元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回観させていただきました映画はこちらでございます。
身も心も
公開されたのが97年だそうです。
ずいぶん前ですね。
30代の頃に一度この映画を観ておりまして、その時は方向性の違う熟女、かたせ梨乃さんと永島暎子さんのお二人にボコボコにされました。
この頃から年上の女性に心を惹かれる性質があったのです。
で、自分がこの主人公たちと同じぐらいの年令になって、この物語を観たらどう感じるのだろう?という興味から再び観ることにしました。
30代に観た時は、熟女に翻弄されまくりで、ストーリーがさっぱり頭に入ってませんで、初めて観る映画レベルに新鮮な気持ちで観ることが出来ました。
ただ覚えていることは、女性と知り合ってからセックスにたどり着くのにずいぶん苦労しているのに、この人達はいともカンタンにセックスしちゃうのね、と驚いたことです。
中年から初老にかけての男女というのは、これが普通なのだとしたら老いるのも悪くないなと思ったものでした。
ところが実際中年を抜けて初老を迎えた現在、結婚してることもありますけども、最近知り合った女性とそういう事になりそうになったことすらありません。
若い頃よりもさらにセックスにたどり着くのが困難になってしまった気さえします。
映画の中の出来事は、やっぱりファンタジーだったんですね。
※ボクがただモテないだけであることは横に置いてます。
生きた時代がぜんぜん違う
セックスにたどり着けない以外にも、実は決定的に違うものを感じました。
それは青春時代を過ごした時代が違いすぎるというところです。
4人の主人公は全共闘時代に大学生をしていたのです。
全額共闘会議 – Wikipedia
ボクの大学時代とは、明らかに違う空気感があるのです。
ボクの生まれる前のことですから、当然どんな空気だったのかは知る由もないのですが、ボクの世代とはぜんぜん違うというのだけは、なんとなくですが伝わってきました。
一人の男は警官隊?に火炎瓶を投げて、逮捕されて3年刑務所に入っていたということだったのですが、こんなエピソードを持つ人、ボクの周りにはいません。
本物の火炎瓶も見たことがありません。
まして、それを警察に投げるなんてことは想像も付きません。
ボクの知り合いには追いかけてくるパトカーの窓にマヨネーズかけて、ワイパーしたら窓が油膜で見えなくなってそれ以上追いかけてこなったなんて話はしてましたが、その程度です。
※なぜマヨネーズを持ち歩いていたのかはわかりません。
また、このエピソードを知らない主人公の1人は、この話を聞いても大して驚きませんでした。
それは自分の周りにもそんな人いたな、という雰囲気がありました。
同じ時代を生きた連帯感というものが同世代にはあるんだな〜と思わせました。
思えば、初対面の人が同世代と知るとなんとなく距離が縮まる気がしますが、これはどの時代を生きている人でも同じなのかも知れませんね。
同年代になれば、同じ気持ちでストーリーが追えるのかも知れないと思ったのですが、生きた時代が違うと年が同じでも同じ気持ちにはなれないのかも知れないな、と思いました。
ちょっとうらやましい
奥田瑛二さんが演じる「良介」は大学の教授で、その奥さんがかたせ梨乃さんが演じる「綾」です。
柄本明さんが演じる「善彦」は良介の友達で、現在ほぼ無職で妻と別居中、しかも良介の妻、綾の元カレなのです。
永島暎子さんが演じる「麗子」は良介の元カノという関係です。
良介は、友達の善彦が刑務所に入っている間に、麗子を捨てて、当時の善彦の恋人であった綾を奪って結婚しちゃいました。
その罪悪感からなのか、ちょうど妻と別居中だった善彦と未だ独身であった麗子をくっつけようとしたところから物語は始まります。
良介が善彦を裏切った感じに捉えてましたが、若い頃の綾が刑務所に入った将来が不安なイケメンではない善彦よりも、イケメンで将来有望である良介を選んだようでした。
良介と付き合いだしてすぐに良介の子供を身籠ったそうなのですが、その体でデモに参加したとかで、流産してしまいます。
善彦に対する申し訳無さから、あえて流産するように仕向けたそうです。
