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【映画レビュー】『いぬやしき』

元気ですか〜?!

どうも、ろけねおです。

今回観ました映画はこちらでございます。

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※各サービスでも観られます。

いぬやしき

公開時に映画館に観に行こうかどうか迷いながら、結局やめた『いぬやしき』をついに観ました。

妻がマンガ好きで、この映画の原作漫画である『いぬやしき』も読んでて面白いと聞いてはいたのですが、結局読まずじまいでした。

『GANTZ』の人が書いたということですし、ガッカリすることはないと思っていたのに読まずじまいでした。なんでだろ。 

そこでちょうど映画が公開になる前にアニメがあったので観ました。

普段はマンガは読むけど、アニメは観ないのにどうしたことでしょう。

観てみると、噂に違わぬ面白さに驚愕。

アニメでこんなに面白がれたら、こりゃ実写映画はスベるな〜と思ってしまい劇場に足を運ばなかった次第です。

そして、その判断は間違ってなかったようでもあり、間違っていたようでもあるという感想を胸に抱えながら、これを書いている次第です。

キャスティングが甘い

マンガの実写映画化というのは、キャスティングが9割だと思っています。

いかにマンガのキャラクターに俳優さんのルックスやイメージを近づけられるかでほぼ決まります。 

なぜなら、映画を観に来る大半は原作ファン(多分)だからです。

どこまで映画製作者たちが、自分たちの愛したマンガを愛してくれているのか、それを確認しに行くのです。

だから、後にクソ映画だと罵られることになってしまった実写映画でも、そこそこ人が入るのです。

そしてクソ映画でも人が入っちゃうから、また安易に人気マンガは実写映画化されるのです。

さて、この『いぬやしき』もまた、キャスティングが甘かったです。

主人公の犬屋敷壱郎に木梨憲武さん、ヴィランの獅子神皓に佐藤健くんが配されていますが、どちらもしっくり来ません。

ただ原作マンガ(ボクの場合はアニメですが)を知らなければ、特に問題はないでしょうけど。

どうしてアニメ版で犬屋敷壱郎の声を担当した小日向文世さんをキャスティングしなかったのでしょうか。

木梨さんよりはかなりしっくり来たはずです。

犬屋敷壱郎というのは年のわりにはヨボヨボなのです。

それがピチピチの高校生である獅子神皓と戦うから面白いのです。

見た目は雲泥の差があるのですが、中身は同じスペックというのが面白いのです。 

しかし、木梨さんは普通のおっさんよりデカい(身長177cm)し、ヨボヨボでもありません。

小柄でおじいちゃんに見える58歳という設定が何一つ活かされていません。

更に困ったことにピチピチの高校生であるはずの獅子神皓もまた、とても高校生には見えない健くん(公開当時29歳)が演じているのも困ります。

獅子神皓は若さゆえに間違いを犯してしまうのに、もうどう見ても分別のつく年齢であるようにしか見えない人を配してしまっては、困惑するし、健くんがアホに見えてしまいます。

『平成ジェネレーションズFOREVER』に出てきたウラタロスが憑依した野上良太郎(を演じていた佐藤健くん)はすっかり大人の男の魅力がプンプンしていたのに、高校生と言われてもしんどいのです。

主要キャラのキャスティングがスベってしまうと、原作を知るものとしてはかなり厳しいです。

でも、犬のはな子はかわいい。

このキャスティングだけは認めます。

物語が浅い

全10巻のマンガをどう2時間ほどに圧縮するのか。

キャスティングがスベってる以上、ストーリーにかけるしかありません。

どこを端折るのか、どこだったら端折ってもいいのか。

そこにこの映画を制作した人々の、この原作マンガに対する愛情がどれほどのものなのかが現れてくるのです。

結果、それは失敗に終わってしまってます。

やはり2時間ではどうしようもなかったのです。

この物語で絶対に描かなくてはならないことの一つに、犬屋敷壱郎という男の生きざまがあります。

これを描ききれていないのだから話になりません。 

アニメでは最後になんだかんだあって自爆して、家族どころか地球をも守ります。

ヨボヨボの老人が最終的に地球を救うから良いのに、その地球を救うシーンがありません。

娘以外の家族は彼の活躍を知る由もないのです。

最後まで犬屋敷壱郎は救われないまま終わるのです。 

こんなアホな終わり方はないのです。

獅子神が浅い

主人公も描かれてないのに、ヴィランが描かれるはずもありません。

獅子神皓が最後まで悪人として描かれてしまっているのです。

これもまた、この映画をどうしようもなくダメなものにしてしまっています。

アニメ版でも確かに悪人ではあるのですが、最後の最後でやっと改心したような感じになりました。

自分の周りの人間だけを守ろうとしていただけなのに、結果的に周りの人間をどんどん不幸にしてしまうのです。 

若いときの視野の狭さが色濃く描かれ、たくさんの人を犠牲にした果てにやっと自分の罪の重さに気づくところが良いのです。

肝心な部分が何も描かれず、ただ新宿の街を舞台にドンパチやらかすだけのアホな映画になってしまっているのです。

こんな薄っぺらい映画になって本当に残念でした。

ただ、こう思えたのは、アニメを見直してからのことでした。

どんな内容だったかスッカリ忘れてしまっていた状態でこの映画を観終えましたので、その時は大量殺人を犯した獅子神皓を犬屋敷壱郎が倒したヒーロー映画と捉えて、それなり楽しんでしまいました。

原作を知らなければ楽しめていたのです。

原作のほうが物語として深みがあるので、原作を知ってしまうと映画は物凄く浅い映画に思えてしまうのでした。

これが観に行かないという判断したことが間違ってなかったようでもあり、間違っていたようでもあるという感想になったのは、アニメで原作を知らない状態で観ていれば間違っていなかったと言えるし、原作を知っていたら間違いだったということなのです。

マンガの実写映画化は難しい。

それではまた。

ありがとう!

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