元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回読みました本はこちらでございます。
新日本プロレス12人の怪人
門馬氏はかつて『世界のプロレス』という番組で解説を務め、プロレス記者・評論家として長年活躍されてきた方です。
そのため、本書にはプロレスに関する深い知識や独自のエピソードが詰まっているのではないかと期待していました。
しかし、読んでみると内容は意外にも薄く、昭和からのプロレスファンであればすでに知っている情報ばかりが並んでいます。
門馬氏ならではのエピソードや深掘りした考察があるわけでもなく、他のムック本のほうがより詳細に書かれていると感じました。
どのファン層に向けた本なのか?
本書は昭和のプロレスファンにとっては物足りない内容であり、平成以降にプロレスを好きになった人にとっては興味を持ちにくい選手が多く登場するため、ターゲット層が不明瞭です。
もし新しいファンがプロレスの歴史を学ぶために読むのであれば、それなりに有益な情報が詰まっているかもしれません。
そして、ここに書いてあることが一通りアタマに入っていれば、古いプロレスファンとそこそこ話が弾むはずです。
しかしながら、そこまでして古いファンと昔話で盛り上がりたいと考える新しいファンはいるんでしょうか?
※歴史を知ることで現在のプロレスの面白さが増すという効果はありますので、有意義でないわけではないのですが・・・。
と考えると、昭和からのプロレスファンには退屈な本ですし、平成からファンになった人にとっては興味の湧かないラインナップな気がするし、一体これはどのファン層に向けて作られた本なのだろう?と思えてきます。
試合の振り返りが活字では伝わりにくい
当時の試合経過にかなりのページ数を割いています。
今なら、新日本プロレスワールドで観れたりする(観れないのも当然あるでしょうが)ので活字で追うが実にしんどいです。
それに活字で読んで、鮮明にアタマに思い描けるのはそのレスラーの試合を観たことがある人でしょうから、全く知らない人にとっては、その部分を読むのはそこそこ苦痛なんじゃないでしょうか。
書くことないんだったら本にしなきゃいいのにとさえ思いました。
ボクはこの部分は飛ばしました。
仮にこれをきっかけの往年の名レスラーのことが好きになったとしても、もうライブで試合を見ることは叶わないわけですから、それも何とも寂しいものです。
あの頃のプロレスは本当に良かったんだよと言いたいんでしょうかね。
プロレス評論家なのに、近頃のプロレスは観ておられないのでしょうか。
新日本プロレスの日本人レスラーで構成して欲しい
上に書きましたとおり、『世界のプロレス』で解説しておられたくらいですから世界のプロレスに精通しておられたんでしょう。
そのせいか、外国人レスラーの話に何ページか割いてます。
昭和の新日本プロレスにはアクの強い選手がいっぱいいたのに、何でわざわざ外国人選手をチョイスしたのだろうという気になります。
かつての新日本プロレスの常連外国人選手もまたアクが強いんですけど、上に書いた通り薄めの内容ですから、これならもっと身近でしっかり取材できそうな日本人レスラーに焦点を当ててほしかったです。
ちなみに最後に棚橋弘至選手が出てきます。
プロレスと総合格闘技の混同
著者さんが古くからのプロレス記者さんだからなのか、プロレスと総合格闘技を分けておりません。
最初のほうにさっそく『猪木のガチンコ「10番勝負」』というタイトルの付いたところが出てきます。
なに?猪木さんガチを10試合もしてたの?とワクワクさせましたが、普通のプロレスの試合の話でした。
昔は総合格闘技というものがありません。
プロレスが総合格闘技だったので仕方のない事なのかもしれません。
でも、今はプロレスと総合格闘技は全然別のものということは大体の人は理解しています。
かつてのプロレスにはガチンコの強さなのか、プロレス的な強さなのか曖昧なところに想像を掻き立てる部分があって、それが魅力になっていたことは間違いありません。
そういうワクワクがなくなったことで、昭和からプロレスを見ている者としては寂しくなったり、現在のプロレスを批判したりすることになって、対立して面倒なことを引き起こしています。
それは自然な流れにも思えるわけですが、だからこそのこの本の中で展開しているプロレスと総合を混同した物言いは、時代が流れたことを強く感じました。
もしかしたらずいぶん昔の記事をそのまま使ってしまったのかもしれませんね。
昔の試合を取り上げるのは良いにしても、現在から過去を見て書いて欲しかったです。
昭和の試合をリアルタイムで観た人が、今の状況で試合を振り返ったときにどう見えるかだともっともっと楽しめたのではないかと思います。
プロレス記事の在り方
また。本書を読んでますと、プロレスを記事にする方たちも変化が求められているんじゃないかと思いました。
時々『週刊プロレス』を買って読んだりしますが、以前よりおもしろく感じなくなりました。
正直、プロレスの記事を書いてるブログを読んでいるほうが遥かにおもしろいです。
無料で読めるプロレスブログよりも遥かにおもしろくないと、お金を出して買おうという気にはなりません。
ま、写真がたくさん掲載されているので、それを眺めるものと考えるとまた違ってきますけどね。
そう考えると今プロレス記者は大変ですね。
もういっそ、プロレスブロガーの人に記事を依頼したほうが良いんじゃないかとすら思います。
※実際はもうそうなっているのかも知れませんが。
見た目は新書できれいな本なのですが、中身は完全に時が止まっています。
著者さんがまだ現役だったら、この本は出すべきではなかったです。
プロレスは未来に向かっているのです。
今のプロレスのジャマをしているように感じました。
完全にプロレスに新時代は到来してるんだな~と思わせる一冊でした。
それではまた。
ありがとう!
