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【読書感想文】 『再会のゆうわく妻』 草凪優

元気ですか〜?!

どうも、ろけねおです。

今回はこちらの本を読みました。

再会のゆうわく妻

これがボクにとって初めての官能小説です。

なぜ急に官能小説を読もうと思ったのかといいますと、一言で言えばアンチエイジングです。

歳をとると想像する力というのが衰えてくるそうなんですね。

それに近頃はスケベーなものは、何も想像しなくてもダイレクトに簡単に、刺激の強いものを観ることができてしまいます。

想像する必要がなくなっているのです。

それが続くと、少々の刺激では反応しなくなってしまうと聞いたのです。

年齢的なものもありますが、確かに衰えを感じております。

それに抗うためには想像力を必要とする官能小説を読もうと思った次第です。

検索した

全然官能小説の知識がなかったので、手っ取り早く検索をかけました。

「オススメ 官能小説」でググりました。

それで出てきたのが今回読んだ本でございます。

官能小説というのは、ご存知の通り、ベッドシーンを特にコッテリ描いたものです。

普通のドラマに対するアダルトビデオみたいなものです。

とはいえ、アダルトビデオは適当なシチュエーションで急におっぱじまることが多いワケですが、ちゃんとナゼそういう事になったのかも描かれていて、違和感なくスケベーの世界に入っていけました。

ちょっと雑

ただ普通の小説に比べると人物設定とか、シチュエーションとかは雑な気がしました。

つまりリアリティに欠けてるところがあるので、そこはこっちの想像力に任せられているのかも知れません。

目的が性行為を描くことなんで、人物設定やシチュエーションで文字数を稼いでたら、それはそれでいいかげんにしろと読者に怒られてしまう可能性があるので仕方がないのかも知れませんね。

ボク的にはそういう細かいところまできっちり描いてもらって、もうちょっと想像しやすい土壌にして欲しかったです。

ちょっとロードムービーみたいな展開なんですけども、Google Mapで小説の中に出てきた土地の風景とか、主人公が乗ったフェリーとかを確認しながら読んでできるだけリアルに想像できるように務めました。

主人公がモテるのでずっと悔しい

主人公が性行為に及ばないと始まらないわけですから、ある程度は仕方がないんですが、主人公がずいぶんカンタンに性行為に辿り着くので、なんだかとっても悔しい気持ちになりました。

きっと主人公はムチャクチャ男前なんでしょうけども、男前でしかも上手いんでしょうね。

2人の女性はいずれも元カノなんですが、2人とも覚えているのは主人公との性行為のことばかり。

よっぽど良かったんでしょうね。

よく男性の恋愛に関する記憶は別名保存で、女性は上書き保存と言います。

ゆえに男性は別れた女性が今までも自分のことを少しぐらいは好きでいてくれるだろうと思っているのに(自分が別名保存でその女性の良い記憶が残っているのだから相手もそうだろうと考える)対して、女性は上書き保存だから新しい恋が始まったらスカッと元カレことは忘れてしまっていることが多いそうです。

だから男性から復縁を迫ってもなかなか上手く行かないと言います。

実際、ボクも経験あります。

女性に心変わりがあると全くダメです。

ところがこの小説に出てくる女性はまるで演歌の歌詞に出てくるかのごとく、元カレへの未練たっぷりなんですね。

これが実に羨ましい。

ボクもお別れした女性、疎遠になった女性、過去に何か縁のあった女性全てに好かれていたいと思っているのですが、現実はそんな事ありませんし、大抵は嫌われています。

小説を読み終えるまで、ずっと悔しさを抱えてしまい、それほどエロい気分にはなりませんでした。

小さい男です。

アクロバティックなのは想像しづらい

こういう小説の重要なところは、その行為そのものをしっかり想像できるかどうかでしょう。

アダルトビデオならば観たらすぐわかりますが、誰でもするような体位であっても、もしかしたら今頭に想像している形とは足の位置が違ったりするのかな?と少々不安になりました。

想像しやすいような書き方はしてもらっているとは思うんですが、その体位をたぶん試したことがないのでなかなか想像しづらく読み飛ばしたりしてしまいました。

本末転倒です。

さらにはもっとアクロバティックな体位も出てくるのですが、こうなると今一体どういう状況なのか、さっぱりわかりませんでした。

今頭にある体勢だと、決して自分の頭をソコには持っていけないはずだが、持ってい行けてるってことはそもそもの体勢が違うのか、この者たちが以上に体に柔軟性があるのか、などと考えてしまいます。

ただ、あまりに考えすぎるとこれまたエロい気持ちが消し飛んでしまうのです。

挿絵があると良かったんですけどね。

行為の中での心情に共感

行為中の体勢ももちろんなのですが、それぞれの心情もしっかり描かれております。

それこそがアダルトビデオとの最大の違いです。

アダルトビデオでは、行為に及んでいる人たちの心情まで芝居に落とし込めるてる人をボクは観たことがありません。

ほぼストーリーのないアダルトビデオにはもちろんそんな演技力は必要ないんですが、ちゃんとストーリー仕立てになっているアダルトビデオであっても、行為直前まではどこかの誰かを演じていたとしても、行為が始まってまでそのキャラクターをしっかり演じきっている人を観たことがありません。

ところが小説になりますと、その心情の変化がしっかりと描かれていますから、昔懐かしい感情を呼び起こされるところがありました。

最近は、単なる性欲のみに突き動かされているだけです。

もっぱら相手は風俗嬢なので、急に好きになって愛してしまうというのは、ボクにはないので、余計に自分の感情が乗っかった行為というものから、かなり遠ざかっていることを思い知りました。

行為そのものも快感を運んできてくれますけども、感情が伴うとその快感にブーストがかかるんですね。

結局、ここに出てきた2人の女性は主人公の男のことをしっかりと愛していたし、時が経ってもその火は消えてなかったということで、最後までなんだか悔しかったです。

どうして自分にはそういう付き合いができなかったのだろうと、自分のダメさ加減も突きつけられた気持ちになりました。

主人公は仕事をやめ、気ままに旅をしながら元カノを抱くという、普通のおっさんならとても恐ろしくてできないことをバンバンやってのける男で、痛快ではあります。

悔しくなりながらも、自分の代わりにムチャクチャしてくれていると考えることも出来て楽しかったです。

おっさんでないと、きっと楽しめない小説だと思います。

それではまた。

ありがとう!

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