
そして試合の最後がまさかのキャメルクラッチだったことも、UWFらしからぬ選択にボクは少し怒りさえ覚えた記憶があります。
読後の感想|過去と向き合う時間として
読了後、前田さんも高田さんも嫌いにならずに済んだのは、この本の魅力です。
それぞれの立場で見える景色が違うだけで、真実は一つじゃないということを改めて教えられました。
人間関係にも通じる話ですよね。
ただ──最後までどうしても田村潔司選手だけは好きになれませんでした。
それではまた。
ありがとう!
