元気ですか〜?!
どうも、ろけねおです。
今回読みました本は成毛眞さんの『会社のつくり方 成毛流「起業心笑」』です。
会社のつくり方 成毛流「起業心得」
成毛さんの本はこれまでにいくつか読んでいます。
正直に言えば、過去の本を読んだときは「当たりが強いな」という印象を受けることが多く、読んでいて少し気が滅入ることもありました。
まるで先生に叱られているような感覚を覚えたのです。
ところが、『会社のつくり方 成毛流「起業心得」』は全く違いました。
驚くほどトーンが柔らかく、これまでの印象が嘘のように「優しい成毛眞」がそこにいました。
同じ著者が書いているとは思えないほどで、読み進めるうちに穏やかな気持ちにさせてくれるのです。
目次から見える成毛流の切り口
本書の目次を眺めると、一般的な起業本とは少し違う独自のアプローチを感じます。
- 社長とは何かを考えておく
- 失敗したときの心構え
- 二〇代で会社をつくる
- 三〇代で会社をつくる
- 四〇代で会社をつくる
- 五〇代以上で会社をつくる
- 事業計画をつくる
- 会社設立の準備をする
- 社員を雇う
- 資金を調達する
- 辞表を提出する
- 会社の初日
- マーケティングは二日目から
- 最初の一カ月
- 最初の一年
- 創業して一年後
パラパラと見ていてまず気になったのは、「会社のたたみ方」というテーマが冒頭に登場する点です。
起業本にして「会社のたたみ方」から始まる理由
「どうやって会社って作るんだろう?」と期待しながら読み進めると、いきなり「会社のたたみ方」が出てくる。
これはなかなか珍しい構成です。
ボクもこれまで起業関連の本をいくつか手に取ったことがありますが、最初の方で「会社の終わらせ方」を語る本には出会ったことがありませんでした。
普通は、夢や希望を膨らませるような成功のイメージから始まるものです。
成毛さんの本では逆です。
失敗を前提にしながら、その上でどう立ち上がり、また挑戦するのかを考えさせられます。
「最初の起業からうまくいくわけがない」
この現実をはっきり突きつけるところに、成毛流のリアリズムが表れているのだと思いました。
希望を抱かせるよりも、冷静にリスクを受け止めさせるスタイル。
確かに厳しいですが、ある意味では誠実でもあります。
「会社のつくり方」より「会社をつくった直後の動き方」
本書を半分ほど読み進めると、話題は「会社を設立したあとの動き方」へとシフトしていきます。
- 会社設立の準備
- 社員の雇用
- 資金調達
- マーケティングの開始
- 創業一年目をどう乗り越えるか
こうしたテーマは、実際に会社を作った人にとっては非常に役立つ具体的なアドバイスです。
ただ、まだ会社を作ったことのないボクにとっては少しつらい部分でもありました。
タイトルが『会社のつくり方』となっているので、「起業アイデアはどこから生まれるのか」といった内容を期待していたのですが、実際には「すでにアイデアがある人が、会社設立後にどう行動するべきか」という視点で書かれているのです。
つまり、この本は「会社のつくり方」というよりも「会社をつくった直後の動き方」と言う方が正確かもしれません。
アイデアがある人向けの実践マニュアル
起業を考えるとき、多くの人は「何をやれば成功するのか」「アイデアはどこから来るのか」を知りたいと感じるはずです。
ところが、この本ではアイデアの出し方についてはほとんど触れられていません。
代わりに、「起業のアイデアはもうある前提」で、その後の具体的な行動手順が示されます。
- まずは辞表を提出して独立する覚悟を固める
- 会社の初日からどう動くか
- マーケティングは二日目から始めるべき理由
- 最初の一年をどうやって生き延びるか
ここまで細かい行動の流れを描いた起業本は珍しく、すでに動き出している人にとっては非常に実用的です。
ボク自身はまだ起業をしていませんが、「そうか、ここまで準備しなければ起業はできないんだな」と痛感しました。
正直、起業はもっと勢いと情熱でなんとかなるものだと思っていましたが、この本を読むと「そんなに甘いものではない」と身にしみてわかります。
起業を夢見る人へのメッセージ
成毛さんが繰り返し伝えているのは、失敗を恐れずに挑戦すること、そして失敗したら潔く畳む覚悟を持つことです。
「起業は一発勝負ではない」
「たたむこともまた、経営者のスキルの一部である」
こうした言葉は、希望的観測だけで突っ走ろうとする人には冷たく感じられるかもしれません。
でも実際に会社を興し、維持していくためには欠かせない考え方だと思いました。
まとめ:『会社のつくり方』は起業直後のリアル指南書
読み終えて感じたのは、この本は「起業前に夢を広げたい人向け」ではなく、「すでにアイデアがあって、会社設立の準備を始めようとしている人向け」の一冊だということです。
ボクのようにまだ起業していない立場から読むと少し肩透かしを食らった気もしますが、それでも「起業とはここまで現実的な段取りを踏む必要があるのか」と学べたのは大きな収穫でした。
成毛眞さんがあえて「会社のたたみ方」から説き起こしたのは、希望的な未来ではなく「現実の起業」を描くため。
その冷静さがかえって信頼できる一冊になっていると思います。
それではまた。
ありがとう!
