元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回は物理学者で俳人で随筆家の寺田寅彦さんのコーヒーの本でございます。
コーヒー哲学序説
ボクはコーヒーが好きです。
朝に一杯、昼に一杯、気がつけばインスタントでもドリップでも関係なく手に取っています。
特にこだわりはなく、手軽に飲めるならそれで満足。
以前はしっかりと苦みがあるコーヒーが好きでしたが、ある日突然その苦みが重く感じるようになり、今は苦みが強すぎない豆やインスタントを選ぶことが多くなりました。
ちなみに、一番好きなのはソイラテです。
コーヒーと豆乳の相性は、もはや運命の出会いだと思っています。
そんなボクが今回手に取ったのが、寺田寅彦の『コーヒー哲学序説』です。
タイトルを見た瞬間、「お、コーヒーにまつわるうんちくが楽しめるのかな?」と思ったのがきっかけでした。
正直、寺田寅彦と聞いても最初はピンときませんでしたが、物理学者であり随筆家という経歴を知って納得。
科学的な視点を持った人がコーヒーについて書くと、どんな風になるのか興味津々でした。
『コーヒー哲学序説』の内容とは?
ざっくり言えば、この本は「コーヒーはうまい」というただそれだけのことを、理屈をこねくり回しながら展開している随筆です。
「そんなの当たり前じゃないか」と思う人もいるでしょう。
コーヒーが好きだからこそこの本を手に取るわけで、その結論自体は目新しくありません。
でも、そこに至るまでの過程が面白いのです。
科学者である著者が、哲学者のように「なぜコーヒーはうまいのか」「どんな状況でうまいと感じるのか」と思考をめぐらせ、時に真面目に、時にユーモラスに語っていく。
そのこねくり回し方に、妙な心地よさを覚えます。
単なる雑学本でもなければ、専門的なコーヒー解説本でもない。
「科学者が哲学的に遊んでみた随筆」というジャンルに属する不思議な一冊です。
哲学とコーヒーの相性
ボク自身、哲学には詳しくありません。
「難しい理論をひたすら考える人たち」というイメージが強く、正直とっつきにくい世界だと感じています。
でも、この本を読んで思ったのは「哲学って、理屈を楽しむことなんだな」ということです。
寺田寅彦はコーヒーを題材にして、味覚や香り、そして人間がなぜそれを「美味しい」と感じるのかを掘り下げます。
たとえば「コーヒーを飲むと気分がどう変化するのか」「その快感はどんな条件で最大化されるのか」といった観察は、まるで実験データの分析のようでもあります。
そこに科学的な視点が混ざるから余計にユニーク。
理系の頭脳が、哲学的な問いに遊び心を持って挑んでいる。
その姿勢こそが『コーヒー哲学序説』の魅力だと思いました。
コーヒーにこだわるべきか?
この本を読むと、「よし、ボクもコーヒーの飲み方にこだわってみようかな」と思う人もいるでしょう。
豆の種類や焙煎、淹れ方、温度……。コーヒーの世界は掘り下げれば掘り下げるほど奥深いものです。
ただ、ボクの場合は逆の感覚になりました。
むしろ「こだわりすぎると面倒だな」と思ったのです。
もちろん、こだわりを楽しむのも立派な趣味です。
でも、ボクは気軽にインスタントを溶かしてソイラテにする時間のほうが性に合っている。
『コーヒー哲学序説』は、そうしたスタンスを肯定してくれる一冊でもあります。
結局のところ「コーヒーはうまい」。
そのシンプルな事実が大事なのだと再確認できました。
読後に感じたこと
読み終えて感じたのは、コーヒーを通して「日常をどう楽しむか」という問いを投げかけられているような気がしたことです。
コーヒーという当たり前の飲み物を、ここまで真剣に語る。
その姿勢は日々の小さな出来事や習慣に対しても応用できるはずです。
「これはなぜ好きなんだろう」「どうして心地よいと感じるのだろう」と考えることで、日常が少し特別なものに変わる。
ボクにとっては、それが一番の発見でした。
哲学というと大げさに聞こえますが、要するに「物事を深く味わう姿勢」のことなのかもしれません。
そう考えると、ボクも少しずつ哲学しているのかもしれない……と、コーヒーを片手に思うのです。
まとめ|コーヒー好きにも、哲学初心者にもおすすめの一冊
寺田寅彦『コーヒー哲学序説』は、コーヒーが好きな人なら誰でもクスッとしながら楽しめる随筆です。
科学者が哲学的に遊ぶとこうなるのか、という知的な面白さもありつつ、難解さはなく読みやすい。
読後には「コーヒーってやっぱりうまいな」と素直に思えるし、同時に「こだわらなくても楽しめばいいんだ」と肩の力も抜けます。
ボクのように普段はインスタントで十分という人にもおすすめですし、逆にこだわり派の人にも「そのこだわりを哲学的に楽しんでみよう」と刺激を与えてくれるでしょう。
コーヒーを飲むことがただの習慣ではなく、ちょっとした「哲学」になる。
そんな体験を与えてくれる一冊です。
それではまた。
ありがとう!
