元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回聴きましたアルバムはこちらでございます。
苦楽
好きなバンドがいつまでもアルバムを出さずに時が流れてしまい、気がついたらメンバーが変わっていた、解散していた、なんてことはボクと同じく50年以上生きていると、経験している方も多いかと思います。
そんな中、我らが人間椅子の皆さんは、コンスタントに新作を発表してくれまして、本当に嬉しい限りです。
発売日に届かない
ボクが利用しているAppleMusicでは人間椅子のアルバムが多分全部聴けます。
多分抜けなくフルサイズで聴くことが出来ると思います。
それでiPhoneの中に入っていた人間椅子の曲を大方削除しまして、もっぱらAppleMusicで聴くようになって迎えた新作。
ついにCDで購入するのをやめてしまうかも知れないと思っていたのですが、なんのなんの。
全く躊躇せずいつも通り、普通に、CDを購入しました。
すると、予約購入者が多くて発売日までお届けすることが出来ないとのメールが。
ついに人間椅子にこんな日が来てしまいました。
複雑な気持ちです。
コロナの影響でライブから足が遠のいてしまったと考えがちな昨今ですが、ボクの場合はちょっと違いまして、人間椅子の動員が増えてしまい、気楽に行けなくなってしまったのがいちばんの遠のいた原因です。
会場でグッズを買うのにも一苦労。
それでなのか、場合によってはヴィレッジ・ヴァンガードで買えたりしてたこともありました。
応援しているバンドが売れるのは、良質な作品を作るためには良いことなのですが、素直に喜んでいないボクがいるのも事実です。
思えばメジャーな雑誌『FRIDAY』にこんな記事が出てました。
”イカ天”出身『人間椅子』が結成30周年目前にブレイクのワケ
『FRIDAY』では、人間椅子はブレイクしていると認識されているのです。
人間椅子の現状を普通の雑誌が報じたのです。
とはいえ、急にOfficial髭男dismとかKing Gnuみたいなったわけではないので、いつも通りにCDを購入したら、初めて発売日までに届かないと言われてしまったのです。
発売日前に届いたことはあっても発売日に届かないということが起きてしまったのです。
驚きました。
ボクは仕方ないと発売日に届かないを受け入れました。
人間椅子が好きになってから新作としてアルバムを購入する時は常に発売日に購入していたのですが、ついに発売日には封を切れないという憂き目にあったのです。
これぞブレイクの証。
新作が届かぬ寂しさを紛らわそうと、一つ前のアルバム『新青年』でも聴きながら新作に思いを馳せようとしたら、
AppleMusicにはすでに『苦楽』が用意されていました。
CDを購入したけど、まだ届いていない状態でも発売日に人間椅子の新作を聴けるのです。
いい時代になりました。
ありがとうサブスク。
いつもの人間椅子
ボクは基本的に仕事場への行き帰りに音楽を聴いています。
たぶん通勤中が一番集中して音楽を聴くことができます。
出だしは『杜子春』です。
この曲は先行して聴くことが出来ましたから、この時点ですでに3回くらい聴いていたのですが、アルバムのオープニングとして聴くとまた違う味わいがあるような気がして、ついに新作だ!とワクワクしてました。
そこからは知らない曲だけど、いつもの人間椅子が展開されます。
刺激はなくとも安心する音楽。
実家に帰って久しぶりに母親の手量を食べているかのような安心感です。
ただ聴いているだけの者にとって、人間椅子がいつまでも人間椅子であることは喜ばしいことです。
もしも人間椅子らしからぬ曲でもやろうもんなら、そんなのはヨソのバンドで聴くことでしょう。
そんないつもと違う人間椅子を聴かされるのならば、人間椅子から足を洗うかも知れません。
しかし、結成して30年。
全くブレずに人間椅子の音楽を作り続けてくれていたことを、毎回新作が出るたびに改めて思い知ることになるのです。
作り手としては、常に新しいものを追い求めているだろうし、その時代、自分の年令において、影響を受けるものも違うでしょうから、それが作品に反映することは普通のことでしょう。
他のバンドならば、そうやってちょっとずつ変化していく中で、ファンの入れ替えもあったりして、継続していくものでしょう。
しかし、人間椅子は最初からブレてないので、一度好きになったら、ずっと好きでいさせてくれるのです。
人間椅子だけは絶対にファンを裏切らない。
これが30年かかってのブレイクの要因ではないでしょうか。
普通、売れなかったらいろいろ変えますから。
このアルバムは、信頼と安心を与えてくれます。
ギターが控え目になったような
とはいえ、まるっきり何も変わらないわけでもなく、今回はちょっとだけギターの音が後に下がったというか、控え目になったような印象を受けました。
ボーカルが前に出たというほうが正しいのかな?
少しずつ普段ゴリゴリのハードロックやヘヴィメタルを聴かない層でも取っつきやすい音作りになっているように思ってましたが、今回もその一環かと。
かといって、従来のファンを置いてけぼりにすることはなく、むしろ人間椅子世界観を表す歌詞がスッと入ってきますから、決して改悪ではありません。
上で何も変わらない書いてしまいましたが、やっぱり進化はしています。
何度も聴くとさらに楽しくなるアルバムですので、これからボクも4周目に入ります。
ナカジマノブ
思えば、後藤マスヒロさんがドラマーだった時は、CDを買ったもののろくに聴かずにすっ飛ばした曲がいくつかありました。
でも、ナカジマノブさんになってからは、頭からきちんと聴くようになりました。
これは手数の多いドラマーがあまり好きじゃないというのもあるでしょうが、自分の人間椅子の原体験である最初期の人間椅子に在籍した初代ドラマーの上舘徳芳さんに近いドラマーというのがあるのでしょう。
輪廻転生したような感じがします。
そう書くとマスヒロ時代に人間椅子は死んでいたみたいになってしまいますが・・・。
セールス的にはイマイチ、動員もイマイチの「苦」を乗り越えて、ようやく「楽」がやってきたのです。
まさにこのアルバムのタイトル『苦楽』が人間椅子にはあったというわけです。
このバンドとしての人生経験の厚みがこのアルバムに現れているのではないかと思いながら聴くと、染みます。
最高でした。
それではまた。
ありがとう!