元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回ご紹介いたします本は、フリーランスの文筆家である奥野宣之さんの本です。
情報は1冊のノートにまとめなさい
いつからか、ボクは自分の記憶力に自信がなくなってしまいました。
大切な約束や、せっかく思いついたアイデアを忘れてしまうのが怖くて、なるべく記憶に頼らずメモに残すことを徹底しています。
そして、そのメモをノートに転記する作業も日課になっています。
だからこそ、「ノートをどう使うか」というのは、ボクにとって常に関心の高いテーマなのです。
仕事のこと、プライベートの予定、ふと読んだ本の感想、頭をよぎったアイデア……。
日々、本当にたくさんの情報が頭の中を通り過ぎていきます。
でも、それらをただ流してしまうのは、あまりにもったいない。
何か良い情報管理の方法はないかと探していたときに出会ったのが、奥野宣之さんの『情報は1冊のノートにまとめなさい』という本でした。
このタイトルを見た瞬間、「これこそボクが求めていた内容だ」と直感し、すぐに購入を決めました。
ノート術に関する本は世の中にたくさんありますが、この本は特に実践的で、誰でもすぐに始められる方法が書かれているということで、期待が非常に高まりました。
『情報は1冊のノートにまとめなさい』が示す「ライフログ」の神髄
この本は、2010年11月にダイヤモンド社から出版された、240ページの単行本です。
著者の奥野宣之さんは、出版社や新聞社を経て著作活動をされている方。
本書は「100円ノート整理術」シリーズの第3弾にあたり、デビュー作である第1作は50万人もの読者に支持された実績があります。
本書のテーマは、キャンパスノート、モレスキン、ほぼ日手帳、トラベラーズノートなど、特定のノートや手帳に縛られない「ライフログ」の記録法です。
デジタルでの記録が主流になりつつある現代ですが、それでも「記録すること自体が面倒」「手軽さに欠ける」と感じる場面は少なくありません。
そこで本書では、誰でも今すぐ始められるアナログのノートを使って、人生のすべてを記録する簡単なライフログの方法を紹介しています。
これは、単なる予定を書く手帳術や、一日を振り返る日記の書き方とは異なります。
最大の特徴は、「行動の即時記録」をベースにしている点です。
著者自身も大学在学中からライフログノートを作り始め、仕事だけでなく家庭生活や趣味、旅行、読書など、あらゆる場面での体験を糧にしてきたそうです。
その経験から、「人生を楽しむ方法」としてノートを使った記録法を提唱しています。
記憶に頼らない「外部記憶装置」という考え方
この本を読んで、ボクが最も強く印象に残ったのは、「ノートを外部記憶装置として使う」という考え方です。
ボクたちは日々、膨大な量の情報に触れています。
しかし、ただ読むだけ、ただ聞くだけでは、その情報は一瞬だけ脳を通り過ぎ、あっという間に消えていってしまいます。
それでは、せっかく得た情報も活かすことができません。
本から得た情報を、どう自分なりに解釈し、こねくり回して活用するか。
それが重要になってきます。
そして、情報を「こねくり回す」ためには、当然ですが「脳」を使うことになります。
ところが、もし「記憶すること」に脳のエネルギーの大半を使っていたとしたら、どうでしょうか。脳は上手に働かず、「考えること」に集中できなくなってしまいます。
だからこそ、記憶はノートに任せてしまい、脳は「考えること」だけに集中して使おうじゃないか。
これが、この本の中心的な提案なのです。
この考え方は、すごく理にかなっていると思いました。
ボクもメモを取る習慣はありましたが、それはあくまで「忘れないため」という守りの姿勢でした。
しかしこの本を読み、
「ああ、この方向性で間違っていなかったんだ」
「むしろ、もっと積極的にノートに頼っていいんだ」
と確信できたことが、何より大きな収穫でした。
ライフログによって作られる世界でただ一つの「自分本」は、まさに「人生の航海日誌」となります。
そこには、学びや感情の変化だけでなく、自分でも気づいていなかった隠された自分のテーマも秘められています。
