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【読書感想文】『純度100%有田哲平のプロレス哲学』有田哲平

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回読みました本はこちらでございます。

純度100%有田哲平のプロレス哲学

有田哲平さんといえば、卓越した話術でプロレスを語ることに定評があります。

そんな有田さんが執筆された本書を拝読しました。

本書には、これまで『オマエ有田だろ!!』や

有田プロレスインターナショナル』などで語られた内容も含まれており、すでに番組をご覧になった方には「知っている話が多い」と感じられるかもしれません。

また、有田さんのトークの魅力は、福田充徳さんとの掛け合いや有田さんのモノマネを交えた臨場感によるものが大きいため、文章として読むと、少し物足りなく感じました。

さらに、「哲学」というタイトルから、プロレスに関する深い思想や考察が展開されるのかと期待しました。

しかしながら、哲学的な要素はそこまで強くなく、どちらかといえば、有田さん独自の視点で語られるプロレス論止まりでありました。

哲学 – Wikipedia

存在理性知識価値意識言語などに関する総合的で基本的な問題についての体系的な研究であり、それ自体の方法前提を疑い反省する、理性的かつ批判的な探求である。

哲学はさすがに言い過ぎですかね。

プロレスにおける「暴動=炎上」について

序盤の第1章・第2章は少し退屈に感じ、途中で読むのをやめようかと思ったほどでした。

しかし、第3章以降は興味深い内容が多く、その中でも特に「プロレスの暴動」に関する考察は印象に残りました。

かつて昭和のプロレスでは、観客が熱狂しすぎるあまり、暴動が起こることもありました。

会場に火をつけるなどの事件も発生しました。

もちろんこうした行為は決して許されるものではありません。

しかし、有田さんは「それほどの熱狂が今のプロレスには足りないのではないか」と指摘されています。

また、本書ではKENTA選手が東京ドームで「デ・ハポン」締めを妨害した出来事についても触れられています。

SNS上ではこの出来事が大きな話題となり、まさに「炎上」と呼べる状態でした。

有田さんの視点では、これは現代版の「暴動」と捉えることもできるのではないか、という興味深い指摘がなされていました。

ボク自身もこの事件をきっかけに、L.I.J.(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)のファンの熱量の高さを改めて実感しました。

若いファンのみならず、長年プロレスを観てきた大人のファンまでもが本気で怒りを露わにしていたことに驚かされました。

若い人が燃え上がるのはまだしも、おっさんが怒り狂ってる様は同世代として恥ずかしくもあったことを覚えてます。

デスマッチの在り方について

有田さんはデスマッチをあまり好まれないそうですが、その理由を読んで納得する部分がありました。

現在のデスマッチは、凶器の使用や特殊なリング装置の設置が前提となっています。

しかし、有田さんは「本来のデスマッチとは、ギリギリのところで回避するからこそドキドキするものではないか」と考えられています。

例えば、初の有刺鉄線電流爆破デスマッチ(大仁田厚 vs ターザン後藤)の際、有刺鉄線で囲まれたリングは、試合の決着をリング内でつけるための仕掛けでした。

当時の観客の多くは、「本当に爆発するはずがない」と考えていたため、実際に爆発が起こり、選手が傷ついたことで衝撃が生まれました。

しかし、近年のデスマッチはさらに過激化し、スプラッター映画のような要素が強くなっています。

ホラー映画が苦手なボクには、こうした試合を「プロレス」として楽しむことが出来ません。

以前はFMWのデスマッチを楽しんでいたのに、近年のデスマッチにはどうも馴染めないのが有田さんの指摘により納得できました。

定期的な「大量離脱」は必要なのか?

本書では、「かつてのプロレス界では、選手の大量離脱が定期的に発生し、それが夢の対戦カードを生み出す要因になっていた」という考えが述べられています。

確かに、少し前になりますが、鈴木軍の選手たちがNOAHに移籍し、新日本プロレスとしばらく交わらなかった後、再び対戦した際に大きな盛り上がりを見せました。

このように、一時的な距離を置くことで、再会した際の興奮が増すというのは、プロレスにおいて非常に重要な要素かもしれません。

もし、団体同士が正式な協定を結び、定期的にユニットを移動させるような仕組みがあれば、新たな刺激が生まれるのではないでしょうか。

ユニット単位でレンタルし合いながら試合を行えば、プロレス界全体の活性化にもつながるかもしれません。

もちろん、団体の「本隊」とされる正規軍は移動せずに迎え撃つ立場を維持することで、各団体のアイデンティティを守ることができるでしょう。

実際に団体側もこうした戦略を考えているかもしれませんが、プロレスファンとしては、常に新鮮な展開を期待したいところです。

本書を読んで改めて感じたのは、「有田哲平さんは話術のプロである」ということでした。

正直なところ、すでに知っているエピソードも多く、次回、同じようなプロレス本が発売されても購入は見送ります。

もし気になる方は、新品で購入するのではなく、中古市場に出回るのを待って手に取るのも一つの選択肢かもしれません。

それではまた。

ありがとう!

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