そして良介との結婚生活が20年近く経って、良介が自分に母親の役割を望むことに嫌気が差しておりました。
そこに善彦と麗子がいい感じになっているところで、綾が再会してややこしいことになるのです。
つまりは綾が他の3人を振り回したのです。
そのおかげで全員が穴兄弟姉妹になってしまいました。
いっそみんな仲良く余生を過ごすということになればよかった?のかも知れませんが、最終的には全員がバラバラになります。
綾がその時その時の感情に流されなければ、今でも昔を懐かしんで酒を酌み交わすようないい関係の4人だったかも知れませんが、それでは映画にはなりませんね。
損をしたのは良介だけだったような気がしました。
友達の彼女に手を出すと天罰が下るんですかね。
彼氏の友達とくっつくような女性と結婚したらアカンと戒めなのかも、なんて思ってしまいました。
綾は結局好き勝手に離婚を決め、善彦とチョチョッとあったけどまた別れたのですから、ここでもやっぱり感情の赴くままに行動して、ノーダメージです。
他人の痛みに鈍感で、我を貫ける人が一番幸せなのかも知れませんね。
麗子は他の3人と再開する前に、年下の男に結婚を申し込まれてましたが、3人と別れたあとはどうも別れてしまったようです。
もしかしたら、3人と合うことになったの時にはもう別れてしまっていたのかも知れませんね。
年令を重ねた後も麗子はやっぱり綾に振り回されただけだったように思えました。
そして、いちばん得したように見えたのは善彦でした。
無職のところ仕事を斡旋してもらえて、田舎の一軒家でゆったり暮らし、美味しいものを食べ、酒を飲み、良介の元カノだという麗子とセックスして、ついで元カノの綾ともセックスして、特に揉めることなく東京の元暮らしに戻りました。
ちょっと羨ましかったです。
最後はイケメンではないほうが勝つという図式は、ボクに勇気を与えてくれました。
ファンタジーの住人
若い頃にこの映画を観たとき、かたせさんのエロさが強烈でした。
このときのかたせさんがボクより年下になってしまった状態で、この映画のかたせさんを観たらどういう気持ちになるのだろう?とワクワクしていました。
しかしながら思ったほどテンションが上りませんでした。
かたせさんは、マンガやアニメのキャラクターのようにプロポーションが整っています。
いや、整い過ぎています。
特に終盤、プールで泳ぐシーンがあるのですが、その姿が美し過ぎます。
競泳の水着ですよ。
むかし観たときは猛烈にキレイなおねえさんといった感じのかたせさんにムチャクチャ興奮させられたのですが、今見ると整い過ぎててリアリティが全然なく興奮しないのです。
※とはいえ、かたせさんは実在するんですけどね。
大学教授の奥さん役で、喫茶店の経営者です。
大学教授の奥さんには特にイメージはありませんが、そこらの喫茶店に絶対いないレベルのキレイさです。
熟女の魅力というのは、経年劣化であったり、生活に追われてケアが追いつかなかったりすることから来る、切なさとか儚さ、そしてそれを自覚することから来る恥ずかしさなのだと思っています。
残念ながらかたせさんのプロポーションからは、経年劣化もケアの追いつかなさも恥ずかしさも感じなかったのです。
お金をかけられるだけかけて、生活に追われることも、子育てに追われることもなく磨き続けた美しさには恥ずかしさどころか、自信満々な雰囲気が漂っています。
まさにファンタジーでした。
あんなに興奮したはずのかたせさんに、なんだかピンとこなかったのです。
むしろ、中年の女性のリアリティは永島さんからビンビンと感じてしまいました。
とにかく永島さんがかわいくて仕方がありませんでした。
正直なところ、全然タイプじゃないんですよ、外見的には。
どう考えてもかたせさんのほうがタイプなんです。
なのに、永島さんばかりを目で追ってしまうのです。
現在、どこで何をしておられるのかわかりませんが、この映画を再び観たことにより現在はどんな感じになられているのか、気になって仕方がありません。
同じ映画であっても、自分のコンディションで受け取り方がずいぶん変わってしまうものだとわかりました。
面白かった映画は10年周期ぐらいで見直すことで新たな発見があるかも知れないな〜と思いました。
それではまた。
ありがとう!