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【映画レビュー】『おやじ男優Z』

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回観た映画はこちらです。

※ちなみにこちらはシナリオ写真集です。AmazonPrimeで現在(2023年11月)は観ることができます。

おやじ男優Z

少しエッチなコメディだと思って観始めたのだけど、思ったよりも切ない話でした。

ただ、ボク的にはそんな切なさを全く求めてなかったし、純粋に笑って終わりたいという気持ちのほうが強かったので、あまり楽しめませんでした。

どんな話かと言いますと、オッサンが事業(スナック経営)に失敗して、妻と子供に愛想つかされて、再就職先も見つからず、汁男優になるという話です。

この映画のストーリーを簡単に書いただけでもなかなか切ないわけで、これで笑うにはちょっと無理があったかも知れません。

ハッピーエンドではない

映画や小説などの物語は、途中にどんなに悲惨なことがあっても、最終的には幸せになってくれたら良い。

ボクはそういうタイプです。

ハッピーエンドでなくては気持ちが晴れないのです。

しかし最後は元の鞘に(妻と子供のもとに戻る)収まるというオチで、それがどうにも主人公のオッサンが幸せになれたような気がしませんでした。

結局、妻と子供は妻の実家に帰ってしまっただけのことで離婚もしてないし、妻の実家はクリーニング屋さんをやっていて、それを手伝うことで普通のオッサンに戻れました。

最終的に元の鞘に戻れるのなら、なぜ妻は最初からうちの実家で働けばいいじゃないとオッサンに言ってやらなかったのか。

離婚しないのなら、オッサンを放ったらかしてプイと出ていってしまうのはどういうことなのか。

どういう経緯でスナック経営をし、失敗に至ったのかまではほとんど描かれてはいません。

家族でスナックを経営していたということですから、オッサンが勝手に仕事を辞めて、勝手にスナックを始めてしまったとはいえ、妻は受け入れて一緒になってスナックをやっていたわけだから、スナックが失敗したのは何もオッサンだけの責任ではないはず。

なのに、嫌気が差したと妻は出ていくのです。

実家でクリーニング屋をやればなんとか食っていけるということを知っていながら、何も出来ないオッサンをほっぽりだして出ていってしまったのです。

オッサンが不幸なのは事業に失敗したことでも、汁男優になってしまったことでもなく、この奥さんと結婚してしまったからではないか、と思えてきます。

ならば、ハッピーエンドはこの奥さんと離婚し、親権も奥さんに渡して、独立独歩の道を歩むことになることこそ、ハッピーエンドになるのではないかと思えました。

人生の寄り道?

汁男優をしていた期間を人生の寄り道と呼び、人生には寄り道が必要だとオッサンは語っていました。

ボク的には人生には無駄なことなど1つもないと考えている派で、回り道や寄り道にも全て意味があると考えています。

ここでの寄り道は、特に何もせずにボンヤリと過ごす期間のように語られていたと思いますが、それすらボクには意味があると思います。

それゆえ汁男優をやったこと、汁男優になったことで出会った人々、聞いた話は全てこのオッサンの人生に必要なことであったと考えます。

しかしながら、その必要性の片鱗すら一切描かれず、ただただ元の鞘に収まってしまうのですから、無駄なことなど何もないと考えたいボクですら、無駄だったんじゃないかと思えてくるのでした。

描かれなかった後の人生でいよいよ汁男優時代の経験がいくる場面が出てくるのかも知れませんがね。

せめて自分の人生を見つめ直す時間にでもなっていたら良いのですが、オッサンは特に何も考えることもなく、奥さんの言いなりになってクリーニング屋を手伝っているふうなのも切なすぎます。

ちょっとだけ羨ましい

オッサンが唯一救われたのは、最後の最後に有名なAV女優さんとガッツリ絡めたことです。

女優さんの引退記念作品に汁男優ではなく、男優として参加したのです。

この女優さん、現在は引退なさったようなのですがボクの好みだったので単純にこの方と絡めるのがちょっとだけ羨ましかったです。

ただ、人前で致すのはボクにはできませんので、仮にお鉢が回ってきたとして、お断りするに違いありません。

そういう意味で、オッサンのほうが遥かに肝が座っていると思いました。

娼年よりヘビーなシーン

この映画の中に、先日見た『娼年』と同じようなシーンがありました。

【映画レビュー】『娼年』

体を壊して行為に及べない旦那さんの代わりに妻を抱いて欲しいというお願いを受けるというシーンです。

『娼年』の場合はそういうプレイがしたい変わった夫婦でしたが、こちらは本当に旦那さんが体を壊していました。

旦那さんの表情が何とも複雑な心境を物語っており、ボクもどう捉えたら良いのか、頭の中がグチャグチャになりました。

この映画で男優に抱かれる奥さんが、これまたボクのどストライクでして、思わず何という女優さんなのか調べてしまいました。

※ちなみに沢村麻耶という方でした。

そして、病を患ったため妻を長らく喜ばせることの出来なかった自分の代わりを男優さんにお願いし、妻の喜ぶ姿を脳裏に焼き付けて、あの世に行きたいという心境はどんなものなのだろう?

そして奥さんはどういう気持だったのだろう?

いくら想像しても想像できませんでした。

後に男優さんのもとに旦那さんがなくなった知らせが届きました。

きっと本当に旦那さんの目の前で奥さんと行為に及んで良かったのだろうか、死ぬ直前に妻が寝取られているのを間近で見せることが本当に旦那さんにとって幸せだったのだろうか。

かなり悩んでいたところに、幸せな顔してあの世へ旅立ちましたとの連絡に男優は涙するのです。

人の役に立てたと喜ぶのです。

ここ、ボクは泣きました。

まさか、こんなふざけたタイトルの映画で泣かされるとは思いませんでした。

それにしても、切ない映画でした。

もう少しタイトルがちゃんとしたものならもっとたくさんの人に見えてもらえたかも知れないのに、思えて残念です。

それではまた。

ありがとう!

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