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『平成プロレス30の事件簿』感想|泣けるプロレス愛と男たちの記録

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回読みましたのは『平成プロレス30の事件簿』でございます。

平成プロレス30の事件簿

ボクは『平成プロレス30の事件簿』という本を、もっと刺激的でスキャンダラスな内容だと思って読み始めました。

なにしろ「事件簿」というタイトルですから、きっと裏話や暴露話が満載なんだろうと身構えていたのです。

ところが、完全に予想を裏切られました。

いい意味で。

本書は、平成という時代の中で起こったプロレス界の節目や出来事を、丁寧に、そして温かく描いた作品です。

結果として、ボクは何度も泣いてしまいました。心が洗われるとは、こういうことを言うのかもしれません。

新日本プロレスの買収劇:知られざる背景と棚橋弘至の奮闘

本書では、新日本プロレスがユークスの子会社になった話、そして後にブシロードに買収された話が紹介されています。

プロレスファンとしては見逃せない話です。

特に印象的だったのは、当時の新日は経営が完全に傾いていて、猪木事務所が紹介したあるIT企業に買収されそうになったエピソードです。

しかしその企業の狙いが「団体を食い物にすること」だと察知され、結果としてユークスが買い取ることで最悪の事態を回避しました。

その後、経費削減により選手の年俸は半分、12人が退団する事態にまでなりました。

このどん底の新日を支えたのが、他ならぬ棚橋弘至選手です。

スキャンダルがありながらもクビにならなかったことに恩義を感じ、彼は団体の再生に力を尽くしました。

その奮闘が、今の新日本プロレスを支えているのです。

ブシロード買収と木谷高明の「愛」

ブシロードによる買収の話も、本書で丁寧に描かれています。

ボクが感動したのは、ブシロード社長・木谷高明さんの姿勢です。

ビジネスとしての視点もあるでしょうが、それ以上に「プロレスファンとしての愛」がひしひしと伝わってきます。

木谷さんが「新日本プロレスを世界一のプロレスカンパニーにする」と宣言した時の熱量に、読んでいて胸が熱くなりました。

対して、NOAHを買収したサイバーエージェントの藤田社長からは、そこまでの情熱は伝わってきません。

ちょっと不安に感じてしまいます。

※ちょっと前に書いた記事のリライトです。ご了承ください。

三沢光晴の男気とNOAHの苦悩

三沢光晴さんについての章も、本書の大きな見どころです。

NOAH設立から、三沢さんの死までが、ファンの目線で綴られています。

特に心を打たれたのは、高山善廣選手がPRIDEに出場したいと言った時の三沢さんの対応です。

通常ならテレビ局の都合で無理な話ですが、三沢さんは「じゃあフリー契約にする」という荒技で高山選手の夢を後押ししました。

しかも、その後もNOAHのリングに高山選手が上がり続けるよう根回ししたのです。

もし高山選手がPRIDEで惨敗すれば、団体のイメージにも響くリスクがあったのに、それでも送り出した三沢さんの男気に震えました。

橋本真也の死に涙が止まらなかった

橋本真也さんに関する章は、ボクにとって最も感情が揺さぶられた部分です。

橋本さんが亡くなった時の話、著者が告別式に向かう過程、会場で出会ったファンたちとの交流。

そのすべてが涙なしでは読めませんでした。

ボク自身、あの時期に無理してでも葬儀に行けば良かったと、今さらながら思います。

橋本さんはボクにとって、プロレスを好きになった原点のような存在です。

この本のおかげで、改めてその思いに気づかされました。

「事件簿」ではなく、プロレス愛の記録

『平成プロレス30の事件簿』というタイトルに騙されたと思って手に取りましたが、今では心から読んでよかったと思っています。

事件というより、これは「愛の記録」です。

泣けて、温かくて、プロレスがますます好きになりました。

橋本さん、三沢さん、棚橋さん、そして木谷さん、すべてのプロレス関係者に感謝したくなるような、そんな一冊です。

それではまた。

ありがとう!

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