ライフログノートは、いわば「自分の攻略本」でもあり、過去の自分との対話を可能にする「世界一刺激的な本」でもあるのです。
借り物の思想から脱却し、自分の頭で考え、自分の言葉で語れるようになる。
そして、過去がノートとして「見える化」されることで、前進している自分を肯定でき、自信が育っていくという効果もあるそうです。
「忘れてもいい」安心感が脳を活性化させる
この本では、ノート術を実践する第一歩として、まずはこまめにメモを取ることを強く推奨しています。
成功した人々は、こういった地味な作業をコツコツと積み上げ、その膨大な記録の中から成功への道筋を探し出すものだ、と。
本当に地味な作業ですが、その積み重ねが大きな財産になるんですね。
ボクもなるべくメモをとってはいるものの、「本当にこの調子でいいのか」「もっと効率的な方法があるのではないか」という漠然とした不安が常にありました。
しかしこの本を読んで、その不安がかなり緩和されました。
「すべてをちっこいノートに書いていく、ただそれだけでいい」のです。
「すべてを書いてしまう」ことの真意は、「遠慮なく忘れても良いようにする」ためです。
「忘れてもいい」という絶対的な安心感があると、脳がリラックスして、本来の「考える」という力を最大限に発揮できるんですよね。
本書では、思いついたことをメモするだけに留まらず、新聞や雑誌の切り抜きを貼ったり、レシートを貼ったりすることも提案されています。まさに「人生のすべて」を記録するのです。
極意は「ゴチャゴチャ言わんととにかく書け」。
形式や美しさにこだわる必要は一切ありません。
思いついたら、すぐに書く。
この「即時性」が何よりも大事なのだと思います。
ボクはここまで何でもかんでも書いてはいませんでしたが、「もっと書いても大丈夫なんだ」と知り、少し安心しました。
むしろ、「もっと自由に、雑多に書いていいんだ」という許可をもらえた気分です。
体験は、誰にとっても大切なものです。どんな人でも、過去の体験の積み重ねの結果として「今の自分」があります。
しかし、「体験のしっぱなし」を繰り返していても、穴の開いた財布でお金が貯まらないのと同じで、体験も積み上がっていきません。
そのためには、ノートを使って過去を残し、体験を引き寄せながら「自分化」していくこと。
これが非常に大切なのです。
アナログとデジタルの融合:ノート術の「読み返し」技術
「メモをしまくった果てに、後で読み返した時にさっぱりわからない、となったらどうしよう?」
そう思うからこそ、ついキレイに書こうとしたり、ジャンル別にノートを分けたりしがちですよね。ボクもまさにそうでした。
でも、本書によれば、そんなコトに気を遣う必要は一切ない、とのこと。
「何でも良いからどんどん書いておきましょう」ということでした。
そして、書いたものをパソコン(デジタル)に取り込んで検索をかければ、後から情報を探すのも簡単である、と。
ただ、このデジタル連携の部分については、ボクにとって少し課題がありました。本書ではWindowsパソコンでの整理方法が紹介されていたのですが、ボクはMacを愛用しているため、そのまま同じ方法を試すことができなかったのです。
とはいえ、アナログ(手書き)とデジタル(検索)を組み合わせるという考え方自体は、非常に参考になります。
Mac用のツールを使えば、同様のことは必ず実現できるはずです。
この本質的な部分は、どんな環境でも活かせると感じました。
「ノートに書くと記憶しやすい」というのはよく言われることで、手を動かすことで脳が活性化するという研究結果もあります。
あれ? 記憶しないで良いようにノートを使うのに、手書きして記憶するとは、これいかに? と一瞬思いましたが、これは「副次的な効果」として考えればいいのかもしれません。
忘れるために書くけれど、結果として記憶に残りやすくなる、という感じですね。
本書では、もう一つ重要な指摘をしています。
ノート術がブームになり、ノートに「どう記録するか」に関心を持つ人は増えたものの、「読み返す」ことができている人はまだ少ない、という現実です。
体験を確実に自分のものにしていくには、ノートの「読み返し」が何より重要です。
