元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回読んだ本はこちらでございます。
ふくわらい
一体自分が何に感動しているのか、ハッキリと言葉に出来ないのですが、心地の良い感動に包まれながら、読み終えました。
やっぱり西加奈子作品はボクにはしっくりきます。
プロレス好きとプロレス好きは感性が合う?
『きいろいゾウ』という作品を読んだ時にも思いましたが、
ピタッとボクの感性に合うんですね。
これはきっと西加奈子さんがプロレスが好きだからなんじゃないかと思いました。
直木賞受賞会見でもなぜか熱くプロレスを語っておられるます。
西加奈子さん「プロレスからむちゃくちゃ勇気をいただいてます」
プロレスの話を振ってしまった記者のせいでもあるのですが、ここまで世間が注目する場所でプロレス愛を語る作家さんを応援しないワケには行きません。
これからも西加奈子さんの小説は読みますので、いや買いますのでジャンジャン書いて下さい。
プロレスラーが出てくるのでこちらを購入
実は本屋さんで本を買うときに、2冊の西加奈子作品を手にとって悩みました。
ボクは小説を読むのが遅いので、何冊も一度に買ってもあとで読むつもりだった本のことを忘れてしまったり、読む情熱を失ったりするので、小説は一回に一冊しか買わないことにしています。
なので、2冊の本を手にとって悩んだのです。
そこで何を決め手に『ふくわらい』を選んだのかというと、それはこの物語の中にレスラーが出てくると書いてあったからです。
ただそれだけです。
そこに「レスラー」の文字があっただけで、読むに値すると思ってしまう思考回路なのです。
こんなことでワクワク出来るというのは、プロレスがずっと日陰な存在で、今でもプロレスが好きだというと変な人のように思われるフシがあるからです。
ボクは今までずっとそうだったので、変な人だと思われることにむしろ快感を覚えるくらいになってきていたのですが、どメジャーな直木賞作家の方がプロレスが好きだと言い、そして自分の作品の中でレスラーを登場させるというところにカタルシスを感じてしまうのです。
リアリティのないキャラで構成されたリアルな物語
さて、読まずにはおれない状況の中で読み始めたのですが、最初は何が何やらサッパリわからない混沌に混沌を重ねた、いやCHAOS(ケイオス)にCHAOSを重ねた、とにかくなんじゃこりゃ~連発のストーリーなのです。
序盤は読んでるのがしんどくなってくるような物語ではありました。
独特の匂いの人、人の肉を食べた人、刺青入れ倒してる女の人、片目が見えない人、全盲の外人顔の人、変な顔のプロレスラーと、次々と出て来るキャラクターが、今までの人生の中で、実際にあったことがない人ばかりが出てくるのです。
「そんな人、本当にいるの?」とまるでリアリティを感じないのです。
ところがいつの間にか、自分がこの物語の世界の中に入り込んでいて、この奇妙なキャラクターたちがリアルにいるように感じていたのです。
きっと人物描写が驚くほど上手なんでしょうね。
虚像に命が与えられていきます。
終盤にはジワッと涙が溢れてきて、もうこの世界を閉じなければならないのかと寂しくなるまでに、この物語の中の世界にひたっていました。
その時物語はボクにとってリアルな世界になっていたのです。
自分は自分
この本を読み終えて、
『自分は自分なのである』
という当たり前のような、当たり前ではないようなそんな言葉を教えてくれました。
それはプロレスが好きで良いじゃないか、プロレスが理解できない人がいたって自分が好きなら、そして自分が楽しめるのなら良いじゃないかと言われているようでした。
他人は他人。
自分は自分。
これが多様性。
俺もお前もみんな、それでいい。
それではまた。
ありがとう!