元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回ご紹介するのは、プロレスファンの間で話題のインタビュー本『最強レスラー数珠つなぎ』から、
中嶋勝彦編に続いての13人目の登場レスラー・佐山サトルさんの回についてです。
最強レスラー数珠つなぎ
読み進めるうちに、ボクは何度も吹き出してしまいました。
特に今回のインタビューでは、佐山さんの天才的かつぶっ飛んだ発言が炸裂。
プロレスを語るうえで外せない人物でありながら、その思考はどこか別次元にあります。
佐山サトルの第一声が強烈すぎる
まず冒頭、佐山さんが放った一言にやられました。
「祠とか洞穴に籠もりたい」
え? と思いますよね。
なにを突然? と思って読み進めると、どうやら“真の武道”を作るために精神的な鍛錬が必要で、そのためには洞穴がいいらしいんです。
家じゃダメなんか?とツッコミたくなりますが、これはもう天才特有の思考回路だと思うしかない。
インタビュアーも佐山さんにグイグイ突っ込んでほしかったんですが、どうやら“佐山女子会”というファンクラブのようなものを主催するほどのファンとのことで、踏み込みが甘いのが残念でした。
ブレない思想と繰り返される過去の話
タイガーマスクとしての活動やUWFへの移籍など、これまで多くの書籍で語られてきたエピソードもここで再び登場します。
佐山さん自身、取材で何度も話してきたことで記憶も鮮明なのでしょう。
でも、ボクとしてはもうその話はお腹いっぱいです。
できれば他では読めないような新しい視点の話が聞きたかったです。
それが“数珠つなぎ”の面白さじゃないの?と思うのですが、ここでは期待外れでした。
ストロングスタイル復興と矛盾
佐山さんは今、「リアルジャパンプロレス」で“ストロングスタイルの復興”を掲げて活動しているそうです。
その一方で、著書『ケーフェイ』ではプロレスの裏側を暴露するようなこともしており、プライドを語るにはやや矛盾が感じられます。
現代のプロレスに対して「ストロングスタイルじゃない」と批判的な発言もしているのですが、そもそも「今のプロレスは面白いか? 客を呼べているか?」という視点が抜け落ちているのではと疑問を感じます。
批判することで自分の立場を上げようとする手法は『ケーフェイ』の頃から変わっていない印象です。
そもそもガチンコって何?
「ストロングスタイルとは勝負の基本を大事にすること」と語る佐山さんですが、そもそも佐山さんは“ガチンコ”の試合をどれほど経験しているのでしょうか?
道場での極めっこ(関節技の取り合い)は有名ですが、それが実戦的かどうかは別の話です。
UWF系レスラーが総合格闘技でことごとく敗れた事例を見れば、それだけで強さを語るのは難しいところ。
ボクは、強さ云々よりも、面白くないプロレスをするレスラーの方が問題だと思っています。
強かろうが弱かろうが、お金を払って観たいと思わせるプロレスができなければ意味がないのです。
タイトル無視の大脱線
本のタイトルは『最強レスラー数珠つなぎ』なのに、佐山さんが指名したのはレスラーでもアマレスラーでもありませんでした。
理由は「プロレスラーに限らず、本当に強いと思う人を教えてほしい」とインタビュアーが尋ねたから。
いや、プロレスラーで括るのがこの本の面白さだったんじゃないの?
それを崩してしまったら、単なる“強い人紹介”で終わってしまいます。
将棋の棋士だって、真剣勝負の世界に生きている意味では“強い人”ですが、プロレスという枠組みがあったからこそ読者は楽しめたんです。
その期待を裏切る形になったのは、非常に残念でした。
まとめ
佐山サトルさんの回は、確かにインパクトがありました。
笑える部分も多かったし、天才肌の発言には引き込まれるものもありました。
しかし、インタビュアーの踏み込み不足や本のコンセプトを揺るがすような脱線も目立ち、物足りなさも残る一章でした。
それでも、こういう異端児がいるからこそ、プロレス界は面白いのかもしれませんね。
それではまた。
ありがとう!
