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【読書感想文】無理やりポジティブに疲れたあなたへ。和田裕美『新・陽転思考』が心を軽くする理由

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回ご紹介いたします本は、日本の著述家、講演者、営業コンサルタント、実業家。主として営業・コミュニケーションなどをテーマに執筆・講演を行い、自己啓発書・ビジネス書等を執筆している和田裕美さんの本でございます。

人生を好転させる「新・陽転思考」

毎日を過ごしていると、どうしても気持ちが落ち込んだり、物事がうまくいかなかったりすることってありますよね。

「今の状況が、今すぐ人生を好転させねばならないほど最悪!」というわけではないけれど、「もし、もっと良い方向に進めるなら、そのための考え方を知りたいな」と思っていました。

そんな時に本屋で出会ったのが、和田裕美さんの『人生を好転させる「新・陽転思考」』です。

ポジティブシンキングとはよく聞くけれど、「新」がつく「陽転思考」とは一体何が違うのか?

そんな興味から、この本を手に取った次第です。

和田裕美著『人生を好転させる「新・陽転思考」』とは?

まずは本書の基本的な情報からご紹介します。

  • 書籍名: 人生を好転させる「新・陽転思考」
  • 著者: 和田 裕美
  • 出版社: ポプラ社
  • 発売日: 2012/2/3
  • ページ数: 255ページ(文庫)

著者の和田裕美さんは、外資系教育会社で世界142カ国中2位の営業成績を収め、「営業の神様」とも呼ばれるすごい方です。

本書は、そんな和田さんが提唱する、毎日を明るく、前向きに生きるための思考法が詰まった一冊です。

無理やりじゃない!「新・陽転思考」とポジティブシンキングの違い

この本が伝えたいことを一言でいうと、「どんな出来事も『よかった』と思える側面と『悪かった』と思える側面がある。

だから、意識的に『よかった』を探す方を選んだ方が、これからの人生が楽しくなるよ」ということです。

これだけ聞くと、「何でもかんでも肯定的に捉えよう!」という、いわゆる”ポジティブシンキング”と同じに聞こえるかもしれません。

ボクも最初はそう思いました。

でも、読み進めていくうちに、その違いが明確になってきました。

ボクが考える一般的なポジティブシンキングは、心のどこかでネガティブな感情が芽生えていても、それに蓋をして無理やり「大丈夫、ポジティブだ!」と思い込もうとするところがあります。

でも、それって結構しんどいですよね。

一方で「新・陽転思考」は、ネガティブな感情を無視しません。

ネガティブな感情が生まれた事実をまず受け入れた上で、「それでも、この出来事の中に『よかった』と思える部分はないか?」と理由を探しにいく思考法なのです。

「よかった」を見つけるトレーニングでパニックを防ぐ

例えば、仕事で大きなミスをしてしまった時。

普通なら「最悪だ…」とパニックになってしまいますよね。

パニック状態のままだと、焦ってさらにミスを重ねてしまう…なんて悪循環に陥りがちです。

そんな時こそ「陽転思考」の出番です。

一度「うわ、ミスったな」という事実を受け止める。

その上で、「ちょっと待てよ」と立ち止まるんです。

「このミスのおかげで、自分の弱点に気づけたな」

「手順の甘さを思い知ったから、次はもっとうまくやれる」

「正直に報告したことで、逆に上司との信頼関係が深まったかもしれない」

こんな風に、不幸な出来事の中に隠れている「未来の自分に活かせる材料」を探し出すのです。

そして、ただパニックになるのと、「次に活かせる学びがあった」と捉えるのと、どちらが自分にとってプラスになるか、幸せを感じるかを天秤にかける。

当然、後者ですよね。

こうして、自分にとってプラスの側面を選ぶことで、不幸な出来事は「学びの機会」という幸せな出来事に変わります。

これが思考が陽の方向に転換する、つまり「陽転」です。

もちろん、いきなり大きな不幸を陽転させるのは難しいかもしれません。

だからこそ本書では、日常の小さな不満や不幸の中に「よかった」を見つけるトレーニングを推奨しています。

「電車が遅れたけど、おかげで読みたかった本が1章進んだ。よかった」

「雨に降られたけど、新しい傘をおろせてよかった」

日々の弛まぬ努力が自分を幸せにする。これは人生においてもプロレスにおいても同じなのです。

人間関係の悩みも陽転思考で乗り越えられる?

