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【読書感想文】『作詞入門ー阿久式ヒット・ソングの技法』阿久悠

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

今回読んだ本はこちらでございます。

※本の画像がありませんが、実際に存在する本です。

作詞入門―阿久式ヒット・ソングの技法

タイトルが「入門」となっていますし、サブタイトルにも「技法」とあるのにテクニック的なことはほんの少しだけしか書いてありません。

そういう意味で少しガッカリはしました。

正確にこの本のタイトルを付けるとすれば『作詞家入門』でしょう。

時代が変わった

この本が書かれたのはボクが生まれた1972年のようでして、その頃と今とでは音楽業界の状況は全く違っていて、シンガーソングライターがあんまりいないという状況でした。

例えばバンドがデビューするとなると、そのデビュー曲をバンドメンバーが作ってるのは普通です。

しかし、この時は作詞家や作曲家などが寄り集まって、どういうイメージのバンドにするかを話し合って、それに沿って曲を作り、詞を書いていたんだそうです。

作詞家になるつもりはなく、阿久悠さんのようにオシャレな文章?が書きたいと思ってたボクのような人には向いてない本かも知れません。

そもそも作詞家を目指す人って今、いるんですかね?

作詞家・阿久悠

作詞の仕方というよりも、どうやって『作詞家・阿久悠』というのを構築してきたかという話が大半で、それはそれで面白くはありました。

ただ、ボクの知っている阿久さん作品は当然これが書かれた以降に生まれた曲がほとんどでして、ここに例としてあげられた曲のほとんどがピンと来ないという事態に陥りました。

知ってる曲の解説があるともっと楽しめたのではないかと。

50過ぎのおっさんが楽しめないわけですから、ボクよりも若い人はもう壊滅的でしょうね。

後半に97年に発表された『僕の歌謡曲論』が出てきます。

最初の部分と終わりとで25年の時が流れているのです。

なので、最初のほうはちょっと何か感じ悪い印象を受けるんですが、終わりのところでは凄く柔らかい感じになってます。

阿久悠 – Wikipedia
80年くらいからかな?阿久さんの作品が売れなくなってきたそうで、そういうのを経験されて丸くなったんでしょうかね。

小説家に近い?

作詞というのは小説を書くのと同じ感じなのかもしれないと感じました。

第Ⅳ章の中のトレーニング編にボキャブラリーを増やすことや、いろんな本を読むこと、会話を研究することについて書いてあります。

人を感動させるストーリーを構築するためには様々なところからネタを引っ張ってこなきゃいかんのだな〜と思い知らされました。

引っ張ってきたネタをくっつけて余計な部分を削ぎ落したものが詞なんでしょう。

歌謡曲の歌詞の素晴らしさは、その限られた文字数でパッと頭の中に映像が浮かび上がるほどの情報を凝縮しているところです。

それはまるで映画を観ているかのように鮮明であります。

※これはその時代を生きた人特有の能力があってのことかも知れませんが・・・。

文字数制限がない(ボクが知らないだけであるのかも知れませんが、歌詞ほどには制限されていないはずの)小説よりもむしろ書くのが難しく思えてきました。

小説はとても書けないけど、詞ならボクでも書けるんじゃないかとナメてました。

時々、歌番組を観て、知らない人だらけなんですが、今、若い人の間でその歌詞が共感されてヒットしてるとアナウンスされ、それはどんな歌詞なんだろ?と思って観たりします。

でも、これのどこに共感してるんだろ?と思うことのほうが多いです。

作詞の達人の阿久さんですら、時代の変化についていけないんだから、ボクがついてけないのも致し方なしかと思えました。

それでもやっぱり阿久さんは偉大であることには違いありません。

案外、いま売れっ子のアーティストが阿久さんの歌詞にメロディつけて歌ったら、若者の共感を呼んだりするかも知れませんね。

昭和歌謡が好きな若者が最近は多かったりするそうですし。

回る回る時代は回ると中島みゆきさんが歌ってましたが、

本当にそうなんだな〜と思いこの頃です。

それではまた。

ありがとう!

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