元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回は、どうしても読まずにはいられなかった一冊、『さよならムーンサルトプレス 武藤敬司 35年の全記録』(福留崇広著)について感想を書きます。
さよならムーンサルトプレス 武藤敬司 35年の全記録
武藤敬司選手はプロレス界で「天才」と呼ばれますが、この本を読むとその呼び名がどれだけ妥当か、いやむしろ「天才」という言葉は彼だけのものだと強く感じます。
これほどの才能を持つ選手は、今後なかなか現れないでしょう。
そんな選手の試合をリアルタイムでたくさん観られたボクは、本当にラッキーだったと思います。
ムーンサルトプレスの誤解が解けた
この本で特に驚いたのは、「ムーンサルトプレス」に関する誤解や混乱が一気に解けたことです。
名前の由来や技の形、そして元祖の存在まで、ボクの中でずっとモヤモヤしていたことがすっきりしました。
まず、技名について。
今では選手が自分の技に名前をつけたり、新日本プロレスが正式発表したりしますが、当時は実況アナウンサーやスポーツ紙に命名していたそうです。
実は「ムーンサルトプレス」という名前は月刊ゴングの記者がつけたもので、初代タイガーマスクの技は「ラウンディング・ボディプレス」と呼ばれていたのです。
さらにボクは「ラウンディング・ボディプレス」と「ムーンサルトプレス」を別の技だと認識していましたが、実際には同じ技で、高く飛ぶか速く飛ぶかの違いだけというのが正解のようです。
ムーンサルトプレスの元祖はジョージ高野だった
ボクは長年、ムーンサルトプレスの元祖は初代タイガーマスクだと思い込んでいました。
しかし本書によると、日本での元祖はジョージ高野選手とのこと。
初代タイガーマスクよりも前に使っていたというのは衝撃でした。
彼が「ザ・コブラ」になる前に技を使っていたことはあまり知られていないでしょう。
プロレスの歴史はまだまだ知らないことが多いと改めて感じました。
ムーンサルトプレスのバック転が持つ意味
武藤選手の代名詞である「バック転ムーンサルトプレス」は、実は初代タイガーマスクこと佐山聡選手がやらなかった理由も明らかに。
佐山選手は真後ろに飛ぶと膝を強打するリスクがあるため、旋回式にしていたのです。
武藤選手はあえて膝を犠牲にして、映えるバック転を選んだのです。
ファンとしては感謝しかありませんが、その代償は大きく、武藤選手の膝は長年のダメージを受けてしまいました。
武藤敬司とストロングスタイルの真実
この本ではストロングスタイルの本質についても触れられています。
格闘技経験者である武藤選手は、いわゆるガチンコの強さには興味がなかったそうです。
猪木さんや藤原喜明選手とのスパーリングでも、極められたことがないと言います。
これを聞いて、ボクはストロングスタイルとは単に強さを誇示するものではなく、武藤選手のように巧みに戦う「真の強さ」を意味するのではないかと考えました。
プロレスを「プロレス」として楽しめる時代が来た
武藤選手が新日本プロレスのエースだった時代、ボクは初めて純粋にプロレスを楽しめるようになりました。
それまでは総合格闘技とプロレスの境界が曖昧で、プロレスが八百長だと言われることも多かったのです。
でも、武藤選手の試合はそんなことを超越していました。
結果が決まっていようといまいと、試合が面白ければいい。
ボクにとってそれがすべてでした。
武藤選手がエースであったおかげで、プロレスはプロレスとして楽しめるようになり、ファンの立場からもその魅力が再確認できました。
プロレスの楽しさを確認できるプロレスファン必読の一冊となっております。
武藤選手を知っている方も、武藤選手を歴史の一部としてしか知らない方もぜひ読んでいただきたいです。
それではまた。
ありがとう!
