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【読書感想文】土井善晴の哲学に触れる『一汁一菜でよいという提案』を読んで考えたこと

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

先日、なんとなく映画でも観ようかなと思い、Amazonプライムビデオを眺めていたところ、『映画 情熱大陸 土井善晴』という作品に出会いました。

「あれ?『情熱大陸』って映画になってたの?」と少し驚きつつ、上映時間を見たら1時間14分。

意外と普通のテレビ番組と変わらない長さです。

しかも主役は、あの土井善晴さん。

ボクが子どもの頃にテレビでよく見かけた料理研究家・土井勝さんのご子息です。

同じ道に進まれたことに、勝手に親近感を覚えた記憶があります。

でも近年の土井善晴さんは、単なる料理の先生というよりも、思想家のような立ち位置。

料理を通じて「生き方」まで教えてくれる、そんな印象を持っていました。

その流れで『映画 情熱大陸 土井善晴』を観たわけですが、これが本当に面白かったんです。

土井さんの考え方や生き方に惹かれて、「もっとこの人のことを知りたい!」と思って手に取ったのが今回ご紹介する本『一汁一菜でよいという提案』です。

一汁一菜でよいという提案

この本のテーマはとてもシンプルです。

「毎日の献立、そんなに悩まなくていいですよ」という提案。

基本は「ご飯と具沢山の味噌汁、そして漬物」。

これが日本人にとっての理想の家庭料理のかたちではないか、と語られています。

ご飯も味噌汁も飽きない。味噌汁の具を季節の野菜にしたり、味噌の種類を変えたりすれば、バリエーションは無限。そう考えると、献立に頭を悩ませる必要がなくなり、料理がもっと自由で気楽なものになります。

一見すると「そんな単純な話を一冊の本にするのは無理があるのでは?」と思いました。

でも読んでみると、このシンプルな提案から話がどんどん広がっていき、最終的には「日本に生まれてよかった」と思わせてくれる構成になっていて、感動すら覚えました。

褒められた経験と自己肯定感の話

本の中で、土井さんが子どもの頃に魚の食べ方を親に褒められたエピソードが登場します。

それが嬉しくて、それ以来きれいに魚を食べるようになったそうです。

このエピソードを読んで、ふと気づいたことがあります。

ボクは子どもの頃、親に褒められた記憶がほとんどありません。

「頑張ってるのになあ」と感じていたことも、肯定された記憶がないのです。

だからなのか、今でもどこか自己肯定感が低め。

でも、せめて自分くらいは自分を肯定してあげようと思っています。

親としてはボクを奮起させようとしただけかもしれませんが、それが何十年経っても尾を引くのが子育てというもの。

大変なことですよね。

「なんだかわからないけどおいしい」は、たしかにある

本の中で、「背景情報がないと人はおいしいと感じない」といった主張がありました。

でもボクは少し違う意見を持っています。

大阪万博でセネガル料理の「マフェ」という食べ物を食べたのですが、素材も国のこともまったく知らない状態で食べたにも関わらず、めちゃくちゃおいしかったのです。

知識ゼロでも、おいしいものはおいしいんだと思います。

もちろん、知識があることで味の深みや文脈が増すことは確かですが、それがすべてではない。

おいしさの根源って、もっと本能的なものもあるんじゃないかなと。

豆腐の美しさと盛り付けの哲学

本の後半では、和食の美しさについても語られます。

たとえば、四角い豆腐を丸いお皿に盛りつけると、美しく感じる理由。なるほど、と思いつつも、「じゃあ四角い器じゃダメなの?」という疑問も湧きました。

さらに、昔のラッパを吹いて売りに来ていた豆腐屋さんの、角の立った直方体の豆腐がいかに美しかったかという話も印象的でした。

今のパック入り豆腐には「寝癖」がついていて美しくない、という視点も面白いです。

でも、ざる豆腐やおぼろ豆腐のような丸みを帯びた形の美しさもあると思うので、美の基準は一概には語れないなとも感じました。

まとめ:一汁一菜は、人生をシンプルにする提案

『一汁一菜でよいという提案』は、単なる料理本ではなく、生き方のヒントが詰まった一冊です。

ときには「それは違うかも?」と思う部分もありましたが、それも含めて自分自身の価値観と向き合うきっかけになります。

食事に悩んでいる方、忙しくて献立が面倒な方、そして「自分を見つめ直したい」と感じている方には、ぜひ読んでほしい一冊です。

それではまた。

ありがとう!

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