そこで本書では、これまであまり語られなかった「読み返しの技術」に1章を割き、「マーキング」と「タイミング」の手法を中心に詳しく解説しています。
さらに巻末の付録では、記録・読み返しに役立つ23の補助ツール(文房具)も紹介されており、すぐにでも実践に移せる内容が満載です。
A6かA5か? 理想と現実の「ノートサイズ」問題
この本では、A6サイズのノートに知り得たことを書きまくっていく、という方法を推奨しています。
A6サイズといえば、文庫本とほぼ同じ大きさです。
「持ち運びに便利だから」という理由で推奨されているのですが、実はここがボクにとって一番の悩みどころでした。
読後にさっそくA6ノートを買いに行き、試してみました。
しかし、正直に言うと、ボクにはちょっと小さすぎて扱いづらかったのです。
理由は簡単で、メチャクチャ書きにくい。
リングノートならまだしも、綴じノートだと開いた状態を保持するのも一苦労です。
確かに持ち運びには便利なのですが、「書きにくい」と感じてしまうと、メモを取ること自体が億劫になってしまいます。
続けられなければ、元も子もありません。
そこでボクは、せめてA5サイズくらいにしたいと考えています。
A5ならA6の倍のスペースがありますし、カバンに入れて持ち運ぶにも十分な携帯性を確保できます。
でも、ここで不安になるのが、「本の推奨サイズと違っても、この方法をしっかり実行できるのだろうか」ということです。
著者の奥野さんがA6を推奨しているのには、きっと深い理由があるはずです。
小さいからこそカバンやポケットに入れっぱなしにできる「携帯性」や、スペースが狭いからこそ「気軽に書ける」というハードルの低さ、心理的な効果もあるのかもしれません。
ですが、その書きにくさを我慢してまでA6にこだわる必要があるのかどうか……。
これは非常に悩ましいところです。
結局のところ、どんな方法論であっても、大切なのは「続けられるかどうか」だと思うんです。
どんなに完璧な方法でも、三日坊主で終わってしまっては意味がありません。
だからボクは、まず「自分が続けやすい形」を見つけることを最優先に、自分に合ったサイズを選ぶことにしました。
A5で試してみて、それでも大きいと感じたらA6に戻せばいい。
逆に、もっと大きい方が書きやすければB5でもいいのかもしれません。
ノート術の本質は「記録を続けること」にあるのですから。
「完璧」より「継続」を。ボクがノート術で得た確信
『情報は1冊のノートにまとめなさい』を読んで、ボクのノート活用に対する考え方は大きく変わりました。
「完璧に整理しようとしなくていい」
「とにかく即時性をもって書くことが大事」
「記憶はノートに任せて、脳は考えることに使う」
これらのシンプルな原則が、メモ習慣への不安を抱えていたボクの背中を強く押してくれました。
ちなみに、この本を読んだあとに「完全版」が出ていることを知りました。
ボクが読んだのは初版だったのですが、完全版ではさらに内容が充実しているようです。
これから読む方は、ぜひ完全版を手に取ることをおすすめします。
より詳しく、より実践的な内容が追加されているはずですから、お得だと思います。
この本は、ボクのように記憶力に不安を感じている方、メモを取る習慣はあるけれど活かしきれていない方、日々あふれる情報を整理しきれないと感じている方に、特におすすめです。
難しい理論ではなく、今日からすぐに始められる実践的な方法が詰まっています。
ボクもこれから、まずは自分に合ったA5サイズのノートを使って、この本で学んだ方法を実践していこうと思います。
完璧を目指さず、まずは「続ける」こと。
そして記録をコツコツと積み重ねていくことで、きっと自分だけの「人生の航海日誌」ができあがるはずです。
あなたも、100円のノートから始めてみませんか?
特別な道具も、難しいスキルも必要ありません。
必要なのは、ペンとノート、そして「書いてみよう」という、ほんの少しの気持ちだけです。
人生を記録することで、過去の自分と対話し、未来の自分へのヒントを残していく。
そんな素敵な習慣を、一緒に始めてみましょう。
それではまた。
ありがとう!