この陽転思考は、他人に対しても応用できます。

仕事をしていると、どうしても「この人、苦手だな…」と感じる相手と付き合わなければならない場面がありますよね。

そんな時も、「この人と付き合うことで、自分の成長につながる部分はないか?」と考えてみる。

例えば、相手の細かい指摘にイラっとしたら、「自分には丁寧さが足りないのかもしれないな。

気づかせてくれてよかった」と捉えてみる。

自分と似たタイプに腹が立つ「同族嫌悪」なら、「あのイライラする部分は、もしかしたら自分の欠点なのかもしれない」と省みるきっかけにするわけです。

こうして考えると、ほとんどの出来事には心から「よかった」と思える種が隠れているのだと気づかされます。

ただ、正直に言うと、他人に関してこれを実践するのは本当に難しいな、とボクは感じました。

「我慢強くなれてよかった」くらいしかメリットが見つからないと、「なんで、この人のためにボクが我慢しなきゃいけないんだ!」と、かえって腹が立ってきたりもします。

まるっきりの陽転は、そう簡単ではありません。

でも、最初から完璧にできなくてもいいんだと思います。

「陽転できたほうが、自分が楽になれるよな」と思うところから始める。

少しずつ物事の捉え方を変えていけば、最終的にイライラしたり悲しんだりすることが減って、毎日が楽しくなるのは間違いないはずです。

どうしても陽転できないときは?

この本の素晴らしいところは、最後に「どうしても陽転思考ができないことがあっても、それはそれでいいんだよ」と、著者の和田さんが優しく語りかけてくれる点です。

これを読んで、ずいぶん気が楽になりました。

陽転思考を推奨している和田さん自身も、お母様が亡くなられた際には、どうしても陽転できず、つらい思いを抱えたまま過ごした時期があったそうです。

もちろん、最終的にはその経験も「誇りに思える」という「よかった」に着地されていますが、時間がかかってもいい、ということです。

ただ、ここで一つ気になったことが。 和田さんが「苦しみをそのまま受け止めたのがそのことだけ」と書かれているということは、お父様が亡くなられた時はすぐに「よかった」と陽転できたということなのでしょうか?

ボク自身、父を亡くした経験があり、そこには今も悲しさや後悔が残っています。

だからこそ、この部分は少し気になってしまいました。もちろん、まだご健在というだけかもしれませんが。

とはいえ、いつまでも苦しい、悲しいと思っていても、何も前に進めないのも事実です。

人生は一度きり。どうせなら、なるべく楽しく捉えて過ごしたいですよね。

『新・陽転思考』はこんな人に読んでほしい!

本書を読んで、特に以下のような方にオススメしたいと感じました。

  • つい物事をネガティブに考えてしまう癖がある方
  • 無理やりなポジティブシンキングに疲れてしまった方
  • 仕事やプライベートの人間関係で悩んでいる方
  • 気持ちの切り替えが苦手で、失敗を引きずってしまう方

他の自己啓発本との比較

『一冊の手帳で夢は必ずかなう』との違い

『一冊の手帳で夢は必ずかなう』は、手帳という具体的なツールを使って行動を変え、夢を実現していくアプローチです。行動派・実践派の人に向いています。

一方、『新・陽転思考』は、出来事に対する内面的な「捉え方」を変えることに焦点を当てています。行動する前の「心の土台」を整えたい人におすすめです。

『嫌われる勇気』との違い

ベストセラー『嫌われる勇気』は、アドラー心理学に基づき、「他人の課題に踏み込まない」という課題の分離を説きます。

対人関係の悩みをバッサリと切り捨てるような、力強くも少し厳しいアプローチです。

一方、『新・陽転思考』は、苦手な相手や嫌な出来事でさえも、自分にとって「よかった」こととして受け入れ、自分の成長の糧にするという、より柔軟で優しいアプローチです。

どちらが良いというわけではなく、自分の今の心の状態に合うものを選ぶのが良いでしょう。

つらい現実を「よかった」に変える第一歩

和田裕美さんの『人生を好転させる「新・陽転思考」』は、単なるポジティブシンキングではなく、現実をしっかり受け止めた上で、自分を幸せにする「ものの見方」を選ぶための具体的な方法を教えてくれる一冊でした。

日々の生活が苦しくてたまらない、という方が本書を読んで素直に実践すれば、きっと気持ちが軽くなるはずです。

完璧じゃなくていい。

少しずつでも「よかった」を探すトレーニングを始めることが、人生を好転させるための確かな第一歩になるのではないでしょうか。

それではまた。

ありがとう!

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