元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回ご紹介いたします本はこちらでございます。
証言1.4 橋本vs.小川 20年目の真実
もしもこの事件がなかったら、ボクがプロレスから離れずに観続けていたかも知れない大きな出来事でしたので、読まずには居れませんでした。
読後の感想を一言でいうなら、「ようやく腑に落ちた」です。
橋本真也さんはすでに故人で証言できず、もう一人の当事者である小川直也さんのインタビューも掲載されていません。
なので、真実かどうかの判断は読み手に委ねられます。
それでも、数多くの関係者の証言を通じて、事件の全貌がおぼろげながら見えてきた気がします。
怖いだけじゃなかった、ジェラルド・ゴルドーの信念
まず印象に残ったのは、ゴルドーさんの話。
これまでボクは、彼を「ただただ怖い外国人」として記憶していましたが、この本を読んで180度印象が変わりました。
彼は格闘技を“死合”と捉えており、試合中は本気で相手を倒しに行くスタンス。
一方で、試合が終わればノーサイド。
小川さんが試合後に挑発的な言葉を放ったことに対して、「武道家としてはアウト」と断じたのは、彼の信念の強さを物語っています。
それでもアントニオ猪木さんから「小川を守れ」と頼まれた手前、気に入らない態度の小川選手を守るという役割を全うしたその姿勢には、ボクもグッときました。
昔の武士って、こういう人だったんじゃないかと思わせる立ち居振る舞いでした。
前田日明が語る“プロレスラーの矜持”
次に心に残ったのが前田日明さんの言葉。
前田さんは、かつてアンドレ・ザ・ジャイアントに“ガチ”を仕掛けられた過去があります。
その経験から、「仕掛けられたならスパナでも何でも使って返してこそプロレスラー」という論を展開していて、説得力が段違いでした。
この意見には、ボクも大いに共感。
総合格闘技に挑戦したプロレスラーが中途半端に戦って負けてしまう姿を見ては、「イスでぶん殴って反則負けしたほうがマシだったのでは」と何度思ったことか。
スポーツマンではなく、“プロレスラー”としての矜持を最後まで見せてくれれば、たとえ負けたとしてもファンは裏切られた気持ちにはならなかったと思うのです。
永島勝司が語った意外な裏側
この本のなかで、ボクが最も驚いたのは永島勝司さんの証言でした。
多くの人が「小川が橋本にガチンコを仕掛けた」と思っていた中、永島さんは「これは予定された“ガチンコ風味”の試合だった」と主張しています。
つまり、最初からノーコンテストになる予定で、決して本当のガチンコではなかったと。
ただ、小川さんが“風味”を超えてやり過ぎたことで、橋本さんは「これは本当に仕掛けられた」と誤解し、あのような混乱を招いたという見立てです。
この視点を聞いたとき、正直ボクの中で多くのパズルのピースがカチッとハマりました。
小川直也にプロレスの素養がなかった?
この一件については、「小川直也にはプロレスのセンスがなかった」という評価が多くの関係者から語られています。
でも、もしも時間をかけて丁寧にプロレスを教え込むことができていれば、こうした事件は避けられたかもしれません。
実際、事件のあと小川さんと橋本さんは和解し、タッグも組んでいます。
それだけに、猪木さんを介さずに、新日本プロレスの中だけで解決できていれば、もっと違った展開になったのではないかという悔しさもあります。
結局、黒幕は誰なのか?
この本を読みながら考えていたのは、「黒幕は誰なのか?」ということ。
猪木さんなのか、佐山聡さんなのか、長州力さんは知っていたのか…。
でも、登場しない小川さんと猪木さんの証言がない以上、結論は出ません。
ただ、読後には「もうだいたいの真相は見えたな」という実感が残りました。
終わりに──読んでスッキリしたプロレスファンとしての気持ち
プロレスファンとして、この事件がずっと喉に刺さった小骨のように残っていました。
でも、この本を読んだことでようやく飲み込めた気がします。
20年前の事件をいま一度、自分の目で確かめたい方には、ぜひこの『証言1.4 橋本vs.小川 20年目の真実』を手に取っていただきたいです。
それではまた。
ありがとう!
